第十四話 惨劇後
こんばんわ!
最近すごく眠いです(=_=)
眠気と戦いながら書きます(笑)
「そっちは怪我人の搬送だ!俺達は化物の回収をやる!」
「はい、了解!」
警察や救急隊の大声が響き渡るここはユジノ大学のキャンパス内。ここで先程、巨大なコウモリに似た三匹の怪物が襲来し、学生や職員を次々と襲っていた。しかし、それを白銀の戦士=ウインメタルがあっさりとやっつけてしまい、事態はなんとか収まった。しかし、そこに広がっている風景は、撃退された三匹のオオコウモリの死骸と、その化物に食い殺された人の体の一部や、血液が飛び散って真っ赤に染まった地面と建物という目を覆いたくなるような惨状だった。
「ただいま。約束通り化物をやっつけてきたよ。これでいいでしょ、足引っ張ってないし。」
そこに、ウインメタルが銀色の翼を羽ばたかせながら降りてきた。ウインメタルは降りるとアンドレイとニコライの元に駆け寄り、そう言った。
「ああ、よくやった。ありがとう!」
アンドレイは少し驚きつつも笑顔でウインメタルを出迎えた。
「しかし、結構犠牲者が出てしまいましたね。残念です…。」
一方のニコライは目の前の惨状に対し、悔しそうな表情で声を落とした。警察として、死者を出してしまったことは彼にとって非常に心残りだった。
「だが、ウインメタルのお陰で被害を最低限に食い止められた。もし彼がいなかったら、大学が全滅していたかも知れん。」
アンドレイはそう言った。今までの事件は恐らく一匹で一つの家庭を襲撃していたが、今回は化物が三匹、それも多くの人がいる大学だ。もしウインメタルが倒さなかったらどれほどの被害が出ていたか想像出来ない。
「じゃあ、僕は化物を運んで来るよ。クレーン車を呼ぶよりも楽でしょ。」
ウインメタルはそう言って先程自分が倒した化物の死体の元に向かい、一匹ずつ用意されたトレーラーの荷台に運び始めた。アーマーを身に着けているので、重い化物の死体も片手で軽々と運ぶことができる。
「おっと、正体を探りたいから体の一部をもらうよ。」
ウインメタルはそう言ってオオコウモリの体の一部を毛皮ごと引きちぎり、持ってきたカプセルの中に入れた。三匹ともトレーラーのなかに運び込みアンドレイ達と一緒に警察署に戻ろうとした時だった。
「あの、すみません!」
ウインメタルは突然声をかけられ、後ろを振り向く。そこにいたのは赤毛の長い髪をなびかせた若い女性が立っていた。年齢は隼人と同じくらいで、恐らくこの大学に通う女子大生だろうとウインメタルは推測した。
「何?」
「その、助けてくれてありがとうございました。」
「なんだ、そんなことか。」
女性の言葉に対し、ウインメタルは相変わらずの塩対応で返した。
「その、何かお礼させて下さい!」
「いらないよそんなもの。」
食い下がる女性に対し、ウインメタルは無愛想に突っ撥ねる。
「そんな…。」
「じゃあ僕もう帰っていい?これから戻ってやらなきゃいけない事がいっぱいあるんだから。じゃあ!」
悲しそうな顔をする女子学生を尻目に、ウインメタルは全ての作業を終えて発車するアンドレイの車を追いかけてそのまま走り去った。
「おいおい、ウインメタル。女の子をあんなふうに突っぱねちゃ可哀想じゃないか。」
「は、なんで?邪魔だったんだからいいじゃん。」
警察署向けて走っている途中、アンドレイからウインメタルメタルに無線が入り、ウインメタルは訝しげに聞き返した。
「全く、日本の男は女の扱い方も知らんのか。あんな無愛想な塩対応されて喜ぶ女の子がいると思うか?」
「知らないよ。女友達なんていないし。」
呆れた様子で聞くとアンドレイだったが、ウインメタルのその返答でもう何を言っていいのか分からなくなってしまった。
「とにかく早く戻って状況を整理しましょう。一刻も早く解決するための手掛かりを見つけなくては。」
ニコライがそう言った。そしてウインメタルも通信端末を開いて、日本にいる田中ヘ連絡をする。
『おう、ウインメタル!どうした?』
「やっと犯人がどんなやつかわかったよ。さっき鉢合わせてきたからね。」
『本当か?どうだったんだ?』
ウインメタルの言葉に田中は驚きながら質問した。
「デカいコウモリだよ。細胞を調べたけど、何者かに改造されている。自然に発生した突然変異体ではないよ。そしてさっきは市内の大学に三匹現れて、学生や職員たちを襲撃していたよ。まぁ、僕が全部倒したけどね。」
ウインメタルは今知っていることを全て田中に報告した。田中は真剣な顔で聞き、ウインメタルに言った。
『分かった、ありがとう!大変だったんな。』
「うん、敵の戦闘データと採取した肉片のデータは後でそっちに送るから。」
『了解!今後も気をつけろよ!』
そうしてウインメタルは通信切った。すると横から再びアンドレイの通信が入る。
「なぁ、ウインメタル。」
「何?」
ウインメタルがアンドレイに聞き返す。
「お前、怖くないのか?」
「だから何が?」
「化物と戦うことだよ。こんな異国の地にあんな恐ろしい化物と戦うために単身乗り込んで来るなんて普通の人間に出来るわけがない。それに、戦いを見ても君からは不安や躊躇といった感情を全くと言っていい程感じなかった。一体なぜなんだ?」
「変なことを聞くね。僕は普通に生活したい。だからそれを乱す奴らを消し去りたいだけ。そのためにはどんなこともやるから。これじゃ、理由不足?」
「そ、そうか…。」
ウインメタルの回答にどうも腑に落ちない部分があったアンドレイだったが、今はそう言う事しかでなかった。
「お、もうすぐ警察署につくね。」
ウインメタルは少し嬉しそうにアンドレイ達に言う。
「ああ、戻ったら早速情報を整理だ!この事件、一刻も早く解決する必要がある!」
「了解!」
アンドレイの言葉にウインメタルも同意した。捜査班たちの車とその横を同じ速度で走るウインメタルは次々と警察署に到着。そして捜査員たちは車から降り、ウインメタルは彼らと共に中に入っていき、事件解決のための会議へと向かったのだった。
こんばんわ!
熱くなったり寒くなったり大変ですね。
こっちも結構大変なことになってますが…。
さぁ、アンドレイ達は何か新しい情報をつかめるのか?
続きはまた次回で書きます!
お楽しみに!




