第二十二話 黒幕の正体
おはようございます!
久々の投稿です!
ホムルクスに到着し、巨大トカゲの妨害もあったがなんとかザガースキーのアジトと思われる廃れた研究所に辿り着いたウインメタル一同。異様な雰囲気を醸し出すその研究所の前に彼らはいた。
「そうか、分かった。こっちも突入準備完了だ。」
通信をしているのは今回の事件の責任者、アンドレイ・エゴルチェフ警部だ。このあたりの人口は片田舎ということもあって決して多くはないが、万が一のことも考えて近隣住民に避難勧告を出していた。そして、避難が完了したとの通信が入ったのだった。
「よしみんな、いよいよだ!この馬鹿げた事件を私達の手で今日終わらせるんだ!」
「はい!」
ウインメタルを含め、捜査員達が元気よく返事をする。そして、ウインメタルは研究所の建物をサーチし、何か潜んでいないか分析していた。
「僅かだけど、生体反応がある。ここに何かがいるのは確かだよ、とにかく行こう!」
ウインメタルはアンドレイ達に声を掛け、それに合わせて全員が研究所へと入っていった。研究所の中は薄暗く、あちこちがボロボロで一見して誰かがいるような気配はない。しかし、生体反応が確認できた以上無視するわけにはいかない。メタリックガンを構えるウインメタルを先頭に、武装した捜査員及び、役に立つのか分からない飛び道具を色々持ってきたアーニャも臨戦態勢に入る。やや広めの一階の空間の中に入って少し進んだその時だった。
ガシャン!
「何だ!」
「やっぱり何かいるわよここ!」
慌てるニコライとアーニャ。ウインメタルはあたりをハイパーサーチで分析する。すると…。
「生体反応2!上だ!」
バァン!とウインメタルがメタリックガンを実弾モードにして発射。その結果、ドサリと何か黒いものが落ちてきた。
「やはりお前か。久しぶり、そしてさようなら。」
落ちてきたのは最初にウインメタル達を襲った巨大コウモリだった。一匹は仕留めたが、もう一匹はまだ広い室内を飛び回っている。
「逃しはしないよ!ステルスライサー!」
ウインメタルはステルスライサーを放つ。巨大コウモリの超音波でも位置を特定できないこの武器は、気づかない間にその巨体をバラバラにしていた。
「ふん、僕達が来た以上もう悪さはさせないからね!」
ウインメタルはそう言い残すと、再びハイパーサーチを始めた。研究所に今回の黒幕であるザガースキーがいるか確かめる必要があったからだ。暫くサーチすると、ウインメタルはその口を開いた。
「取り敢えず、これを見て。」
そう言ってウインメタルはみんなに連絡用端末に研究所の3Dマップを映し出した。
「これが全体図。ここにはもう何もいないけど、地下の方にちらほら生体反応があるね。この散らばってるのは恐らくさっき外にいたトカゲ野郎だと思うけど、この地番奥にある小さい反応。これはわからないな。」
「そのザガースキーとかいうやつじゃないの?」
アーニャがウインメタルに言う。
「可能性はあるね。でも、まずはここを突破しないとたどり着けないな。」
「私達に任せてくれないか。」
ウインメタルに対し、そういったのはアンドレイだった。
「正直、私達はこの化物共を倒せないかもしれない。だから、足止めくらいなら出来る。その間にウインメタル、お前がトドメを刺してくれ!」
「もちろんだよアンドレイさん。僕も出来る限りみんなに協力するし、ピンチになったら援護もする。とにかく行こう!」
ウインメタルはそう言って先頭を歩き、それに続いて他の捜査員及びアーニャも部屋の一番奥にある階段を下り、地下へと向かった。
「随分悪趣味ね。」
「こんな研究するような奴にまともな趣味なんてないだろ。」
地下へと降りた後、周りの状況を見て発言したアーニャにウインメタルはそう答える。降りた先の地下の空間はまるでどこまでも続いていそうな通路のごとく細長くなっていた。そして、その壁には何か巨大な瓶のようなものがはめ込まれており、中には培養液と巨大な生き物たちが管に繋がれた状態で浮かんでいた。
