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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第四章 新パートナー編
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第五十二話 肉親

こんばんわ。

過去が分かり、そして再び動き出したチェリー&ベリー。

ウインメタル達はどう迎え撃つ?

ある朝、神奈川県座間市にある米軍基地のキャンプ座間。天気が良く空に朝日が昇り始めたその時だった。

「うわっ!」

見張り担当の兵士二人が何者かに頭を殴られ、そのまま倒れこみ動かなくなってしまった。

「フフフ、不用心ね。」

「さっさと片付けて次は岩国にでも行きましょう。」

「そうね。」

「ウインメタルなんかに捕まるわけにはいかないわ。」

「思い知らせてやるのよ。じゃないと母さんだって報われない筈だから…。」

二人はそう言いながら、格納庫の方へと走り始めたのだった。


「大変だ!座間で米軍基地が襲われ、新型の戦闘機が盗まれたそうだ!」

「何ですって?」

ここは田中の研究所。朝のニュースで速報を聞いた彼は大慌てでエリカに知らせる。エリカの方もびっくりした表情でテレビを見ていた。

「こんな、ひどい…。」

「ああ、奴らはウインメタルが動き出したから本格的にやるつもりだ!」

画面には盗んだ戦闘機で攻撃したのか、破壊された建物や負傷して運び出される兵士が映し出されていた。報道されているだけでもすでに数十人の死傷者が出ている。田中は自宅へ帰っている隼人に連絡を取った。

「隼人、聞こえるか?」

「うん、奴らが動き出したんでしょ?準備はもう出来てるから。」

「分かった。奴らは戦闘機を奪って逃走中だ。気をつけろ。」

「了解、装甲起動(アクトメタル)!」

隼人はウインメタルへと変身し、逃走したチェリー&ベリーを追いかけるべく飛び去って行った。


「上手くいったわね、姐さん。」

「ああ、次は岩国だ。」

「手当たり次第破壊してやる!」

「そうよ、軍も施設も糞食らえよ!」

ここは静岡県上空。チェリー&ベリーは奪った戦闘機で岩国へ飛ぶべく急いでいた。この戦闘機は滑走路がいらないV-TOLタイプで、最新のステルス機器を積んでいるのでレーダーには引っかからず、捜索は難航。おまけにマシンガンや迎撃ミサイルまで積んでいる。二人はそのままこれを用いて岩国へ向かい、基地を破壊するつもりでいた。が…。

「ん、何だ?」

「何かが追いかけてきているわ。」

「馬鹿な、超音速ステルス機の追跡なんて不可能だ。」

そう思いたかった二人だったが、儚くもその希望は打ち砕かれた。

「逃がさないよ、二人とも!」

「脱獄して基地を襲撃した悪事、許しません。」

勝敗は言うまでもなくウインメタルとその背中に乗ったエリカだった。いくら最新鋭の超音速ステルス機でも、ダミーキャンセラーを積んでいる上に最高速度マッハ3からマッハ5へと強化されていたウインメタルには無意味だった。

「無理言ってメタルウイングを改造してもらってよかった。超音速機だろうが今の僕にはカメも同じだよ。」

「大人しく投降しなさい!今言うことを聞けば攻撃はしません。」

ウインメタルとエリカからの説得はコックピットには届いていた。しかし…。

「どうしよう姐さん、相手はあのウインメタルよ!」

「ふん!生意気言ってんじゃないわよ!邪魔なものはとっとと排除しましょう!」

そう言ってチェリーは搭載されている機関銃を起動させ、ウインメタル達に雨のごとく銃弾を浴びせた。

「まったく、往生際が悪いですね。」

「そっちがそう来るならこっちもそうさせてもらうよ!メタリックガン、ビームモード!」

ウインメタルはすかさずメタリックガンを起動させ、青白い光線を機関銃に浴びせる。機関銃はそのまま煙を上げながら溶けて消えてしまった。

「観念しろ、既に逃げ場はない。チェリー&ベリー。いや。チェルシー・ロー、べリンダ・ロー!」

ウインメタルは本名で二人を呼ぶ。すると、チェリー=チェルシーが頭に血を登らせて叫んだ。

「その名で、その名で私を呼ぶなぁ!」

チェルシーは叫ぶと今度は弾道ミサイルの発射ボタンを押し、ウインメタル達を攻撃した。しかし、ウインメタルは攻撃を避けるとミサイルをあっさりとメタリックガンで撃ち落とした。

「こんな事をしてお母さんの妙子さんが喜ぶとでも思ったの?」

「そこまで調べたのか!だったらますますお前を消したくなったわ!」

「お前達が苦しい境遇だったことには同情する。だからと言ってこんなやり方をしていいことにはならないぞ!」

「うるさい!私達はね、行きたくもないのにアメリカに連れて行かれ、ハーフを理由に虐められ、そして父によって軍人の男に襲われたわ!米軍基地さえなければ私達や母さんだってこんな苦しい目に合わなくて済んだのに!」

「そうよ!あの男は一方的母さんと別れた上に他に女、そしてそいつとの間に子供を作って私達は放置。あいつの手向けで襲われたのは予想外だったけど、正当防衛を理由に殺す口実になったから結果オーライだったわ。ついでに女と妹も殺してやったけど、プラスアルファでウインメタル。あんたもあの世に送ってやる!」

そう言ってチェルシーとべリンダは再び弾道ミサイルのボタンを押し、ウインメタルを攻撃。しかし…。

「懲りないね。ウインカノン!」

ウインメタルはメタリックガンの出力を上げ、飛んできた3つのミサイルをあっという間に消し去ってしまった。

「ば…。」

「馬鹿な…。」

焦る二人。そしてあることに気づく。

「姐さん、あの金ピカロボットがいないわ!」

「あいつは飛べないみたいだから撃ち落としたんだろ。邪魔ものがいなくなって戦いやすくなったわ!」

二人は安心していた。しかし、それにウインメタルが口をはさむ。

「本当にそんなこと言って大丈夫?エリカは確かに飛べないけど、彼女には僕には出来ないあることが出来る。もう忘れちゃったの?」

ウインメタルの言葉に二人は首をかしげた。だが、その答えはすぐに分かった。

「油断しましたわね。今度こそ終わりです!」

「「き、貴様いつの間に?!」」

二人は声をそろえて驚く。なぜならコックピットの後ろにエリカが入り込んでいたからだった。先ほどミサイルをウインメタルに浴びせた直後、弾幕で見えなくなった隙にエリカは上空へ飛びあがった。そして腕を伸ばし、機体にしがみついた直後に後ろの窓をレーザーで切断し、忍び込んでいたのだ。

「この!」

「化け物が!」

二人は持っていたサバイバルナイフやけん銃でエリカに襲いかかる。しかし、エリカの柔軟なゴルドニウム製装甲は攻撃を受け流した。

「二人とも、おとなしくしてもらいます!」

エリカはそう言うと指の間から電撃を放ち、二人に浴びせる。

「「ぎやぁぁぁ!」」

二人は悲鳴を上げると、そのまま気を失い動かなくなってしまった。

「エリカ、どう?」

「やりました。これから着陸しますね。」

「了解!」

ウインメタルはそのまま下降し、エリカはがら空きになった操縦桿を握り、近くの新地へと着陸したのだった。

こんばんわ!

最近メタルウイングがただの移動手段になってばかりだったので空中戦にしてみました。

捕まったチェルシーとべリンダは何を語るのか?

また次回お会いしましょう!

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