表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第六章 二人の過去編
76/136

第七十四話 失う辛さ

こんにちわ。

天気も悪くて眠いですが、頑張って書きます。

隼人の大学が謎の襲撃者に襲われ、多数の死者、負傷者が出てから三日後、今まで事態が落ち着くまで休校になっていた大学はようやく授業を再開した。隼人も複雑な気分になりつつもいつもと同じように家を出て大学に登校してきた。しかし、教室に入った彼を待ち受けていたのは悲しい現実だった。

「おい、白金!お前、ウインメタルなんだろ?何で助けられねぇんだよ!」

「茜が死んじゃったのよ!どうしてくれるのよ?!」

「所詮お前は俺達の事なんてどーでもいいんだもんな。ヒーローやってるのだって、ただ単に暇つぶし程度なんだろ。いいよな、ぼっちは人の事考える必要がなくって!」

「救世主とか言われて持て囃されて調子乗ってんじゃないわよ!」

「こういうときにはウインメタルしかいないのに、見損なったわ!」

隼人が教室のドアを開けた瞬間、クラスメートから非難の嵐が彼を襲った。今回の死者の中には隼人のクラスメートもおり、皆悲しみの余り心の落着きを失ってしまった。今回、隼人=ウインメタルはダメージこそ受けたものの、襲撃者にもダメージを与えており、一方的にやられたわけではない。それに、彼が駆け付けた時にはすでに建物が破壊されており、被害を防ぐことこそできなかったものの、被害拡大を防ぐために戦っている。しかし、ヒーローに絶対はない。隼人が人間である以上助けられない物もあるので、彼ばかり責めるのは間違っている。それに、襲撃者によって学生たちの命が奪われたのであって決してウインメタルの過失による物ではない。しかし、今のクラスメートにはそう考える余裕もなくなっていた。隼人はそのまま黙って何も言わずに座って心の中で呟いた。

(悪いのはあの偽物野郎なのに、どうして僕ばっかり…。僕だって同じ大学の人が死んだのは辛いし、これ以上犠牲者を出さないために戦ったのに、何で僕が悪者になるんだ?)

それは彼の悲痛な心の叫びだった。今までウインメタルとして数多くの事件を解決し、世間では期待が上がっていたのは彼も理解していた。確かにウインメタルは世間一般の常識を凌駕したヒーローだ。だからこそ、ウインメタルなら何とかしてくれる、彼に不可能はないとイメージが美化、肥大化してしまった節はあった。そして一度失敗すれば徹底的に叩かれる。世間は時には残酷なのだ。

(元々ここに僕の居場所はないも同然だったけど、この状況を打破するにはあいつを倒すしかない。もうこれ以上、僕は失うわけにはいかない。)

隼人は今までの辛い過去を胸に秘めつつ、平和を取り戻そうと強く思った。彼が平和にこだわるのは、すべて過去に経験した辛い思い出からである。彼は以前、広人に対し両親の事は知らないと言っていた。彼の両親はごく普通の夫婦で平和に過ごしていた。しかし、父親は母親が隼人を妊娠中に事故死、元々病弱だった彼の母親も彼を産んだ直後に容体が急変しその次の日に死亡。彼は生まれながらにして親の顔も知らない孤児になってしまった。その後、息子を事故で失ったという中国人夫婦に引き取られ、特に不自由することもなく育ったが、5歳の頃に家が放火され、養父母は彼を残して帰らぬ人に。その後、児童保護施設に入れられたものの、隼人が8歳の時にそこが無差別テロに遭い、隼人以外の児童、教職員が全員死亡するほどの大惨事になってしまった。事件の後、隼人は渡米し子供がいない米国人夫婦の養子になれたものの、そこでも大規模なハリケーンによりまたも養父母を失ってしまった。当時12歳だった隼人は、失意に耐えながら帰国。運よく別の児童保護施設に引き取られたものの、多くの物を失い続けた心の傷は癒えず、大学入学をきっかけに、ようやく自立できた時は平和を強く願うようになった。

(見てろ偽物野郎。絶対勝つ!覚悟しておけ!)

そう強い思いを心に誓った隼人は、クラスメートたちの非難に耐えながら静かに闘志を燃やしていたのであった。

こんにちわ。

今回は隼人の過去に触れてみました。

さあ、ウインメタルは名誉を挽回することが出来るのか?

次回以降、お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