第五十八話 念入りに...
こんにちわ。
久々に投稿します。
ウインメタルとエリカはイポー警察署のジョニー・リンと無事合流した。今回の牙人間出没に関する捜査担当でもある彼は、二人歩これから作戦会議を行う部屋へと案内した。
「お待たせしました。人が揃ったみたいなので始めたいと思います。」
リンはそう言って部屋の前の方に立ち、ウインメタルとエリカは後ろの開いている席に座った。部屋には捜査メンバーである数十人の警察官の他、地元の大学の研究グループらしき3人の男性がいた。そんな中でリンは説明を始める。
「まずは報告です。今週の牙人間の目撃件数ですが、全部で25件。先週よりも7件増加している上、街中付近での目撃が増えています。彼らがだんだん人里に近づいている証拠とみていいでしょう。」
リンは前面のスクリーンで写真を見せながらそう言った。スクリーンには住民が撮ったとみられる牙人間が映し出されており、何人かは息を飲んでいる。すると、研究グループらしき男性の一人が手を上げた。
「ひとつよろしいですか?」
「どうぞ、タン教授。」
タンと呼ばれた初老の男性が立ち上がって話し始めた。
「我々の見解では、彼らは未発見民族と言うよりも新種の生物と考えております。ですので正体を探るためにサンプルとして一人捕獲することを許可してほしいのですが。」
その言葉を聞いたリンは苦しい表情を浮かべた。
「捕獲ですか…。しかし、相手がどのような能力を持っているのか未知数です。警察が用意した装備で捕獲できる保証があるかどうか…。」
「だったら僕が捕まえてあげる!」
そう立ち上がって言ったのはウインメタルだ。そして、メタリックガンを取り出して言った。
「このメタリックガンをショックモードで使えばショック光線が出てしばらく気絶させられる。相手はサイボーグとか改造生物とかじゃなきゃ、15分は動けないから一体捕獲するにはこの一発で十分だよ。無傷での捕獲ならこれが一番賢明な処置だと思うけど。」
「本当か?それならぜひともお願いしたい。あ、申し遅れた。私はイポー科学大学で生物学を研究しているデニス・タン教授だ。」
ウインメタルの提案にタン教授は賛成だった。しかし、リンの表情はまだ暗い。
「しかし、もし相手が我々と同じホモサピエンスと同族だったら…そうじゃなくても発砲することによって相手を刺激して襲撃されない保証はないし…。」
現在の所、牙人間が人的被害を与えた記録はない。ましてや相手が人間と同族である可能性もある。罪もない人に発砲することになるかもしれないということに抵抗があるリンだったが、ウインメタルは考えを曲げない。
「それは分かりますけど、今はそんなことは言っていられない状況です。まずは正体を突き止めて、それからどうするか考えても遅くはありません。」
「私も同意見です。捕獲して調査が終了後に安全と分かれば元の住処に返せばいいだけの話です。このまま正体不明のままでは住民の方々の精神衛生上よろしくないと思います。」
エリカもそう述べた。頭を抱えて悩んだリンだったが、最後に顔を上げて言った。
「分かりました。捕獲を許可しましょう。ただし、被害が出ていないうちの射殺は許可できませんのでそこはご了承を。」
「勿論です。」
「ありがとうございます。」
リンは考えた末にショックモードでの捕獲を許可し、ウインメタルとエリカは礼を言った。かくして、ウインメタルの牙人間を巡る任務は始まったのだった。
こんにちは。
ここの所忙しいのでなかなか更新できません。
さあ、いよいよ作戦決行です。
果たして牙人間の正体は?
また次回お会いしましょう!




