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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第五章 有牙人編
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第五十九話 有牙人

こんにちわ!

天気悪くてテンション低めですが書きます!

ウインメタルとエリカがイポーに到着し、現地の警察の捜査チームと合流した次の日。彼らは車を飛ばして町から少し離れた郊外へとやってきた。

「まずはここから調査します。くれぐれも気をつけてください!」

全員が車から降りた後、リンが捜査チームの全員にそう告げた。現在時刻は現地時間で午前10時。空には太陽が眩しく輝き、非常に強い日差しだ。

「ねえ、タン教授。」

「ん?どうしたウインメタル?」

ウインメタルは何か気になったのか、横にいたタン教授に尋ねた。

「いくら毎日目撃されているからって、こんな真昼間に出てくるの?」

「目撃証言によると、奴らは昼間から夕方にかけて目撃されていて、夜になってからの目撃情報は今のところ報告されていない。だから、間違いなく昼行性だろう。今の時間がベストだと思う。」

昨日の会議でも取り上げられたのだが、牙人間が目撃された時間は午前10時から夕方4時前後に集中しており、夜間での目撃はない。よって、今回の捜査もその時間帯で行うことになった。そして、リンも言う。

「まあ、毎日のように目撃されているからこの辺探せば一人は見かけると思うよ。それに君がいるから有牙人も捕獲出来て謎に一歩近づけるような気がするよ。」

「有牙人…一体何者なんだろう?」

ウインメタルはふとそう呟く。因みに有人牙と言うのは牙人間につけられたコードネームで、その方が響がいいからとウインメタルが命名した。捜査班はいくつかの班に分かれ、それぞれ茂みの中に入って行き、調査をしていく。

「エリカ、僕らが来る前にここを有牙人が通ったか分かる?」

「今日はまだ通ってませんね。昨日午後1時にここで目撃されたのが最後です。しかし、ここが彼らの活動範囲内になっていることは間違いないと思われます。」

ウインメタルもハイパーサーチをかけながら必死に捜索する。すると…。

「ん、この足跡は?」

ウインメタルが人間の物によく似た足跡が茂みの奥に続いているのを見つけた。すかさずみんなを呼ぶ。

「ちょっと分析かけてみるよ。」

ウインメタルは足跡の解析を始める。足跡の大きさは約27cm。並び方も人間の物によく似ており、はだしの人間がそのまま歩いたようだった。ただ、地元住民がこんな森の中をはだしで歩くわけがないので、有牙人ではないかと踏んだウインメタルだった。

「どうだ?」

「何か分かったか?」

リン警部とタン教授がウインメタルに聞く。するとウインメタルはおもむろに話し始めた。

「足跡にわずかながら皮膚細胞と指紋が残ったから解析してみたけど、どうやらこれは地元住民のいたずらでも何でもない。人の物とは少し違うし、間違いなく有牙人だね。」

「ほ、本当か?」

「じゃあ、もしかしたら近くにいるのかも!」

リンとタンは少し期待を込めたように言った。そしてエリカが続ける。

「この足跡がついた時間は今からおよそ2時間ほど前。つまり、われわれとほぼ入れ違いにここから移動したのでしょう。近くにいる可能性は高いです。」

エリカがそう説明した直後だった。

「こちらC班!リン警部、応答願います!」

「どうした?!」

C班の班長から動揺するような声で無線連絡が入る。

「奴です、奴が出ました!至急応援を願います!」

「分かった、今から向かう!私とウインメタルが到着するまで絶対に発砲するなよ!」

リンはそう言って連絡を終え、全員と共にC班の援護に向かう。そしてC班の所に到着した時、駆け付けた全員が驚きを隠せなかった。

「ゆ…」

「有牙人だ…。」

リンとウインメタルは思わず声に出してそう言った。C班の前には黒くて異様に長い髪と髭、色白の肌、褐色の目、そして口から長くて鋭い牙を生やした紛れもない有牙人が立っていた。しかも3人もいる。全員葉っぱや木の皮などでつくったであろう服らしきものを腰に巻いている。3人は長い牙をむき出しながらゆっくりとC班に近づいてきた。

「僕が行く!皆さんは援護の準備を!」

ウインメタルはそう言うと急いでC班の所に駆け寄り、彼らを有牙人から守るように立ちふさがった。そして、3人の有牙人に話しかける。

「僕は君達の敵じゃない。だけどもし攻撃するならこっちも反撃させてもらうよ。とりあえず君達は誰なんだ?どうして今になって現れたんだ?」

そう質問したウインメタル。昨日の作戦会議でタン教授は人間に近い生物なら言語能力がある可能性が高いと話していたので、ウインメタルは言葉によるコミュニケーションを試みた。すると、3人のうち真ん中にいた一人が前に出てきて口を開いた。

「ガアガア!ガハァ、ガアガアガア!」

甲高い声だが、まるで獣が鳴くような声だった。ウインメタルはリン達の方を振り返って言う。

「リン警部、タン教授!何て言ってるの?」

「分かるか!」

「今まで聞いたことがない言語だ。」

マレーシアは多言語多民族国家だ。このイポーは中国系住民が多いのだが、公用語として英語、中国語、タミル語があり、多くの住民が複数の言語を扱うことが出来る。ただし、リンとタンは有牙人が言っていることが理解できなかった。

「エリカ、言語の解析は出来る?」

「ダメです!今の音声を様々な言語と照合しましたが、私の言語データベースにあるどの言語にも一致しておりません!」

「未知の言語か。弱ったな。」

ウインメタルは少し悩んだ。敵意はなさそうだが本当にないのかもわからない。ただ、彼らの事を知るためにこのチャンスを逃すわけにはいかなかった。

「リン警部。ショック光線で捕獲してもいいですか?」

「勿論だ!今すぐお願いしたい!」

「了解!」

ウインメタルはメタリックガンを取り出した。すると、後ろにいたもう2人の有牙人が突然大声で叫び始めた。

「グアハァ、ガアガハァ!」

「グアハァァァ!」

中央の有牙人と違って二人とも野太い猛獣のような声だった。そして二人はそれぞれ近くに落ちていた太い木の枝とこぶし大の石をウインメタルに投げつける。

「やめろ!クソ、攻撃してくるって考えはなかった。」

ウインメタルは唇をかみしめた。そして、これにはリンとタンも驚いている。

「そんなバカな、今まで危害を加えたことなんかないのに!」

「ウインメタルを、攻撃している。」

ウインメタルはメタリックガンをビームモードにして枝と岩を粉砕した。そして、再びメタリックガンを中央の有牙人に向けて構える。

「ごめん。少しだけ協力してもらうよ!」

ウインメタルはメタリックガンをショックモードに切り替えて中央の有牙人を撃った。光線を食らった有牙人はその場に倒れこんだまま動かなくなり、残りの二人は驚いて一目散に茂みの奥へと消えて行った。

「リン警部、タン教授!とりあえずこいつを所に連れて帰って調べましょう!」

「分かった!」

「よし、みんな撤収だ!」

ウインメタルは気絶した有牙人を抱え、リン警部らと共に森を後にした。

こんにちわ!

遂にウインメタルと有牙人が相まみえました!

次回は有牙人の謎に着いて迫ってみたいと思います!

それではまた次回!

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