第二十八話 共通点
こんにちわ!
最近天気悪すぎてテンション低めですが書きます!
若い男性の連続失踪事件の真相を探るべく、ウインメタルは最初の失踪者、杉本純一郎の地元大阪市へ向かった。時刻は既に夜の七時を回っており、夜空で暗くなった街はネオンに照らされて昼間とはまた違った明るさを醸し出している。
「えーっと、この辺の筈だが…。」
ウインメタルはまず、杉本が通っていたとされるデザイン専門学校へと足を運ぶ。既に授業は終わっているが、居残りで課題をしている生徒がまだいると踏んで建物の前に来た。上の階にある教室はまだ明かりが付いているので誰かがいるのを確証したウインメタルは、学生が出てくるのをひたすら待った。すると、出口のドアが開き、三人の若い男性が出てきた。この専門学校生と見て間違いないと思われる。ウインメタルは早速声を掛けた。
「お疲れの所失礼。」
「ん、なんやこのコスプレ野郎は?」
学生の一人は驚いた表情でウインメタルを見る。すると、もう一人の学生が口を開く。
「自分知らんのか?ウインメタルや。あちこちで事件解決しとるっちゅう。」
「お〜そうやそうや!本物初めて見たわ!」
残りの二人の学生は少し嬉しそうな表情でそういった。そして、学生の一人がウインメタルに聞く。
「で、そのウインメタルが俺達に何の用なん?」
ウインメタルはそう聞かれたので、すぐに答えた。
「君達はこの杉本純一郎さんを知っている?」
ウインメタルはディスプレイに杉本の写真を表示し、三人に見せた。すると三人は一斉に答えた。
「知っとるも何も、俺らのクラスメートや。」
「せやで。でもあいつホンマにどこ行ったん?全然連絡取れへんし。」
「もしかして、純一郎探しとるん?だったらはよ見つけて欲しいわ!友達として心配やし。」
どうやらまだ見つかっておらず、手掛かりも何も無いようだった。ウインメタルはこのまま手ぶらで大阪を出るわけにもいかなかったので、情報収集を続けることを決めた。
「詳しく聞かせてもらうよ。どんな下らないことでもいい。情報が欲しい。」
「ほな、ここじゃ話しづらいし、どっか入るか。」
そう言って四人は近くにあるファミリーレストランへと入店した。ウインメタルもアーマーを解除し、三人の学生と共に席につく。座って早々、隼人は三人に質問した。
「改めてもう一度聞く。杉本さんがいなくなる前に何か変わったことは無かった?」
すると、学生の一人が答えた。
「そ~いえば、こんなLINEのメッセージ来とったな。参考になるか分からへんけど。」
その学生は隼人にスマートフォンを見せる。そこには…。
『あかん、どないしよ?彼女に好きな人おるから別れて欲しい言われたわ!俺、別れたくない言うたんやけど聞いてくれへん!説得したけどもう無理とか言われてLINEブロックされてもうたわ。泣きそうや…。悲しいわ(T_T)』
と見るからに悲痛な内容の文章が書かれていた。
「その後に失踪したの?」
「いや、俺達で純一郎呼んで慰め会やったんや。」
「そうや。まぁ、あいつ男前やし、お前ならもっとええ彼女見つけられるでって慰めてな。」
「そう言うたら純一郎も少し元気取り戻したみたいやし、大丈夫と思うたんやけど…。」
「学校にも来ず、連絡も取れなくなった…って言うわけだね。」
隼人がそう言い、三人は元気のない顔で頷いた。
「分かったありがとう。参考にさせてもらう。こっちも行方不明になった人たち見つけるために頑張るから。」
隼人が三人にそう答えると、三人も少し笑顔になった。その後、夕飯を済ませ、店を出た隼人は再びウインメタルに変身し、メタルウイングを展開したあと大阪を離れたのだった。
「続きは明日にするか。」
そう言って隼人は田中に先程の報告をし、一度自宅へと帰宅した。
翌日。
「次は群馬の大学生、川田昭一さんか。」
今度はウインメタルは群馬にいた。行方不明になったうちの一人、群馬学院大学の川田昭一の手掛かりを掴むためだ。時刻はまだ午前中だが、一刻でも早く見つけ出したいウインメタルは徹底的に聞き込みを行った。
「何?本当なのそれ?」
「ああ。あいつが学校来なくなる前の日にそいつと一緒にいるのを見たよ。遠くだったから何話しているかわからなかったけどな。」
学生の一人がそう答えると、ウインメタルは礼を述べてすぐにある場所へと向かった。そこは学生食堂だった。中に入り、ある人物を探す。そして、真ん中辺りの座席にその人物が座っているのが見えたので、急いでそこへ向かった。
「失礼。」
ウインメタルがその人物に声を掛ける。声をかけられたのは髪を明るい茶色に染め、派手な衣服に身を包んだ気が強そうな女性だった。
「何?」
「榎本恵美さんだね。」
「そうだけど、何でウインメタルがここにいる訳?」
話しかけられた榎本恵美という女性は面倒臭そうに聞いてきた。ウインメタルは気にせず質問を続ける。
「この、川田昭一さんは知ってるよね。」
「だったら何?」
「今質問しているのは僕だよ。」
ウインメタルは少しドスを効かせて榎本にそう言い放つ。榎本はため息をつき、渋々と話し始めた。
「はいはい、話せばいいんでしょ。この男は隣のクラスの人。話したことなかったけど一応知ってるわ。そして、昨日いきなり呼び出されて告白された訳。」
「それでどうしたの?」
ウインメタルの質問に、榎本は更に深いため息をつきながら話した。
「振ったわよ。当たり前じゃない。仲良くないのにいきなり告白して…しかも見てくれは良いとは思ったけど、なんか雰囲気暗いし、オドオドしてるし。私の好みじゃないのよね。」
榎本はそう答えた。そしてウインメタルは肝心な質問をする。
「川田さんが昨日その現場にいたのをを目撃した人がいてね。その目撃例を最後に行方がわからなくなっているんだけど、心当たり無いの?」
「はぁ?私を疑ってんの?知らないわよ!つーか興味無いし。」
榎本は声を荒げながらウインメタルに詰め寄る。しかし、ウインメタルは臆せずに続けた。
「同じ学校の人が行方不明になっているのに心配しないんだ。」
「どうでもいいし。つーか、用済んだらさっさと消えてくんない?目障り。」
邪険に扱われたウインメタルは情報を拾えたので特に何も言わずにその場を後にした。
「杉本さんも川田さんも、ロクな女性に遭ってないな。」
そう言いながらキャンパスから出るウインメタル。そこで、一つ引っ掛かったことが頭に思い浮かぶ。
「待てよ…これがもしかしたら今回のキーワードかもしれない。」
そう思いながらウインメタルは次の情報を求めて飛び去った。その後も新潟、岐阜、埼玉、神奈川等を飛び回り、ウインメタルは情報を集めていった。
「ありがとう。参考にするよ。」
ウインメタルは情報を提供してくれた被害者の知人へ礼を述べ、その場を後にした。
「やはりそうか。あとは、失踪した原因だな。」
ヒントに気がついたウインメタルは、報告をするために一度研究所に戻っていったのだった。
こんにちわ!
毎日雨が続いていますが、いつになったらいい天気になるのでしょう?
さぁ、新編も少し動きが出てきました。
ウインメタルはこの失踪事件の真相に辿り着けるのか?
次回もお楽しみに!




