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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第五章 有牙人編
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第六十七話 共存すること

おはようございます。

調査二日目、ウインメタル達は無事に終えることが出来るのだろうか?

ウインメタル達が有牙人達の調査を初めた次の日、二人は何事もなく朝を迎えた。現在現地時間で午前8時10分。

「よし、いい朝だ。絶好の調査日和だね。」

「全システム正常。調査に支障はございません。」

「よし、研究室のコールしよう。」

ウインメタルは研究室にいるタン教授達に連絡を取った。

「もしもし、こちらウインメタル。タン教授、起きてる?」

「こちら研究室。ウインメタル、昨日はありがとう、おかげでいいデータが取れた。」

「今日もしっかり調査するから楽しみにしていて。」

「わかった、引き続き頼む。」

そう言って通信を切ったウインメタルとエリカは、ステルスモードを展開して集落の方へと向かって行った。


時刻は現在8時45分。有牙人達は起床し、それぞれ狩猟、採集に向かう者や残って子育てや集落の見張りをする者に分かれる。今日の調査対象は集落に残っている者たちだ。

「外に出ている間、残っている者たちが何をしているか徹底的に調べよう。」

「了解です。それにしても、子育てする女性や子供達をしっかりと見張るあたりは徹底してますね。」

「そりゃそうでしょ。知能だけなら僕らと大差ないんだから。」

若い男女が狩猟、採集に出ている間は身重な女性や子供、老人が取り残される。その間外敵からの襲撃を受けないように、見張り番の男性が常に3,4人ほど集落の周りを警戒していた。そして集落内では子供の世話をする女性、はしゃぎ回る子供、そしてその様子を見守っている老人という構図になっていた。

「エリカ、集落内の最高齢と最年少は分かる?」

「少々お待ち下さい…。出ました。」

「どう?」

「現段階で、集落内最高齢は76歳。最年少は生後2カ月ですね。」

「76歳か。寿命はどのくらいだろう?」

「個人差はありますが、推定80歳前後だと思われます。」

「これも人間と大差無しか。本当に近いんだな。」

エリカの分析結果に感心していたウインメタルだったが、その時異変が起きる。

「ウインメタル、大変です!」

「どうしたの?」

「あそこにいる女性を見て下さい。」

エリカが言う方向を見ると、一人のお腹が大きくなっている有牙人女性が地面に横たわっている。

「もうすぐ生まれます。」

「うそでしょ?!」

冷静に言うエリカに対し、ウインメタルは珍しく動揺した声を出した。そして、研究室にいるタンにも伝える。

「タン教授!有牙人女性が一人出産を迎えようとしています!」

「ほ、ほんとか?」

「はい、今から、その…立ち会って記録します!」

「わ、わかった!宜しく頼む!」

タン教授もウインメタルの知らせを聞いて思わず声が裏返るほど動揺していた。エリカとウインメタルはステルスモードを展開しているので姿は見えていないが音で驚かせないようにそっと近づいた。出産間近の女性の周りには他の女性や老人達も集まってきて彼女の事を見守っていた。既に破水していたため、あとは無事に子供が出てくるのを待つだけだったが…。

「あ、頭が出てきましたよ!」

「ホントだ。後もうひと踏ん張りだね。」

ウインメタル達も見守る中、頭、腕、胴体も無事に出てきた。そして…。

「ガハァァァァ!」

「…。オギャァ、オギャァ!」

女性の出産は無事成功。生まれてきた子は元気に産声をあげている。女性は子供に着いている長い臍の緒を噛み切り、優しく抱き寄せた。

「元気な男の子です。」

「そうか。とりあえず有牙人誕生の瞬間が見れて良かった。」

ウインメタルはほっとした気持ちでいた。それと同時に、この命を守るためにも、絶対に共存は必要不可欠であると改めて強く思ったのだった。


その頃。集落から2キロほど離れた森の中。

「本当にこの近くなんだろうな?」

「間違いない!このあたりにはしょっちゅう出るからな!」

ヘルメットに作業着姿の中年男性が、ブルドーザーに乗った男性にそう話しかけた。ブルドーザーに乗った男性は続ける。

「とりあえず、これを機に邪魔な有牙人を全部やっちまおう。」

そして、ブルドーザーを降りて、後ろにいる人達に大声で言った。

「みんな、準備はいいか?これで今度こそ俺達人間が平和に過ごせる日が来るぞ!」

「「おおおおお!」」

その言葉に歓声を上げたのは30人近く入るであろう、飛び道具を持った大勢の人達。男はその人たちを引き連れて、ブルドーザーを発進させた。

おはようございます。

最後不安な雰囲気でしたが、果たして…?

有牙人編ももうすぐ佳境です!

次回もお楽しみに!

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