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甲鉄戦士ウインメタル  作者: 東洋連合
第三章 美男子狩り編
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第二十九話 二次計画

こんにちわ!

前回何か掴んだウインメタル。

果たしてその真意は?

若い男性ばかり相次いで失踪する事件の手掛かりを掴むべく、ウインメタルは行方不明になった約20名の男性の身辺調査をしていた。そして、最後に失踪した都内の会社員、田島一也の情報を聞き出したウインメタルは研究所へと戻り、田中に報告をしにいったのだった。

「只今、田中さん。」

「おう、隼人。お帰り!どうだった?」

ウインメタルの変身を解いた隼人は早速集めた情報を田中へと報告する。

「調査した甲斐があったよ。失踪した男性には共通点が多かったから。」

「何だと?一体それは何なんだ?」

田中が真剣な顔で聞いてきた。隼人は説明を続ける。

「まず、年齢が十代後半から二十代前半であること。そして、顔立ちが整っていること。そしてここからが重大なポイントだよ。」

そう言うと、隼人は声のトーンを大きめにして言った。

「全員失踪直前に女性絡みのトラブルに巻き込まれているって事だよ。今回調査して分かったんだけど、全員女性に告白して振られた、または交際していたけど一方的に別れを告げられたり、女性と喧嘩したりしている。」

「どういう事だ?何故それが失踪に繋がるんだ?」

田中は報告に驚きつつ、ウインメタルに質問する。ウインメタルは真顔のまま説明を続けた。

「そこまでは分からない。だけど、こうも似たような人ばかり失踪しているから、誰かが意図的にそういう人ばかり狙っている可能性は高いよ。」

隼人はそう説明したものの、どこの誰が何のためにそんなことをしているかまだ分からないでいた。

「人為的な誘拐事件…として調査した方がいいということか?」

「僕もそう思っているよ田中さん。だから、これからはどうやってそいつを燻り出すか考えよう。」

隼人は田中にそうは言ったものの、どうやって誘き出すか思いついていない。そもそも、誘拐した犯人の目撃情報が一切ないので困っていた。隼人は今回の調査で得た情報を報告書に纏めて田中に提出。その後、研究所を後にし帰宅したのだった。


翌日。隼人はいつも通り大学へと登校した。席につき、授業が始まるのを静かに待っている隼人。するとそこに、交際相手の中村翔太の捜索を依頼した鈴木英恵が登校してきた。

「あ、鈴木さんおはよう。」

「おはよう、白金くん。」

二人は軽く挨拶し、英恵は席につく。そして、隼人は英恵に近づいて話しかけた。

「ちょっとだけいい?」

「いいけどどうしたの?」

「話がある。廊下に出よう。」

隼人はそう言って英恵を廊下の端へと呼び出した。

「白金くん、あれから何か分かったの?」

「うん。君の彼氏の中村翔太も含めて、失踪した男性には共通点があったんだ。」

「え、どういう事?」

目を丸くした英恵に隼人は説明を続けた。

「鈴木さんは確か、中村翔太が失踪する直前に喧嘩したって言ったよね。」

「うん、そう。」

「今回失踪した若い男性はみんな女性関係でトラブルがあった直後に行方不明になっているんだ。」

「ちょっと、それホントなの?なんでよ!?」

英恵は同様を隠しきれず、隼人に詰め寄った。隼人は少し目を伏せながら答えた。

「残念ながらそこまではまだ掴めてない。今全力で調べている所だよ。」

「まぁいいわ。とにかくあなただけが頼りなの。引き続きお願いするわ。」

英恵はそう言うと先に教室へと戻っていった。

「しかし…犯人がいるにしても手掛かりゼロ。こりゃぁ長引くぞ。」

隼人はそう危機感を募らせて呟き、自分も教室へと戻っていった。


放課後。授業を終えた隼人は静かに教室を後にした。英恵にああは言ったものの、具体的にどういう順序で解決しようかまだ思いついていない。そう悩んでいると、後ろから声が掛かる。

「よう、隼人!」

そう声を掛けてきたのは友人である広人だった。

「ああ、君か。」

「何だよ、相変わらずシケた面してんなぁ。」

「うるさいよ。こっちだって色々あるんだよ。」

「何?事件解決出来なくて悩んでるとか?」

図星だった。隼人は複雑な表情で頷く事しか出来なかった。

「分からないことが多すぎるんだよ。」

「そうなのか?」

「うん。何で若くて顔が整ってて女性関係で揉めた男性なのか。」

「ふーん。確かに分かんねぇな。まぁ、頑張れよ!」

「自分が狙われるかもしれないのに、呑気じゃない?」

「ハハ、無い無い。俺は女友達もあんましいないし、彼女も居たことないからな。」

広人は少し自虐的にそう言う。一方の隼人はまだ悩みを拭いきれないまま広人と共にキャンパスを後にしたのだった。


所変わり、ここは都内のとある路上。そこに、一組の男女が手を繋いで歩いていた。時間は夜の9時を回っている。

「ねぇ、週末のデートどこ行く?」

「そーだな。シーパラとかどう?」

「いいわ!」

二人は楽しそうに話しながらデートの日程を立てていた。すると、そんな二人の前に全身黒ずくめの謎の人物が近づいてきた。

「仲睦まじいようだね、お二人さん。」

「何だお前は!」

「こんな奴らに関わったら駄目よ。行こう!」

二人は驚きつつ、黒ずくめを無視して行こうとする。しかし…。

「やれ。」

黒ずくめが命令すると、黒いマスクをつけた四人が二人を羽交い締めにし、引き離す!

「うわっ、何だこれは!」

「何すんのよ!離して!」

二人はもがき苦しむが、身動きが取れない。そして黒ずくめは再び口を開く。

「女、お前には用はない。だが、今から起こることをよく目に焼き付けておくんだ。」

黒ずくめはそう言うと男性の方に近づいて、光線銃の様な物を男性の首へ突きつけた。

「やめろ、やめてくれ!」

「フフフ…。」

「ウッ…。」

黒ずくめはその道具で男性の首に何かを打ち込むと、男性は羽交い締めのまま意識を失ったのかガクンと俯いてしまった。

「きゃぁぁ!何すんのよ!」

「安心しろ、殺してはいない。」

泣き叫ぶ女性に黒ずくめはそう言う。すると、男性は再び顔を上げた。しかし、その目に生気はこもっておらず、まるで別人のようだった。そして男性は女性の方へ向き直り、言った。

「悪い。俺はもうお前とは一緒にいられない。」

「え…ちょっと何言ってるの?」

「言葉のとおりだ。俺とお前は一緒にいられない。俺はこの人と共にいることにする!」

「ちょっと待ってよ!さっきまで私達相思相愛だったじゃない!」

「過去の事だ。さようなら。では行きましょう。」

そう言うと男性は開放され、黒ずくめと共に去ろうとする。女性は涙を流しながら叫んだ。

「待って!私は今でも愛してる!一緒にいたい!お願い!行かないで!」

そう叫んだが、もう女性の声は男性の耳に入らない。更に女性は羽交い締めにしていた黒マスクの一人から鳩尾に拳を受け、うめき声も挙げずに気絶してしまった。そして、女性はその場に放り捨てられ、黒ずくめは不敵な笑みを浮かべながら言った。

「フフフ。上手く行った。これで第二次計画も問題なく進められる。」

そう言うと黒ずくめは若い男性と四人の黒マスクとともに、姿を消していったのだった。

こんにちわ!

美男子狩り編もついに動き出しました。

黒マスクの正体は、そしてその目的は?

全てが謎に包まれている中、ウインメタルはどう出るか?

次回もお楽しみに!

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