第五十六話 足踏み
こんばんわ!
久々に投稿します!
マレーシアのクアラルンプールに到着した隼人=ウインメタルとエリカ。しかし、着いて早々逃走する麻薬密売人の二人組と出くわしてしまい、それでもあっさりと確保してしまったウインメタルとエリカだった。ところ変わって、ここはマレーシアのクアラルンプール警察署。あれから密売人の二人は逮捕され、観念したのか容疑も認めた。そして、犯人達の取り調べが行われた所とは別の取調室に隼人は大人しく座っていた。
「案の定、警察から事情聴取はされるよね。これに慣れてくる自分が怖いな。」
そう呟いた隼人。サハリンでのバイオビースト事件と同様、海外についた初日に事件に巻き込まれ、エリカもろとも警察で事情を話すために連れてこられていた。しばらく待っていると30代前半位の男性刑事が中に入ってきた。
「ごめんごめん、待たせちゃったね。」
「いえ、大丈夫です。」
黒いスーツを着て、スポーツ刈りのように短い髪をした刑事は、穏やかそうなやや高い声で隼人に問いかけた。
「まさかウインメタルが君みたいな子だったとはね。犯人を捕まえてくれたのは有り難いけど、どうして外国人の君があんな場所にいたのか教えてくれないかな?」
「クアラルンプールにはそんなに長くいる予定は無かったんです。取り敢えず中心部に出て移動前に昼食でも取ろうかと思った矢先に巻き込まれました。」
隼人は正直に答えた。男性刑事は穏やかな表情で質問を続けた。
「そうだったんだ。ちなみにどこに行くつもりなの?」
「イポーです。」
その言葉に男性刑事は少し眉を潜めた。そして、少し間を開けて更に続ける。
「もしかしてだけど、牙人間の件で来たのかい?」
「そう。こう言う訳が分からない事件は僕が一番適任だと思ったから来たんだよ。」
隼人の返答に刑事は何とも言えない表情で黙り込む。その後、刑事はふぅと息をそっと吐いて口を開く。
「あの事件は正直言って謎だらけなんだよね。国民の間では色々と話題になっているし、警察から見ても訳が分からない。」
「僕なら力をいくらでも貸すよ。そのために来たんだから。」
隼人は力強くそう言った。刑事は戸惑いつつも、頷きながら隼人に微笑む。
「分かった。イポー警察署には僕の方から連絡を入れておく。くれぐれも気をつけてね。」
「はい。」
「最後に一つだけいいかな?」
「どうぞ。」
「あの女の子は何者だい?僕の部下が取調べしたら、『自分は機械です。』って言ってお腹を開いたら、電子回路が現れてビックリしたって言ってたけど。」
「あの子はエリカです。僕のサポート用アンドロイドで頼りになる相棒ですよ。」
隼人は微笑みながらそう言った。その後、取り調べは終わり隼人は部屋を出た。
「隼人!」
「お待たせ、エリカ。」
先に取り調べを終えたエリカが外で待っていた。エリカは心配そうに尋ねる。
「大丈夫でしたか?」
「うん、問題ないよ。イポー警察署には連絡を入れてくれるって。」
「良かったです。時間を取ってしまいましたので、急ぎましょう。」
「そうだね。道草食ってる暇はないしね。装甲起動!」
隼人はウインメタルに変身し、メタルウイングを起動させた後エリカを背中に乗せてイポーへと飛び去って行った。
こんばんわ。
案の定、警察にお世話になった隼人くんですが今回は穏便でした。
さあ、次回はいよいよイポーです。
有牙人の謎に踏み込む最初の一歩です!
お楽しみに!




