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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第七章 レイダー編
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第九十七話 異星探査日記

こんにちわ!

今回もレイダー星に関してもっと切り込んでいきたいと思っています。

ウインメタルとエリカはレイダー星の謎を探るべく、郊外の山のような場所から再び町の方へ戻ろうとしていた。ステルスフィールドを展開し、エリカを背中に乗せながら飛んでいたウインメタルはふと疑問に思った。

「そう言えば、一つ気になることがある。」

「何でしょう?」

「奴ら、人間の言葉を喋っていた。星も種族も全然違うのにどうしてコミュニケーションに支障が出ないんだろう?スピリットセンサーも起動させてないのに。」

確かに通学途中に隼人を襲撃した際もスピーカー越しに人間の言葉で挑発を掛けていたし、円盤に忍び込んだ際もレイダー星人とウインメタルは普通に会話が出来ていた。有牙人との言語の違いによるコミュニケーションに苦戦した事を思い出したウインメタルは、どうもそこが引っかかっていた。

「私も分かりませんがコミュニケーションに問題がないのは間違いありません。何か秘密があるのでしょう。」

「そう言う所も含めて徹底的に調べよう。」

そう言ってウインメタル達はそのまま町に到着した。やはり独特な形の建物が並び、空中には車の様な乗り物が多数飛んでいる。勿論道には通行するレイダー星人がいたのだが、ここでウインメタルはもう一つ気付いたことがあった。

「そう言えば、道路がないね。地面に走っている乗り物は何もないな。」

「恐らくですが、乗り物はすべて空中を走行するのでしょう。地上に走らせる必要がない為人が歩くスペースがあれば十分なんでしょう。」

「うーん。やっぱり見慣れない、異様な雰囲気だ。」

先ほど見た緑色の空と無紫色の大地に加え、車道が無く乗り物が皆独特な建物の間を飛んでいく光景は何とも言えない違和感をウインメタルに与えていた。すると、二人はある物を見つけたのだった。

「ん、あれって?」

それは街中に映し出されている様々な空中ディスプレイの一つだった。音声付きのそれはウインメタル達の耳にもはっきりと届いている。

「非常事態です。先日捕獲した異星人が脱走しました。非常に危険なのでこの者を見たら直ちに通報を。」

そんな音声とともにウインメタル、エリカの顔が映し出されており、行き交う通行人達がちらちらとみている。

「やっぱりもう気付かれたか。これじゃあ僕達はまるで指名手配中の凶悪犯じゃん。」

「のんびりしている暇はなさそうですね。先を急ぎましょう。」

「そうだね。でも、ステルスフィールドもずっと展開し続けてるとエネルギー切れになる。こそこそ隠れながら行くしかないか。」

そう言ってウインメタル達は一度人目につかない物陰に隠れ、変身を解除した。

「うん。大気の成分は地球に似てるのかな。普通に呼吸できる。出来るけど…。」

「何かありましたか?」

隼人は思っていた事を言った。

「ちょっと臭い。」

ウインメタルの頭部装甲にはガスマスクのようにフィルター機能があり、大気中にどんな有毒ガスが含まれていても問題なく呼吸が出来る。変身していた時はフィルターの影響で気付けなかったが、隼人は周りに漂う煙のような異臭に違和感を覚えていた。

「大気の成分も分析してみましたが、人体に有害なものは含まれていません。ただ、地球の空気中には無い未知の粒子の様な物が含まれていますが。」

エリカはそう説明した。隼人も腑に落ちない部分はあるものの、体に害がない事が分かったのでとりあえずこのまま調査を続けることにした。エネルギー残量を温存するために物陰に隠れながら見つからないように必死で移動する二人。移動しながら隼人はぼそっと呟く。

「でかい建物が多い分隠れる所はあるけど…見つかったら一発でバレるのが辛いな。それと、この人たちは殆ど男なんだよね。女性が極端に減ったって言ってたし。まあ、レイダー星人に関しては僕の目じゃ男女差はおろか個体差も区別できないんだけどね。」

円盤内で言われた女性がほとんどいなくなってしまったというレイダー星の社会。レイダー星人がすべて同じに見える隼人にとっては行き交うレイダー星人がみんな男なんだと考えると、少々複雑な気持ちになった。そんな時、事件が起きる。

「わっ!」

「お化けだぁー!」

背後から声が聞こえた。よく見ると、二人のレイダー星人が悲鳴を上げて逃げていくのが見えた。

「やばっ、見つかった!」

「急いで逃げましょう!」

ビルの隙間に隠れていたのだが、反対側の開けた場所に気づかずに見つかった二人は慌てて飛び出してしまった。更に悲劇は続き…。

「いたぞ!」

「二人まとめて即処刑だ!」

前方から武器らしきものを持った二人のレイダー星人が追いかけてきた。

「げっ、あいつらだ!」

「このままでは騒ぎが広まる一方です!」

「そうだね!装甲起動(アクトメタル)!」

「フォームシフト!」

ウインメタルとエリカはそれぞれ戦闘モードに移行した。

「とにかく足止めだ!」

そう言ってウインメタルはメタリックガンを実弾モードにして、まずはレイダー星人の手から武器を弾き飛ばした。

「スモークモード!」

次に煙幕を出して目を晦まそうと思ったのだが…。

「馬鹿な!」

「煙が立たない!」

ウインメタルがけでなくエリカまで驚いている。メタリックガンのスモッグは大気中の二酸化炭素を直接取り込んで急速に冷却し、ドライアイスの要領で発生させている。しかし、いくら発射しても出てくるのは空気ばかりで煙が全く発生しなかった。

「ふん、何をするのかと思いきや。」

「今だ、捕まえろ!」

そのまま迫ってくるレイダー星人達。ウインメタルはすぐに気持ちを切り替え…。

「捕まってたまるか!サウンドブラスター!」

メタリックウイングを展開し、高周波を町中に放つウインメタル。レイダー星人達はうめき声を上げながら苦しみ出し、皆気絶したのか動かなくなってしまった。

「よし、逃げよう!」

「了解です!」

ウインメタルはエリカを乗せてそのまま上空へと飛び去って行った。

「まずいな。結構大騒ぎになっちゃったよ。」

「ほとぼりが冷めるまではずれの方にいた方がいいでしょう。」

「分かった。」

こうしてウインメタル達は、再び町の中心部から外れの方へと飛んで行ったのだった。

こんにちわ!

様々な疑問が残る中、大騒動になってしまいました。

ウインメタル達はこれを乗り切ることが出来るのか?

次回もお楽しみに!

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