第九十二話 負けれぬ戦い
こんばんわ!
気まぐれで済みません。
二日連続投稿です。
隼人が通学途中のある朝に予想外の事件が起きた。なんと例の殺人円盤が彼の目の前に現れ、あろうことか周囲にビームを乱射している。周囲にいた人は一目散に逃げ出したが、隼人は物陰に隠れて様子をうかがっていた。
「せっかく平和に過ごせると思ったのに、どうしてくれるんだ。」
隼人は物陰に隠れた状態で、そう不満を言った。そして、円盤は相変わらずビームを撃ち続けながらスピーカー越しに話す。
「我々はこの近くでお前に邪魔をされたから恐らく貴様がこの周囲に生息していると踏んだ。だからこうして出向いてきたのだ。早くでてくるのだ。そうでなければ他の場所を攻撃するぞ。」
「何が出向いて来ただよ。完全に恐喝とあぶり出しじゃないか。」
円盤に対してそう愚痴を言った所にようやくエリカが到着した。
「隼人、お待たせしました。」
「エリカ、よくここまで無事に来れたね。」
合流した二人にはすぐに田中から連絡が入った。
「二人とも、大丈夫か?」
「田中さん、僕は大丈夫だよ。」
「私も問題ありません。」
二人は無事を報告した。田中はさらに続ける。
「突然の事で私も少し混乱している。だが、何とか追い払えたらと思っている。最低でも奴らの攻撃をやめさせるんだ。」
「勿論だよ。それに相手は僕に出てきて欲しいみたいだしね。」
「何?!」
隼人の言葉に田中は少し驚いていた。隼人は事情を説明する。
「円盤はビームを滅茶苦茶に打ちながら僕をあぶり出そうとしているよ。あの時エリカの誘拐を阻止したのがよっぽど不満だったみたいだね。だから行く!そうじゃないと他の町に行くってスピーカー越しに言ってた。」
「そうか。それならすまないが、二人とも頼む。」
「勿論だよ。」
「私も全力で援護します。行きましょう!」
「了解!装甲起動!」
隼人はウインメタルに変身し、アンドロイドモードのエリカと共に円盤の近くへと飛び出した。
「おい、UFO!君が会いたがっている僕はここにいるよ!」
ウインメタルは円盤にそう言い放った。すると円盤が答える。
「よくも我々の邪魔をしてくれたな!貴様のせいで我々の計画が進まん!貴様は我々の繁栄の邪魔だ!今すぐ消えてもらう!」
円盤はそう言ってビームを二人に放つが、二人ともあっさりと避ける。そして、エリカも発言する。
「あなた方にどんな事情があるかは知りませんが、これ以上の殺戮は許せません!それに地球の女性に自分たちの子供を産ませるなんて言語道断です!今すぐ地球から出て行きなさい!さもなければ撃墜します!」
エリカの強気な発言も円盤には通じる気配がない。相変わらず一番上の方にある噴射口のような場所から二人めがけてビームを放ってくる。
「クソ、話の分からない宇宙人だな!もう遠慮する必要も無いよね!ウインカノン!」
ウインメタルはビームを放つが、前回同様バリアーを張られてしまう。それでも攻撃を止めなかった。
「ファイヤー!」
今度はファイヤーモードで高熱の火炎を円盤に浴びせるが、これも全く効いていない。
「貴様ごときに我々が倒されると思ったのか?今度こそ消えてもらおう!」
円盤はそう言うと、再びビームを放つ。しかし、それに怯むウインメタルではなかった。
「リフレクトモード!」
ウインメタルは今度は攻撃を避けずにリフレクトモードでビームを跳ね返す。だが、円盤も負けじとバリアーを張る。
「防御手段はこっちも整えているよ。」
ウインメタルは不敵にそう言い、円盤をあしらう。そして、ウインメタルと円盤の攻防はこう着状態となった。すると、一瞬円盤の攻撃が止んだタイミングでウインメタルはエリカとコンタクトをとる。
「エリカ、準備はいい?」
「大丈夫です!」
「じゃあやっちゃって!」
「かしこまりました!」
ウインメタルはエリカに何かを指示した。そして円盤からまた声が聞こえてくる。
「貴様が何をたくらんでいるか知らないが、もう終わりだ。ここで消えてもらおう。」
そう脅されたがウインメタルはなぜか冷静だった。
「まあ、せいぜい強気でいなよ。僕は君たちの弱点も把握しているんだから。」
「何だと?」
そう言った直後だった。円盤の下にある出入り口であろう部分が煙をあげ、ハッチが開いている。
「何だこれは?貴様、何をした!?」
円盤はウインメタルに詰め寄ろうとしたが既にウインメタルの姿はなかった。
「どういうことだ?!何が起こっているんだ?」
「分からん。気付いたらいなくなっていた。」
その頃、円盤内部では乗組員であるエイリアン達がパニックに陥っていた。ハッチは壊されて開けられているし、標的も見失ったままだ。そして、彼らをさらに驚かす事が起きた。
「エイリアン発見です。」
「もう許さないぞ、覚悟しろ!」
そう言って現れたのはウインメタルとエリカだった。どうして二人が円盤の中に入れたかというと、二人で上手く弱点を突いたからだった。前回の戦いでハッチがある下部の防御が薄い事は分かっていたので、まずウインメタルが攻撃することで注意をひきつけ、その隙に腕を伸ばして円盤に張り付いていたエリカがシステムを解析しハッチを破壊、そしてそこに注意が行った好きにウインメタルはステルスモードになり、二人で忍び込んでいたというわけだ。
「どうする?こんなことは想定外だ!」
「ふん、所詮時代遅れの下等種族だ。入ってきた所で慌てることはない。」
そう言うエイリアン達。ウインメタル、エリカのコンビが初めてエイリアンと対峙し、この場は異様な緊張感を漂わせていた。
こんばんわ!
ついにエイリアンと対峙した二人!
果たして彼らの運命は?
次回もお楽しみに!




