第三十五話 アジト
こんにちわ。
10月最初の投稿です!
前回は休載してごめんなさい。
江戸川区の葛西臨海公園にてデート中の若い男女を襲撃した黒ずくめ=小佐谷総一郎は、現れたウインメタルをあっさりと撃退し、男性を連れ去ってしまった。
「さあ、久々にいい獲物が手に入った。早く帰らないとな。」
若い男性=隼也を脇に抱えた小佐谷は、そのまま橋の下に隠していたボートに乗り込み、立ち入り禁止である浮島へと向かった。本来ならかなり目立つのだが、時刻はすでに閉演間近で人が少ない上に、光学迷彩及びステルスジャマーと呼ばれる赤外線などを一切遮断する妨害電波を発信しているのでだれにも見つかることはなかった。浮島へと上陸した小佐谷は隼人を抱えたまま手下たちとともに浮島の中央へとたどり着く。
「よし、さっさと乗ってアジトに戻るよ!」
「「「「ラジャー、ボス!」」」」
小佐谷はそう言うと手に持っていたスイッチを押した。すると一見何もないと思っていた所からドアのようなものが現れ、開くと同時に小佐谷たちはそれに乗り込む。
「さあ。出発!」
コックピットのような場所に座った小佐谷は、色々な装置を起動させた後にレバーを引く。すると周りに強い風が発生し、小佐谷を乗せたその物体は宙に浮きあがってそのまま飛び去って行った。そう、光学迷彩で偽装したそれは小型の飛行機だったのだ。しかし、改造されたエンジンによって飛行時の音は消されており、周囲に飛行機が問ううでいると気付く者はいなかったのだ。
「どう、今日の獲物は?」
「眠っているようです。無事アジトまで運びこめるかと。」
「ならいいの。この前邪魔してくれたウインメタルもやっつけたし。今日はツいているわね。」
大柄で屈強、強面な外見に似合わず、小佐谷は急に女性口調になった。小佐谷はそのまま飛行機を飛ばし、アジトへと向かったのだった。
およそ1時間後。
「さあ、もうすぐ着くわ。早くこの子を収容してお茶でも淹れましょう!」
「ラジャー!」
小佐谷が操縦する飛行機はアジトに到着しようとしていた。場所は奥多摩の山奥にある誰も寄り付かない雑木林にたたずむ建物。ただでさえ人が寄り付かないのに、このアジトの建物も光学迷彩バリアーが張り巡らされており、彼ら以外にこの存在に気づく者はいない。小佐谷はバリアーを部分解除し、飛行機ごと中に入って行った。研究所裏にある滑走路に飛行機を着陸させた。
「さあ、起きなさい。あなたを天国に連れて来てあげたわよ。」
小佐谷は隼也にそう声をかけた。すると隼也はゆっくりと目を開け、起き上がりながら小佐谷に聞いた。
「ここは…?」
「あなたの楽園よ。早く降りなさい、案内するから。」
「了解しました。小佐谷様。」
そう感情のない声で隼也は言い、ゆっくりと飛行機から降りた。
(うふふ。ナノマシンの洗脳もしっかり効いているわ。ウインメタルも目の前の人を助けられなくて面目丸つぶれね。)
小佐谷は心の中で嬉しそうにつぶやきながらアジトの中に入って行った。中に入ると、沢山の若くて容姿が整った男性達が廊下の両サイドに並び、大声で小佐谷たちを迎えた。
「おかえりなさいませ。小佐谷様!」
まるで王さまを出迎える側近のようにふるまい小佐谷が通りすぎると男性達はそれぞれ散り散りにどこかへ行ってしまった。
「ただいまぁ。やっぱりいい男にお迎えされると仕事頑張ったかいがあるわ!」
小佐谷は嬉しそうに廊下を歩きながら、奥の部屋へと隼也を案内した。
「さあ、今日からここがあなたの家よ。欲しいものがあったら何でも頼んでね。不自由はさせないから。」
「承知しました。」
隼也はそう言うと部屋の中に入り、荷物を置いた。6畳ほどの部屋はこじんまりとしているが、テレビ、冷蔵庫、ベッドなど最低限なものはそろっている。彼はベッドの腰かけると、上着と帽子を脱いで置いた。
「ふう。」
彼はため息をつくと、再び立ち上がって口を開いた。
「ここがやつらのアジトか。まあ、バレてないみたいだから少しずつつぶしてこうかな。」
こんにちわ!
今回は結構謎だらけな回でした。
次回で明らかになりますんでお楽しみに!
それと、前回休載して本当に申し訳ありませんでした。




