第八十話 誕生、ハイパーウインメタル
こんにちわ!
前回語られた真実。
そして、ウインメタル達の秘策とは一体?
ここは、山崎が隠しアジトとして使っているとある郊外の廃屋。ここに当事者である山崎とダークメタルが次の作戦に関して調整作業を行っていた。
「ダークメタル、次は品川駅を焼きつくして人々を皆殺しにしろ!」
「かしこまりました!ウインメタルも葬りましたし、邪魔は入りません!」
「そうだな。そして、徹底的に破壊し尽くして強者だけが生きる世界を作るのだ。」
「勿論です。ウインメタルみたいな孤児や、田中みたいに貧乏なくせにエリートに逆らう奴は消してしまいましょう。」
「頼んだぞ、行け!ダークメタル!思う存分暴れるがいい!」
ダークメタルは黒い翼を羽ばたかせて、飛び去って行った。
「フフフ、田中め。全てを失ったお前にはもう手出しできないだろう。」
山崎は不敵な笑みを浮かべて田中を罵ると、椅子に座ってモニターで動向を見届けることにした。
「フフフ、いるねいるね。ごみみたいな人間がウジャウジャと…。」
品川駅近くのビルの屋上から、ダークメタルは行き交う人々を見下ろしていた。
「大半は生き残る価値のないダメな人間たちだ。世の中には僕や山崎博士のような選ばれし天才エリートだけなんだよ!」
ダークメタルはそう言うと、メタリックガンそっくりの武器であるダークメタリックガンを取り出し、高出力のビームを発射。
「きゃぁぁぁ!」
ラドミウム合金で強化されているビームによって駅周辺はあっという間に瓦礫の山となり、巻き込まれた人たちも大勢倒れている。そして、生き残った人たちの悲鳴が響き渡る中、ダークメタルはそこに降り立ち、尚も攻撃を続ける。
「ハハハ、死ね!みんな死んでしまえ!」
無気味に高笑いしながらダークメタルは残った建物や逃げ惑う人々を攻撃し続けた。その様子を山崎はアジトのモニターで鑑賞していた。
「いいぞ、ダークメタル!その調子だ!」
「ええ、邪魔者がいないので前よりも順調にいきそうです。」
「そうか。よし、そのまま作戦を続けろ!」
「了解です!」
やりたい放題破壊活動を続けるダークメタル。だが、そこに予想外の刺客が現れた。
「待て、偽物野郎!」
ダークメタルが声の方向を振り向くと、そこには自分が葬ったと思っていた人…白金隼人と相棒のエリカ(人間体)の二人が立っていたからだ。
「馬鹿な!貴様は俺が葬ったはず!何で生きているんだ?!」
「神は常に善人の味方だ。だから、正義の心を持つ僕達を見放さなかったんだ!」
「もうあなたの好き勝手にはさせません!」
隼人とエリカは力強くそう言った。そして、これを見ていた山崎にも焦りの色が見えた。
「クソ、生きていたのか!まあいい、ダークメタル!もう一度葬ってやれ!」
「お安いご用です!」
山崎にそう言われたダークメタルはマキシムダガーそっくりの、ダークマキシムダガーを構える。
「装甲起動!」
「フォームシフト!」
隼人はウインメタルに、エリカも人間体からアンドロイドモードへとフォームシフトした。ウインメタルはすかさずマキシムダガーを展開し、突っ込んできたダークメタルとつばぜり合いをする。お互い剣を交えた後、一旦引いた所で背後に回り込んでいたエリカが反撃する。
「私を忘れては困ります!」
エリカはそう言うと、両手の指から電撃を放ちダークメタルに浴びせる。
「くっ、邪魔するな木偶人形!」
ダークメタルはエリカを払いのけたがエリカもすぐに体制を立て直した。
「なるほど、以前よりも連携が取れているみたいだな。だが、俺には勝てないよ!」
ダークメタルは上空へ飛びあがり、ダークメタリックガンを実弾モードにして弾を雨のように浴びせる。これもラドミウム合金によって強化されているのでウインメタル達も何とか耐えてはいるが、いつまでもつか分からない。
「ハハハ、どうだ?お前達はそこで敗北するしか道はないんだよ!」
空中でダークメタルは勝ち誇ったように笑いながらそう言った。その時、田中からウインメタルとエリカに連絡が入る。
「ウインメタル、エリカ!今こそあれを使うぞ!」
「待ってました!」
「了解です!」
そして、二人は並んで作戦の合い言葉を叫ぶ。
「「コンバイン、ハイパーウインメタル!」」
二人がユニゾンでそう叫んだ直後、まずエリカの手足、頭部、胴体が分離する。そして、空中へ飛び上がったウインメタルの手足にそれぞれの分離したパーツが追加装甲へと変化するように装着された。そして胴体にも金色のプロテクターのように変化したエリカの胸部装甲がウインメタルの胸を覆い、更に頭部装甲もヘルメットのように変化してウインメタルの銀色の頭部の覆い尽くした。一つになったウインメタルとエリカは金と銀の光を輝かせながら独特の威圧感を漂わせた。
「「連結合体戦士、ハイパーウインメタル!」」
合体完了した二人=ハイパーウインメタルは、上昇してダークメタルと対峙すると力強く言い放った。
「覚悟しろ偽物!僕達は二度もやられるほど弱くないから!」
ハイパーウインメタルはダークメタルに対し強気でそう言い放ったのだった。
こんにちわ!
ハイパーウインメタル誕生です!
果たして、その強さは如何に…?
次回もお楽しみに!




