第三十七話 救出
こんばんわ!
さあ、ついに動き出した隼人君!
皆をどう助けるか?!
小佐谷に捕まったふりをしてあっさりとアジトに潜入した隼人は、手始めに鈴木英恵の交際相手の中村翔太の洗脳をダミーキャンセラーでナノマシンによって構築された偽の感情を解除、及びマシンを破壊することによって本来の思考に戻すことに成功した。そして、彼と共に他のとらえられた男性達を救出するためにこっそりと施設内を探索している。
「君は一体誰なんだ?」
「僕は白金隼人。君の交際相手の鈴木英恵さんに頼まれてね、探していたらここにたどり着いたんだよ。」
「英恵を知っているのか?」
「同じ大学だからね。君と仲直りしたいって言ってたよ。」
「そうか…なのにこんなことになって。」
「僕が来たからもうこんなことは終われせるよ。」
小佐谷達に気づかれないように物陰を身長に移動しながら他の男性を探索する二人。すると、廊下の前に三人の男性がいるのに気づいた。
「ここで目立つのはまずいから、部分展開だね。」
隼人はそう言うと右腕だけメタリックアーマーを展開し、ついでにメタリックガンも取り出した。
「そ、それはまさか。」
「うん。一人抑え込んでも他が騒いで逃げるとまずいからね。三人まとめて眠らせてから洗脳を解除する。」
「いや、そうじゃなくて…。君がウインメタルなのか?」
「そうだけど何か?」
「…いや、なんでもない。」
何もためらいもなくアーマーや武器を展開し、そして自分が世間を騒がせている銀色のヒーローであるとあっさり認めてしまう隼人を中村は理解できなかったが、今とらえられている以上は彼に託す以外になかった。
「よし。メタリックガン、ショックモード!」
隼人はショック光線を放ち、三人を眠らせる。そして三人に近づき、ダミーキャンセラーを発動させた。
「あれ?」
「何だここ?」
「どうして僕達がこんなところに?」
洗脳が解除され、まともな思考に戻った彼らは自分達が置かれている状況が異常であることにはすぐに気付いたようだった。
「皆聞いてくれ。全ては小佐谷総一郎という男の陰謀のためだ。奴は君達を誘拐、洗脳して自分だけのホモハーレムを築きあげるつもりだったんだ。」
隼人がその場にいた四人に説明する。すると四人は動揺したように顔を合わせて話し始めた。
「何だよそれ?」
「気持ち悪ぃ。」
「何で俺なんだよ。」
「早く帰りたいわ!」
そう思うのも無理はないと感じとった隼人は、四人を引き連れて引き続き残りの男性達の救助を続けた。洗脳が解けた男性のほとんどは状況が理解できなかったり、理解しても動揺したりしたが隼人の懸命の説得により、全員で協力して小佐谷から逃走することを納得してくれた。次々と男性の洗脳は解除され、ついに最後の一人の洗脳が解除された。
「ここは…?」
「君が最後の一人だよ。さあ、今回のすべての元凶の小佐谷を倒しに行こう。」
そう言って隼人は小佐谷のもとに向かったのだった。
その頃。中央の展望デッキでは…。
「変ねぇ。さっきから誰ひとり見かけないわ。もうすぐ夕御飯の時間なのに。」
小佐谷は自分の妾の男性達の姿が見当たらないことを不思議に思っていた。しかし、彼自身は自分の洗脳は完璧だと思っており、脱走するなどとは微塵も考えていなかった。だが、さすがにここまで誰も現れないのは不自然に思い、探しに行こうとしたその時だった。
「やあ。」
隼人が小佐谷の前に現れた。小佐谷は嬉しそうによってくる。
「あらぁ、誰もいなくてさみしい所に新人ちゃんが来てくれたわぁ。さあ、一緒に楽しい時をすごしましょう。」
「生憎だけどお断りだよ。」
「えっ?」
小佐谷は一瞬驚いたような表情を見せた。そしてさらに驚くべき光景が目の前にある。
「何なの、これ?」
小佐谷が驚くのも無理はない。なんと、そこには今まで自分が洗脳し、寵愛してきた男性たち全員が並んでいたのだから。
「洗脳は僕が解除したよ。さあ、おとなしく解放させてもらうから。」
「あんたが何者なのか知らないけどね、洗脳を解除してもここは脱走できないわ。あたしのカモフラージュは完璧だし、ここは誰も見つけられないわ。」
小佐谷は自信満々にそう言ったが、隼人の方はやけに冷静だった。
「普通はね。よくもこう完璧に隠したもんだよ。だけど僕に忍び込まれたのが運のつきだね!皆、今だよ!入ってきて!」
そう言うと、先ほど隼人たちが入ってきたドアが再び開き、更に数人が入ってきた。
「お待たせ!」
「ご苦労だった。」
「しかし、よく考えるなぁ。」
「…」
入ってきたのはアーニャ、田中、清水、そしてウインメタルそっくりの何者かだった。
「さあ、おとなしく投降するんだ!観念しろ、小佐谷総一郎!」
隼人はメタリックガンを構えながら動揺する小佐谷に力強く言い放ったのだった。
こんばんわ!
いよいよ美男子狩り編も最終決戦が近いです!
隼人ではないウインメタルそっくりの者はいったい誰なのか?
答えはまた次回で!




