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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第五章 有牙人編
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第六十三話 彼女の気持ち

こんばんわ!

暑くて死にそうですが書きます!

隼人、リン警部、タン教授は無事に記者会見を終えて研究室に戻ろうとしていたが、その間も様々な質問を受けた。

「彼らに言葉は通じるのですか?」

「未知の言語を使っているので今解析を急いでいる所です。」

「そもそも本当に共存なんて出来ると思うのですか?」

「彼らは現段階で最も人類に近い存在です。なので共存しなければなりません。」

「もし有牙人が人を襲った場合、あなたはウインメタルとして戦ってくれるのですか?」

「災害レベルの被害が出るなら僕も戦いますけど、今は見守ってて下さいよ。」

質問攻めに遭いながらも何とか研究室に辿り着いた3人は、部屋に入り一息つく。

「緊張した。」

「あれでみんな彼らを受け入れてくれるのだろうか?」

「まぁ、やるしかないでしょ。あと、やっぱり僕いらなかったんじゃない?」

リン、タン、隼人の3人はそれぞれの気持ちを口にした。すると、研究室で有牙人の観察を行っていたエリカとタン教授の助手たちが迎えてくれた。

「皆さまお疲れ様です。」

「ただいまエリカ。ふぅ、めんどくさい会見だったよ。」

隼人はため息をつきながらエリカにぼやく。そして、タン教授は助手たちに聞いた。

「有牙人の言語の解析はどうだ?」

「ダメです。今使用されているどの言語とも違いすぎて、翻訳しようがありません。」

「すみません。私の言語ベースを駆使しても分析不能でした。」

がっくりと項垂れる助手とエリカ。本当なら有牙人が使っている言語に一番近い言語を参考に翻訳しようとしたのだが、人類の言語とは完全に異なる系統のようであり、エリカでも翻訳できなかった。

「しかし、言葉はおろか何を考えているかもわからないしなぁ…。」

リンがそう呟きながらガラス張りの部屋の中にいる有牙人を見る。彼女は暴れたり騒いだりするわけでもなく、用意された果物を食べたり部屋の中をうろうろするだけだった。しかし、その表情からは彼女の思惑を読み取れない。ふと、隼人はあることをひらめいた。

「考えていること…そうだ、それだ!」

「どうしたんですか、隼人?」

エリカが尋ねると隼人は珍しく笑顔を見せながら言った。

「どうして今まで気づかなかったんだろう?装甲起動(アクトメタル)!」

隼人はそのままウインメタルに変身した。

「ウインメタル、何かいい案でもあるのですか?」

「スピリットセンサーを使う!言葉は直接分かるわけじゃないけど何を考えているか分かれば翻訳の参考になるでしょ?」

「なるほど、さすがウインメタル!早速始めてくれ。」

タン教授がそう言うとウインメタルは部屋の中に入り、有牙人に近づいた。有牙人は一瞬驚いたかのように振り向き、声を出した。

「ガハ、ガァガァガァ!」

「スピリットセンサー起動!」

ウインメタルは有牙人の思考を読み取る。脳の仕組みは人間に近いので解析はあっさりと出来た。

「どうだ、何を考えているんだ?」

リン警部が聞くとウインメタルが答える。

「どうやら捕獲した時の僕を覚えているみたいで少し警戒されているかも。ちょっと安心させてみなきゃ。」

ウインメタルはそれだけ言うと、パパイヤを差し出す。

「あの時は悪かったね。でも僕は君たちを殺すつもりはないから安心して。」

有牙人は恐る恐るウインメタルに近づき、パパイヤを受け取る。彼女はウインメタルが敵じゃないとわかって安心したのか、モグモグと食べ始めた。

「良かった。受け入れてくれたみたいだね。」

「ガア、ガハァガァ!」

ホッとしたウインメタルに対し、有牙人はまた何か言った。

「感謝してくれたんだ。こちらこそわかってくれてありがとう。」

「そう言ったのか?」

「うん。敵対するつもりはないみたいだよ。」

タン教授にそう答えたウインメタル。有牙人はさらに何か声を出した。

「ガアガア、ガハァガハァ。」

「自分がどうなるのか不安…か。そうだよね。でももうすぐ森に返してあげるから。約束する!」

「ウインメタル、ありがとうございます!流石ですね!私はサポートロボットなのに、情けない。」

エリカはがっくりと肩を落とした。しかし、有牙人の彼女の気持ちが分かり安心した一同。あとは森に返す準備を進め、有牙人の暮らしぶりを調べる段階に移ろうとしていた。


その頃。イポー郊外、大学付近のとある農園。ここで二人の作業員が油ヤシの収穫を行っていたのだが…。

「おい、見ろよ。」

「何だ?」

二人の男性作業員の目線の先には例の有牙人が二人立っていた。

「逃げた方がいいんじゃないか?」

「ほっとけ。テレビでも言ってたけど、害はないんだろ?」

そう言って二人は収穫作業を続けた。しかし、有牙人達はいきなり大声を上げた。

「ガァガァ!」

「ガァァァァ!」

二人は方向を上げるといきなり石や太い木の枝を作業員たちに投げつけた。

「わっ、何しやがる!」

「に、逃げるぞ!」

作業員の男性達は一目散に逃げだした。そして、先ほどの二人の有牙人に続き茂みからぞろぞろと十数人ほどの有牙人が出てきたのだった。

こんばんわ!

最後はちょっと怖いオチでした。

次回、有牙人達の運命は?

お楽しみに!

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