第六十九話 イポーから去る日
こんにちわ。
有牙人編最後です!
「色々とお世話になったね。」
「これからも研究頑張ってください。」
イポー科学大学の研究室内でウインメタルとエリカはタン教授やリン警部達に別れの挨拶をしていた。
「ああ。我々も有牙人達と共存する形で町の治安を守れるように頑張るよ。」
と言ったのはリン警部。
「君たちのお陰で本当に貴重なデータが取れた。心から感謝するよ。」
と言ったのはタン教授だった。因みに、昨日の騒ぎはニュースで大々的に報道され、有牙人を撲滅しようとしたグループは愛護団体から猛烈な批判を受けた。そして、有牙人達は人類に最も近い仲間として町の人達にも叙に受け入れられ、町の行政も彼らを保護していこうと動き始めていた。
「とりあえず、こんなに批判を受けたのは久しぶりかな?」
「でもよかったじゃないですか。みんなを説得できて。」
「そこはエリカに感謝するよ。」
「私はあなたのサポート用アンドロイドですから。」
二人はお互いにたたえ合いながら皆に別れを告げる。
「じゃあ、僕達は帰るね。」
「本当にありがとうございました。」
「ああ、気を付けてな!」
「またイポーに遊びにおいで!」
リン警部とタン教授も優しく見送る中、ウインメタルはエリカを乗せてクアラルンプールへと飛び去って行った。
「ふう、もうじきマレーシアともお別れか。」
ここはクアラルンプール国際空港。隼人は出発ゲートで帰りの飛行機をじっくりと待っていた。ちなみにエリカは行きと同様に等身大マネキンとして預けられている。そして、隼人は田中に連絡を入れた。
「もしもし、田中さん?」
「おう、隼人か。」
「今空港で、これから日本に帰る所。」
「そうか。いやぁ、本当にご苦労だった。」
「大変だったけど今回も上手く行って良かった。」
「うん。気を付けて帰って来い!」
「わかった。じゃあ。」
そういって通話を切った隼人。そして、空港内にアナウンスが流れる。
「羽田空港行き、間もなく搭乗を開始致します。ご搭乗の際には搭乗券とパスポートを拝見いたしますのでお手元にご用意ください。」
「よし、行くか。」
隼人は立ち上がり、搭乗ゲートに並んで搭乗券とパスポートの確認をもらい、飛行機に乗り込む。そして席に着き、しばらくすると飛行機が動き出した。
「間もなく離陸します。シートベルトをお締めになり、席を立たないでください。」
アナウンスが流れ、飛行機は滑走路を猛スピードで走りだし、離陸した。
「ふう、これで終わりか。とりあえず疲れたし、お休み。」
飛行機が大空へ飛び去ると同時に、隼人は今までの疲れからか、羽田に到着するまで眠りに就いたのだった。
こんにちわ!
突然の二話連続投稿でごめんなさい。
さあ、有牙人編が終わり、次回からまた新章です!
お楽しみに!




