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16."朱雀"様との精霊契約!

ある日の夜。

私は自宅の部屋のベッドで寝ておりました。


『なんか近くにくるよー。』

『アリア、起きてー!!』

『アリアさん!!起きてください!!』

『げ。この感覚は・・・!』

『ぬ。こいつは面白がってこちら側にきているのか。』


精霊さん達は必死になって私を起こします。そして、目の前には謎の鳥の姿。


『私は面白いことが好きだ。あなたは巷で"聖女様"と呼ばれ、多くの素晴らしい魔法使いを輩出しているようだな。面白い。汝、我に名前を付けていただきたい。』


私は目の前がまだ眠いせいかぼんやりしております。目の前がはっきりすると、目の前にはおそらく"朱雀"様と思われる鳳凰姿の鳥がおりました。私は頭を抱えました。ここは契約を結ぶべきでしょうか?聖女様になるには多くの精霊と契約を結ぶべきなのでしょうが、本当にこんなに簡単でいいのでしょうか?


「あなたは"朱雀"様でいらっしゃいますよね?本当にいいのですか?私は本当に聖女様の儀式において聖女様になりたいのです。自分のために、自分の私利私欲のために聖女様になりたいのです。それでも、契約を結んでよろしいのでしょうか?」


私は"朱雀"様に問います。

そう言うと、"朱雀"様は笑います。


『はっはっは。そんなことで私の決意は途切れない。むしろはっきり自分のために、聖女様になりたいと言えるのは面白いやつだな。誰もが自分のために行動しているだろう。お前の婚約者なんかお前に少しでも近づくために兄と切磋琢磨しているようだな。相当お前に惚れているのだろう。婚約者は自分の私利私欲、お前に少しでも近づきたいという願いのために、己の力を強くしているのだろう。それはお前が否定できるのか?』


私はハーベスト様が私に惚れていると聞いて、顔が赤くなったが、ハーベスト様が己の力を高めていることを私が否定できる訳ないじゃないか。それが自分の私利私欲のためだとしても。それはハーベスト様が"努力"なさって、やってきたこと。私は・・・。


「だったら、私は自分の私利私欲のためにあなたを利用させてもらいます。私は自由に生きたいのです。私は前世の記憶があります。私は天寿を全うせずに、17歳で死んでしまった。だから、この世界では自由に生きていたい。そりゃあ、結婚だってしたいし、家庭を築いて子供たちと笑いあって過ごしたい。」


そう宣言すると、"朱雀"様が魔法を、視界阻害魔法を解いた。視界阻害魔法を解いた先にいたのは、ハーベスト様だった。


「アリアは前世の記憶を持っていたんだね。だから、小さい頃からどこか大人びていた。僕は最初憧れて、婚約を申し出た。でも、アリアと過ごしていて、アリアに惚れている事に気付いた。だから、今一度ここでプロポーズしたい。成人したら僕と結婚していただけないでしょうか?」


ええ!?ここでプロポーズですか!!頭の中がショートします。


「・・・私は悪役令嬢なのに、幸せを望んでもいいのですか?ハーベスト様と結婚して幸せになってもいいのですか?」


そう言って、涙を見せると、ハーベスト様は少し疑問符を浮かべます。


「悪役令嬢・・・?」


☆☆☆☆☆☆☆


私は前世持っていた記憶すべて話しました。そう言うと、ハーベスト様は私を抱きしめてくれました。


「僕はアリアに惚れている。今更、リーゼさんとやらには惚れはしない。それに物語と話がだいぶずれているじゃないか。君が"聖女様"にならなくて誰が、"聖女様"になるの。・・・それにアリアは好きな人がいる?」


そう問われて、頭に浮かぶのはやはりハーベスト様でした。


「私はハーベスト様が好きです!!私こそ、結婚して、私を幸せにしてもらえませんか?」


そう言うと、笑顔になって答えました。


「こちらこそ、もう離さないから。成人して、アリアが"聖女様"になったら、結婚して幸せになろう。」


そう言って、唇に何度もキスする。


『・・・そっちの世界に入っている所悪いが、私との契約はどうなった。』


はっ!つい、自分の世界に入ってしまいました。


「汝の名はフェンリル。」


そう言うと、自分の中に力が湧いてきます。私は頑張って、聖女様になります。

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