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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第七章 レイダー編
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第九十一話 奴らの報復

こんばんわ。

新年二発目です!

この調子で頑張って行きたいです!

円盤に乗るエイリアンによって子供を身籠らされた愛知県の女性、根本香織は想像したことがない不安と命の危機に晒されていた。それでもウインメタル達の迅速で的確な対応によって根本は一命を取り留め、彼女を悩ませていた腹の中の生命体を取り出すことが出来た。摘出後、エイリアンベビーとも言える胎児は体の一部はエリカによって採集され、本体はウインメタルによって凍結、封印された。採集した体の一部を解析するウインメタル一同。その解析結果に彼らは驚くしかなかった。

「このDNAの塩基配列、地球のどの生物にも存在しないパターンです。エイリアンで間違いありませんね。」

「やはり私の予想は間違っていなかった。これは、公表したらとんでもない騒ぎになるぞ。」

エリカの解析結果に寺澤は少し嬉しそうな反応を示した。エリカが採集したのはエイリアンの血液と皮膚の一部だったが、それだけでも皆を驚かせるだけの要素を備えている。

「う~ん、緑色の血液か。フィクション以外でこんな色の血をした生き物に出会えるとは思わなかったな。」

ウインメタルも少し驚いた様子で解析結果に目を通す。エイリアンベビーの血液は木の葉のような緑色をしていた。その上皮膚はグレー。どこまでも地球の人類とは異なる者であると一同は実感した。

「それにしても、内臓の位置が地球人と全く同じなのは驚いたな。」

「ああ、だが血管や神経の走り方は全く違う。何せ指は手足共に六本あるし。」

驚くウインメタルに田中はそう返した。しかし、ここで一つ疑問が浮かぶ。

「でも、共通点があるものの人間とは全く違う生物。よく人の胎内で育ちましたね。それに、エイリアンの目的もまだはっきりしませんし。」

そう言ったのは寺澤だった。エイリアンが人間の女性を使って代理母出産させる理由もキャトルミューティレーションで女性から子宮を抜き取って殺害する理由も今一つ分からない。

「確かに女性を殺害する理由も子供を産ませようとする理由は分かりません。しかし、人間の女性をターゲットにした理由は分かりました。」

「そうなの?どうして?」

ウインメタルが真剣な表情で聞いた。

「これは本当に偶然なのですが、生殖細胞の相性が良かったのです。何らかの理由で代理母出産をせざるを得なかった彼らは人間の卵細胞で代用可能なことを突き止めて、今回の騒ぎを起こしたのかもしれませんね。」

エリカの分析結果にウインメタル達は唖然としていた。しかし、これ以上エイリアンの悪行を許すわけにはいかなかった。

「色々謎は多いが、そこまで分かれば十分だ。今度奴らが地球に降りてきたら迎え撃つ、それでいいか?ウインメタル。」

田中はそうウインメタルに聞いた。ウインメタルは頷きながら答える。

「勿論だよ。発信機奴らが今どこにいるか分かるし、初めてキャトルミューティレーションを阻止した僕を奴らが放っておく訳がないからね。いつでもかかって来いって気持ちで僕は迎え撃つつもりだよ。」

強気なウインメタルに続いて寺澤もやる気満々だった。

「フフフ、今度こそ宇宙人にお目が描かれるかもしれませんね。私ももちろん協力いたしますぞ!」

こうして騒動を何とか最小限で食い止めたウインメタル一同。驚かされてばかりだったが今回の結果を受けてさらに結束が高まったのだった。


3日後。

「ふああ、眠い。でも学校行かなきゃ。」

朝、自室で目を覚ました隼人は着替えを済ませて学校に行く準備をしていた。円盤はあれから全く現れていない。発信機があるので位置は特定出来るが、相変わらず大気圏外に留まっており、地上に降りてくる気配がない。早く来ないかと少しそわそわした気持ちを抱えながら隼人は家を出る。

「早く奴らを片付けないと、この前の根本さんや殺された人たちの遺族が報われない。」

そう呟いた隼人。エイリアンベビー摘出後、根本香織はしばらく眠っていたが意識が回復したタイミングでウインメタル達はすべて説明した。根本は初めはかなり驚いていたが、自分を不安に陥れていたエイリアンベビーが取り除かれたことに安堵の表情を浮かべていた。トラウマにならなくてよかったと思いながら通学路を歩く隼人。その後、今回の事件は世間に大々的に公表されて大騒ぎになった。政府は円盤を見つけたらすぐに逃げる事、また宇宙人らしき物と物理的に接触した場合は直ちに病院へ行くように呼びかけている。そんな時、目の前で予期せぬ事態が起こった。

「ん?何だ?こんな朝に流れ星か…?」

「ホントだ?何だろう?」

前を歩いていた二人組の言葉に隼人も反応した。空を見ると、朝の快晴の空に違和感丸出しの白い光のようなものが飛んでいるのが見える。しかし、それがまずいことに隼人はすぐに気付いた。

「ん?こっちに来るぞ!」

その白い光はどんどん隼人の方へ近づいている。すると田中から隼人に連絡が来た。

「大変だ隼人!円盤が急に動き出してまっすぐ日本に向かっているぞ!」

「知ってる!だって今僕も目の前にいるからね!」

「何だと?分かった!すぐにエリカを向かわせる!それまでむやみに攻撃せずに様子を伺いながら逃げてくれ!」

「了解!」

そう言って隼人は一度連絡を終わらせる。円盤はどんどん近付いて来てついに隼人の上空10m位の所で一度静止する。

(周りには若い女性なんていないのに、何故だ?)

隼人はまずそこに疑問を抱いた。周囲に人はいるが隼人と同じように大学に通う数人の男子学生と、散歩をしていた近所の老人がいるだけだった。隼人はとっさに近くの茂みに身を潜めたのだが、他の人達は逃げるどころか物珍しそうに円盤を見上げてざわついている。そして事件は起こる。

「!!!何い?!」

円盤はいきなり高速で回転し始めたかと思ったら周囲にビーム攻撃を仕掛け始めたのだった。あちこちに打たれたビームの影響で街路樹や家屋が黒こげにされていく。

「一体何が起こっているんだ?」

隼人も思考が追い付いていなかった。そしてその光景を見た男子学生や老人は雲の子を散らすように逃げていく。そして、ビーム攻撃が止まない中、円盤がさらなる動きを見せた。

『名前は知らぬがこの間我々の計画を邪魔してくれた輩、おそらくこの辺りにいるのであろう。ならば今すぐ出てきて我々に投降せよ。そうすれば今ここで他の者の命は奪わん。だが、もし応じぬのならば無差別に光線を打ち込む!』

円盤から声がしたのだった。しかも、その内容がウインメタルを引っ張りだすような物だったのだ。

「やはり僕狙いか。まさかこのタイミングで来るとはね。」

隼人は物陰で動揺しながら、静かにエリカが到着するのを待ったのだった。

こんばんわ!

ついに隼人と円盤が胎児ということで物語も盛り上がってきました!

果たして隼人はどう出るか?

次回もお楽しみに。

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