第三十九話 解放
こんばんわ!
美男子狩り編もいよいよ最終決戦です。
ウインメタルの前に現れたのは、ナノマシンが集合して巨大な人型になった物体だった。鉛色の巨体はその圧倒的な威圧感を放ちながら小佐谷を護るように展望ラウンジの中央にたたずんでいる。
「ナノマシンの集合体か。洗脳だけじゃなかったみたいだね。」
「私はナノマシンと光学迷彩のスペシャリストよ!こんなの朝飯前よ!」
小佐谷は自信満々でウインメタルにそう言い放った。ウインメタルはおそらく10mはあろうかという巨大なナノマシンの集合体を見上げながらどう倒すかを考えていた。
(見た所はただのナノマシンの集合体にすぎない。エナジーバスターを使うまでもなさそうだな。)
一方田中、清水、アーニャ、広人は唖然としていた。
「くっ、これは私も計算外だ。」
「もう少しで逮捕できるのにっ!」
「もう、何なのよこれ?」
「せ、セコすぎる…。」
そして、捕まった男性達は悲鳴を上げながら後ずさりをしながら逃げようとしていた。
「バケモノだ!」
「食われる!」
「早く何とかしてくれ、ウインメタル!」
そんな男性たちの声を聞いたウインメタルは力強く言い放った。
「分かってる!こんなゲテモノは一瞬で片付けるよ!」
「あら、私のナノ・ゴーレムはそう簡単には倒せないわ!行きなさい、ウインメタルをやっつけて!」
小佐谷はリモコンのボタンを押し、それに合わせてナノ・ゴーレムは鉛色の巨大な手をウインメタルに伸ばしてきた。ウインメタルはすかさず横に避け、メタリックガンを構える。
「ゲテモノめ!でかいからって僕は倒せないよ!」
ウインメタルは実弾モードでナノ・ゴーレムを撃った。しかし、その銃弾は無残にも巨体に吸い込まれて無効化されてしまう。
「これならどうだ!」
実弾が効かないと分かったウインメタルはビームモードに切り替え、出力を最大にして放った。しかし、一度ビームで穴をあけられたナノ・ゴーレムの腹はすぐに塞がってしまう。
「馬鹿な!」
「うふふ。分かったでしょう?あなたがいくら攻撃しても無駄なのよ!」
焦りの色が見え始めたウインメタルを小佐谷は余裕の表情で嘲笑った。
「ちょっとぉ、ウインメタル!どうすんのよ!バイオビーストよりも強いじゃない、こいつ!」
「分かってる。だが、僕だって負ける訳にはいかないんだ!マキシムダガー!」
ウインメタルはマキシムダガ-を展開し、殴りかかったナノ・ゴーレムの腕を避けた拍子にそこに斬りかかる。刃によって腕は切り裂かれたかのように見えたが、切られた腕はまるで逆再生されたかのように元通りに繋がっていく。
「ステルスライサー!」
今度は頭めがけて捨てるスライサーを放ったものの。やはり一度切り裂かれた場所はすぐに元通りになってしまう。
「ナノ・ゴーレム、あんたの実力を存分に見せつけられて私は嬉しいわ!さあ、ウインメタルの息の根を止めて!」
小佐谷の言葉に応え、ナノ・ゴーレムはウインメタルに殴りかかる。メタルウイングで天井付近まで飛び上がったウインメタルだが、ナノ・ゴーレムは不定形の腕を鞭状に変形させて伸ばし、捕らえられてしまった。
「しまった!」
ウインメタルは必死で逃げようとしたが、スライムのような不定形な身体の中でいくらもがいても手足は空回りするだけで、抜け出すことが出来ない。いわば、身体の中でおぼれてしまっている状態である。
「ウインメタル!」
「くそう、彼でもダメか。」
田中と清水は必死の思いでウインメタルに呼びかけた。一方でアーニャと広人も心配そうに口を開く。
「どうしよう、ウインメタルがやられちゃうわよ!」
「何かいい方法はないのか?」
4人の悲痛な叫びも虚しく、ウインメタルはナノマシンに包まれた状態でどんどん体力を奪われていった。
「このままじゃエネルギー不足で強制解除になっちゃう。でも、この不定形な身体じゃあ、物理攻撃は勿論、熱攻撃で溶かすこともできない。」
そして、その状況を狂気的な笑みで小佐谷は楽しんでいた。
「いいわよ。もうすこしで邪魔者はいなくなるわ!そして私の幸せな楽園が完成するのよ!」
銭湯は完全にナノ・ゴーレムの優勢になっていた。ウインメタルはいろいろ考えて聞くうちに、あることを思いついた。
「一か八か。試すしかない!」
そう言って、エネルギーを消耗した体で何とかメタリックガンを展開。そして…。
「メタリックガン、フリーズモード!」
そう言った瞬間に銃口から青白い光線が放たれた。そして、光線が触れた個所から順番に凍りついていった。
「な、なによ!何が起こってるの?」
小佐谷はあわててリモコンを操作し、ナノ・ゴーレムのもう片方の手でウインメタルを殴ろうとしたが時すでに遅し。青白い光線は瞬く間にナノ・ゴーレムの巨体を凍てつかせ、動けなくしてしまった。
「よし、今だ!ハイパーサーチ!」
先ほどは不規則に動き回るナノ・ゴーレムの弱点の解析が出来なかったが、凍って動けなくなった所を解析。すると、あるものが引っかかった。
「あれか!」
ウインメタルはナノ・ゴーレムの胸の中心部分に他のナノマシンとは違う中枢細胞のようなコアがあることを発見。そして、そのコアは小佐谷が持つリモコンに関係なく、小佐谷の頭脳と遠隔電波でつながってその通りに動いていることも突き止めた。
「貴様のリモコン操作は偽装だったか!だったら大元をたたきつぶす!メタリックガン、ビームモード!」
そう言ってメタリックガンからビームを放ったウインメタル。放たれたビームは狙い通りにコアを撃ちぬき、凍った体は再びドロドロに溶け、そして煙を上げながら蒸発し、元に戻ることはなかった。
「そ、そんな無茶な!」
小佐谷は顔を真っ青にしながら逃げようとした。しかし、時すでに遅し。拉致した男性達によって出入り口はふさがれ、その後ろには清水が待ち受けていた。
「今度こそ終わりだ、小佐谷!誘拐及び監禁、傷害の罪で逮捕する!」
越して小佐谷は拘束され、ウインメタルは苦しみながらも何とか事件を終わらせたのだった。
こんばんわ!
最終決戦も決着がつきました。
さあ、今身辺のことを考えていますがどうしようか悩んでます!
でも、きっといいものを書きますんで、ご期待お願いします!
それではまた次回!




