第六十五話 前進の裏で…
こんばんわ!
今日も暑いです!
でも、有牙人編も佳境が近いので頑張って書きます。
有牙人達が町で暴れ、それを何とか収拾したウインメタル達。幸い死者は出なかったものの街の至る所が破壊され、怪我人も出ている。当然これだけで丸く収まるはずがなかった。
「昨日、イポー市内の繁華街で十数人の有牙人が暴れ、15人が軽傷、7件の建物が破壊されました。有牙人は先日イポー科学大学によってその存在が正式に認知され、人類に対する直接的な被害はないと発表されたばかりでしたが、国内ではその存在に対して否定的に捉える声も上がってきています。」
「あんなバケモノ、さっさと駆除してほしいね!」
「人間に被害がないって聞いたばかりなのにあんまりだわ!」
「イポー科学大学には責任を取ってほしい!」
「あんなの人類の仲間でも何でもない!牙が生えた人にそっくりな猛獣だ!」
「また、今回の暴動が有牙人の女性をウインメタルが研究目的で連れて行ったことが原因と言うことから、彼に対する批判の意見も出ています。」
「ちぇっ、言いたいことばかり言って!こっちだって必死でやってるのに!」
騒動の翌日、隼人はこのイポー科学大学の構内にあるテレビでそのニュースを見た後、不満げにそう言い捨てた。隼人とエリカはフィールドワークを除けば大半をこの大学内か警察署で過ごしており、丁度大学の学食で朝食を済ませて研究室に移動している所だった。その時、連絡用端末が鳴る。
「もしもし?」
「おう、隼人。そっちの具合はどうだ?」
「色々あったよ。」
「何だ?機嫌が悪いぞ?」
「テレビ見なかったの?」
「ああ~なんかすごい騒ぎだったらしいな。街中でやつらが暴れるなんて私も思わなかったよ。」
「早く騒ぎを鎮めないと大変なことになる。」
「そうか。それと、データありがとう!研究者として新しい情報が入るのは嬉しい!」
「これからもっといいデータを取るつもりだから楽しみにしてて!」
「分かった、期待している!じゃあ、頑張れよ!」
そう言って連絡を終えた二人。隼人の方もタン教授の研究室に到着した。
「どうも。」
「あ、おはようございます!隼人!」
先に研究室に着いていたエリカが出迎える。そして、それに続いてリン警部が入ってきた所でタン教授が話し始めた。
「皆おはよう!昨日は色々あって大変だったかもしれないが、研究も一歩進めた!めげずに頑張って行こう!」
「昨日の騒動で警察には苦情や問い合わせ、それと奴らが暴れた後の始末やらで大変ですよ。」
リン警部は少し疲れたような感じでそう言った。眼の下には薄いが隈が浮かんでいる。
「で、イブはあれから変化あるの?」
「いえ、特に異常もないですし場所もほとんど移動しておりません。」
隼人の質問にエリカがそう答える。イブとは昨日の騒ぎの後、保護していた有牙人女性を群れに返した際に呼びやすいからとタン教授がつけたコードネームだった。因みに名前の由来はアダムとイブから来ている。
「よし。じゃあ始めよう!二人とも、準備はいいか?」
「勿論!」
「私も大丈夫です!」
隼人とエリカは自信満々にタン教授に言った。
「装甲起動!」
「フォームシフト!」
隼人はウインメタルに変身し、エリカも人間体からアンドロイドモードに姿を変えるとそのまま外に出て行った。
「タン教授!装置は全部正常に作動してる?」
「大丈夫だ!問題ない!」
「エリカ、システムに異常は?」
「ありません!感度良好です!」
「僕も生体機能及びメタリックアーマーの全システム正常!じゃあ、いくよ!」
「了解です!」
ウインメタルはメタルウイングを展開し、エリカを乗せるとそのまま飛び去って行った。彼らの研究のもう一歩目が今始まろうとしていたのだった。
こんばんわ!
夜になってもまだ暑いです!
皆さんも寝るときには熱中症に気を付けて下さい!
それではまた次回!




