10.アーネイルの泉!
ハーベスト様と最近腐食している森へと馬車で向かっております。こういう時、フィーがいれば一気に着くのですが、流石に精霊と契約している事はあまり公にしていないので、地道に向かわなければならないのです。早速、その森に着くと強い魔獣の気配を察知します。
「ハーベスト様。ここには強い魔獣の存在が確認できます。そいつを倒さねばこの森の腐食は止まりません。」
そう言うと、ハーベスト様は周囲の人たちに指示し、戦闘装備をつけさせ、戦闘モードに入らせます。
そして、しばらくして私の方に向くと、地図を取り出し、私に聞きます。
「アリア、そいつはどこらへんにいる?」
私は地図を見て、頭の中の魔物の位置を照らし合わせると、いる場所を、地図を指さします。
「この辺りです。この辺りに強い魔獣の存在が感じられます。」
「・・・まさか、アーネストの泉付近か・・・。確かに、この森が腐食していく訳だ。」
言いながら、ハーベスト様は納得します。
「アーネストの泉・・・?それはどういったところですか?」
私は問います。
「アーネストの泉はこの森を形成する水分をこの森全体に供給している泉なんだ。・・・だから、この森の命と言うべき場所なんだ。」
ハーベスト様は答えました。周囲の調査隊が戦闘モードに入ったところで、ハーベスト様は指示します。そして、私達はアーネストの泉に向かうことになりました。
☆☆☆☆☆☆☆
アーネストの泉に着くと、そこには大きな魔獣がいました。私も戦闘モードに入ると、少し違和感を覚えました。しかし、魔獣と向き合います。
「皆!戦闘装備は出来ているな?あの魔獣を倒して、この森の腐食を止める!いいな!」
ハーベスト様は指示します。全員が戦闘モードに入ると、戦闘開始です。
魔獣は泉の中にいるようなので、属性はやはり水魔法を繰り出してきます。私は精霊さんを呼び出し、戦いに加わります。・・・あ、人型で登場させます。あまり公にしたくないので。
「レオンさん。何か違和感を覚えるのですが、レオンさんはどう思いますか?」
私は一番経験豊富そうなレオンさんに問います。そうすると、レオンさんもどこか違和感を覚えるようです。
『んー?こいつ、なんか変な魔獣って感じはするな。』
『僕もなにか変だと感じるよ。』
『んー?いつも退治しているやつとは違うようなー?』
『・・・うまく、言葉に言えませんが、無理やり魔物にされたような感じはするような・・・。』
精霊さん達は口を揃えて言います。
『・・・でも、ルリ嬢の言う通り、こいつ無理やり魔物にされたんじゃねーの?』
はいい!?
「そ、それはどういうことで・・・?」
私は驚いて、問います。その間にもハーベスト様達は戦います。
『その名の通り、こいつ元々精霊で無理やり魔物にされたんだよーってことを言っているんだよー。』
エクスは言いますが、本来精霊は精霊の姿のはずです。もし、元々この精霊がこの泉を加護しているなら、倒しても、この森自体腐食してしまいませんかね!?
『あー。その可能性もあるよな。』
レオンさんはどこか納得した顔をしますが、そう言う問題ではないのですよ。どっちにしろ、八方ふさがりじゃないですか!!