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 太陽が黄色い。


 何度目かになるダンジョンからの帰還。

 最初に入ったときは、2日の野営を行って帰ってきた。

 移動のほかは野営地で料理や誰かが仕留めた獲物の処理で、他の兵士たちのように野営地が出来てから出掛けることはない。

 野営の間には、兵士達はダンジョンの掃除をやらされるらしく、行きは食料が載っていた荷車には、帰りには骨とボロボロの武器やゴミ以外の何物でもない雑多な物が載っていた。


 2回目以降のダンジョンは少しずつ滞在日数も移動距離も増え、今回は移動に3日、野営が7日ほどだっただろうか。

 数十人の食料を運ぶのも辛いし、荷物を減らすためなのか腐るのを嫌っているのか、食事の内容もどんどん質素になっていく。

 野菜は生から干したものが中心になり、パンも固いパンから堅いビスケットもどきが多くなった、どうせビスケットなら甘くすればいいのに、味はほとんどない。

 そしてわずかにあった肉類は完全になくなった。食べれるのはダンジョンの中で獲物を仕留めた時だけだ。


 だからか、ダンジョンを出た兵達の顔は明るい。

 やっとまともな食事が食べれるということだし、同時に警戒をせずにゆっくり寝れるということでもある。

 交代で見張りをするとは言え、蝙蝠のように上からの襲撃もある。

 安全に眠れるようにと天幕を張ってはいるが、安全とは言えないダンジョンの中での睡眠ではどうしても眠りが浅くなる。

 睡眠と食事。

 それがどれだけ大事なものかなど、知ってはいたはずなのに、不自由な目にあって初めて理解したような気がする。


 ダンジョンから出た足で、荷物を持ったまま井戸へ向かう。


 まずは調理器具の洗い直しだ。

 ダンジョンの中に持ち込む水も荷物である以上は、量に限りがある。最低限の汚れは落としてあるが、水もあまり使えないし、暗い中では見落としもある。だからまずは道具の手入れをする。

 急がないと、すぐに夕食の準備が始まってしまう。

 汚れたままの道具を使うのはごめんだ。病気にでもなったらどうするというんだ。


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