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目が覚めると、知らない場所だった。
いや、目が見える、ということはさっきの暗闇とはまた違う場所だろうか。
薄暗い。
(木の柱?)
そこまで見て、自分が横になっていることに気がついた。
(あれは天井か。横向きについてるから柱じゃないな。梁でいいのかな)
視線を天井から梁を伝って壁へ。
(レンガ?)
壁は長方形のブロックで出来上がっていた。
材質なんて詳しいわけもないが、茶色いし、ブロックだし、きっとレンガなんだろうと思う。
視線をゆっくりと巡らせていくと、壁には一箇所、窓があり、穴が開いているように見えるその隙間から弱い光が室内を照らしていた。
しばらくの間、ぼーっと眺める。
知らない部屋。知らない壁。知らない天井。
寝返りを打とうとして、体の上に布団が掛けてあることに気付く。ずいぶんとゴワゴワしている布団だ。
体を動かすと、下に敷いてあるマットがガサリと音を立てた。
ギシ、ギシ、ギシ、ギシ。
歩いてくる音がする。
ギイィ。
足元の方向から人が現れた。
なんとなく、寝たままというのも悪い気がして、体を起こす。
そして話しかけられた言葉は、聞いたことの無い言葉だった。