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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第七章 レイダー編
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第九十三話 星人の言い分

こんばんわ!

円盤に乗り込んだウインメタルとエリカはどうなるのか?

ウインメタルとエリカは見事な連係プレーを駆使し、隙を突いて円盤の中に親友することが出来た。そして今、数多くの若い女性の命を奪い、揚句の果てに地球人女性の腹に自分の子供を宿すという悪行の犯人達と対峙している。

「よく来たな。時代遅れの種族の中にお前達みたいなハイスペックな者がいたとは。」

「そりゃぁ来るよ。僕達の星でこれ以上好き勝手やられちゃあ困るんでね。」

ウインメタルは感心の言葉を述べたエイリアンの一人に軽蔑の視線を送りながらそう言った。エリカの予想通り、相手は言葉を使うことが出来た。しかし、その姿は以前摘出されたエイリアンベビーの如く地球の人間とは大きく異なっている。身長は人間の子供位で、グレーに近い肌の色、異様に発達した頭部と目、更に手には6本の指がある。円盤内には5人のエイリアンがいたが、全員銀色のマリンスーツのような物を着ており、地球人の目からは外見上の区別は困難である。

「君達は一体何なんだ?!どうしてこんな酷い事を!?」

ウインメタルは怒り心頭でエイリアンに詰め寄る。すると、エイリアンの一人が話し始めた。

「私達はケンタウルス座系のレイダー星という惑星から来た。地球に来たのは他でもない。我が種族繁栄の為だ!」

「繁栄の為?一体どういう事だ?」

ウインメタルはレイダー星人の言っている事が今一つ理解できず、再び質問する。すると、また別の個体が答えた。

「我々の星は、太古より優れた文明を維持し、繁栄してきた。この星の原始的な文明よりずっと発展している星だ。だが、今我々の星は深刻な問題に悩まされている。」

「深刻な問題?それは何でしょう?」

エリカも質問する。するとまた別の個体が答える。

「我々の星は今、女性が激減し、人口が以前の半分以下にまで落ち込んでしまった。このまま出生率が下がり続ければ我が星は滅んでしまう。何とか出生率を上げる方法はないかと懸命に探した結果、地球人を発見したのだ。」

レイダー星人は神妙な雰囲気を漂わせながら更に説明を続ける。

「我々は地球時間で言うおよそ半年前からこの星の調査をした。そして、地球人の体の仕組みは原則的に我々と同じ事が分かった。だから、地球人の女性と子供を作れる可能性を信じて子宮を取り出して研究していたのだ。」

その言葉にウインメタルとエリカは完全に呆れかえってしまった。自分達の出生率のために罪も無い地球人を犠牲にしていたのだった。

「そして、地球人の子宮でもレイダー星人の胎児を育てられることも理論上証明できた。だから我々は地球人の女性と子供を作る事で出生率上昇を行うと決めた。この間一人の女性に代理母になってもらったが、今後100人の女性に我が種族の子供を産んでもらう。地球人の妊娠期間は約10カ月と聞いているが、我がレイダー星人は5か月もあれば出生できる。もうすぐ絶滅回避の救世主となる子供が誕生するはずだ。」

「その一人目って、これだよね?」

ウインメタルはそう言ってディスプレイに写真を表示した。この間愛知県の根本香織から摘出したエイリアンベビーの写真た。摘出されたエイリアンベビーはフリーズモードで凍結され、現在腐敗防止液に漬けこまれて田中の研究所に保管されている。

「き、貴様!我々の大事な子になんて事をしてくれたのだ!時代遅れで原始的な悪魔め!」

写真を見て一番前にいたレイダー星人が激高した。だが、ウインメタルは冷たくあしらった。

「望んでも無いのに無理やり君達のような異星人の子供を宿された根本さんがどんな気持だったか分かる?恐怖で仕方なかったんだよ。それに君達の妊娠期間が短かったこともあって胎児がいきなり暴れ出して命の危険にさらされた。自分達の出生率の為に地球人を平気で犠牲にするような君達の方がよっぽど悪魔だよ!」

その言葉にレイダー星人達は一瞬黙り込んだ。しかし、すぐに言い返してきた。

「うるさい!お前達みたいな原始的で無能な種族よりも、われわれのような高度な文明を持つ者の方がよっぽど世の為だ!こうなったらもう許さない!お前達をレイダー星に連行して処刑してやる!ハッチを閉めろ!」

こうしてレイダー星人の一人がハッチの封鎖を命じた。すると、こじ開けられたハッチのシステムが修復され、出入り口を完全に封鎖。ウインメタル達を閉じ込めた。

「まずいです、ウインメタル!完全に閉じ込められました!」

「くっ、だがお前達を倒して円盤ごと墜落させてやる!」

ウインメタルはメタリックガンを展開しようとした。しかし…。

「奴らをとらえろ!」

レイダー星人がそう言うと円盤の防犯システムが作動したのか、天井から鉛色の帯の様な物が数本落ちてきた。そしてウインメタルとエリカの前に来ると、素早く体に巻きついて動きを完全に封じ込めてしまった。

「何だこれは?動けない!」

「見たことない原理を使っているようで、私にも解除不能です!」

完全に追い詰められたウインメタルとエリカに対し、レイダー星人達はあざ笑う。

「そこで大人しくしていろ!お前達は私達を滅ぼす、我々の敵だ!死を持って償ってもらう!」

そう言うとレイダー星人は円盤を上昇させ、大気圏外へと飛び出してしまった。こうして捕らえられたウインメタルとエリカはレイダー星人によって地球の外へ拉致されてしまったのだ。

こんばんわ!

ウインメタル達は宇宙へ行ってしまいました。

果たして地球へ帰れるのか?

そして、レイダー星の実態とは?

次回もお楽しみに!

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