「ここで作っていたのか。」
「どうやらそのようだね。ザガースキーも恐らくこの奥にいるはずだ。」
ニコライにウインメタルがそう言う。そしてメタリックガンとマキシムダガーを構えたウインメタルは慎重に奥へと進んでいった。すると…。
「グァァァ!」
ものすごい咆哮とともに目の前に現れたのは…。
「やはり潜んでいたか、トカゲ野郎共。そう簡単には君たちのボスに会わせないってか!」
物陰に隠れていた巨大トカゲ達が姿を表したのだ。数からしておよそ15,6匹はいる。
「総員、戦闘配備!目標巨大トカゲ!撃てぇっ!」
アンドレイの言葉に武装した捜査員達が一斉にマシンガンを放つ。しかし、改造されたその強靭な肉体は多少傷つけることはできても、完全に撃退するにはやはり力不足だった。
「マキシムダカー!くらえ!」
ウインメタルは素早く動きながら、バサバサと巨大トカゲ達を切り裂き、数はあっという間に半分に減った。しかし、いくらアンドレイ達が足止めしているとは言え、ウインメタル一人でどうにかできる数と戦闘力の相手ではなかった。
「これじゃあ、キリがない。それに戦闘が長引くとこっちが不利になる。こんな方法使いたくはなかったけど、ごめん!みんな!」
そう言うと、ウインメタルはメタルウイングを展開した!
「みんな、物陰に隠れて耳を塞いで!」
「えっ?」
「いいから早く!」
「は、はい!」
ウインメタルの言葉にアンドレイ含む捜査員たちはタイミングを見計らって物陰に隠れて耳を塞ぐ。そして…。
「みんなまとめて苦しめ!サウンドブラスター!フルバーストモード!」
ウインメタルの言葉に合わせてメタルウイングが振動とともにものすごい超音波を発信する。まともに聞いたトカゲたちは頭を抱えて苦しみ始め、やがてもがき苦しんだ後にその場に倒れ込み、動かなくなってしまった。
「みんな、大丈夫か?」
ウインメタルが言うと、フラフラになりながらアンドレイ達が出てきた。
「あ、ああ。まだ少し頭が痛いが、大丈夫だ。」
「ホントこれ、どうにかなんないの?味方まで攻撃するなんて完全に欠陥品じゃない!」
「欠陥品とは失礼な。音の攻撃だから仕方ないだろ!」
ぶつくさ文句を言うアーニャにウインメタルが突っ込む。そして全員の回復を待ち、一行は長い通路をさらに奥まで進んだ。すると、そこには頑丈にロックされたドアがあった。
「ここだな。」
アンドレイが言う。ウインメタルもドアの奥の方をサーチしてみる。
「生体反応あり。やはり何かいるよ。」
「でもどうやって入るのよ。生体認証無しじゃ開けられないシステムよ、これ。」
アーニャがそう言うと、ウインメタルは冷めた様子で返す。
「開かなきゃこじ開ければいいだけの話だよ。みんな、少し離れて。」
そう言われてみんながドアから離れる。そしてウインメタルはメタリックガンを構えた。
「ウインカノン、マキシムブラストモード!」
そう言うと、メタリックガンからものすごい質量のビームが放たれた。頑丈なドアは最初こそ耐えたが、20秒もしないうちに溶け出し、やがて吹き飛んでしまった。
「よし、開いたよ。入ろう。」
まずはウインメタルが中に入り、それに続いてアンドレイ達も入る。するとそこには…。
「やっぱりお前はここにいたのか。」
ウインメタルがメタリックガンを構えながら、奥の椅子に座る白衣の男性に声をかけた。男は向き直ると不敵な笑みを浮かべながら言った。
「ああ、そうだ!お前たちだったか。私の計画を邪魔するやつは。」
男はメガネをかけ直しながらそう言った。その男とは…。
「これ以上好き勝手させないよ、ザガースキー。」
今回の事件の首謀、ユリー・ザガースキーだったのだ。
こんにちわ!
色々あって更新遅くなってごめんなさい!




