第八十二話 強者の闇
こんばんわ!
疲れてますけど、何とか年内にこの章を終わらせたいです!
「そ、そんな!武史が、ダークメタルが負けるなんて!」
アジトのモニターでダークメタルの敗北を目の当たりにしていた山崎は、自分の想定外の結末に唖然としていた。全ては田中、そしてウインメタルを潰す為だけにこの計画に賭けていた山崎のプライドはすでにズタズタである。
「仕方ない。もう外国に逃げよう!」
最後の切り札を失った山崎にできる悪あがきはもうそれしかなかった。だが、それを許さない者もいた。山崎が荷物をまとめてアジトから去ろうとした正にその時…。
「ここにいたのか、山崎!」
「田中…。」
アジトの場所を突き止めていた田中が外で待ち構えていた。田中は厳しい表情で部屋の中に入ってくる。
「随分と苦しめてくれたな。だが、もう許さんぞ。お前の悪行は既にマスコミや警察の間でも話題になっている。終わりだ、山崎!」
「ふん、ほざけ!たとえ捕まっても俺には莫大な財産がある!それを保釈金に充てればいつだってやりなおせるんだよ!貧乏人のお前と違ってな!」
追い詰められてはいるが、山崎はそれでも虚勢を張っていた。そしてポケットに隠し持っていた拳銃を取り出して、銃口を田中に向ける。
「俺みたいに頭脳と財力の両方に恵まれた人間は、ここでお前みたいに金も学歴も無い人間を殺した所でいくらでも揉み消せるんだよ!」
そう言われた田中だが、一切動じる様子はない。その反面拳銃を持っている山崎の手は震えている。
「山崎、無駄だ。大人しく自首しろ!」
「うるさい!殺してやる…ぐあっ!」
突如、山崎は謎の衝撃に襲われて拳銃を離して倒れこんだ。なぜならそこには…。
「お待たせ、田中さん!」
「山崎、もう逃げられません!」
隼人とエリカがいた。先ほど山崎が受けた衝撃とは、エリカが手を伸ばすと同時に電撃を食らわせたものだった。同時にエリカは山崎の手からも拳銃を奪い取っている。
「貴様ら、よくも俺のダークメタルを破壊してくれたな!絶対に許さないぞ!」
「そのセリフ、そっくりそのまま返させてもらうよ!こんな物まで作っておいて、まだ自分は悪くないっているの?」
隼人はそういいながら鞄の中から回収したゲノムドライブを取り出した。先ほどの戦闘で壊れており、既に機能は停止している。
「そのゲノムドライブも、ラドミウム合金も全部世間のためを思って開発に力を入れていたのに、田中は…田中の野郎は危険だとか言って白紙に戻しやがった…。科学の発展をこいつは開発者でありながら阻害しているんだぞ!」
「山崎!発展すればいいってもんじゃない!ラドミウム合金は強力な武器になって多くの命を奪う危険があるし、ゲノムドライブは死体を蘇らせる、あるいは肉体を持たないクローンを作ることと同じだ!開発とは平和のためであって、誰かの私利私欲のため何かじゃない!」
「うるせぇ!お前もお前の奥さんと娘と同じ所に連れて行ってやる!死ねぇぇ!」
逆上した山崎は近くに落ちていた鉄パイプを持って三人に殴りかかろうとした。しかし、それは悪あがきにもならなかった。
「ショックモード!」
隼人はすかさず右手の装甲とメタリックガンを展開し、ショック光線を浴びせて山崎の動きを封じる。
「ぎゃぁぁぁ!」
山崎は断末魔の叫びをあげてその場に倒れこんでしまった。そして、隼人はゆっくりと田中とエリカの方を向き直って言った。
「勝ったね。」
「ええ。」
「うん、よくやった二人とも。」
三人はホッとした表情でそう言い、警察へ連絡したのだった。
こんばんわ!
見事に山崎を成敗した隼人達。
そしていよいよこの章も終わりです!
次回もお楽しみに!




