第十三話 交錯
こんばんわ!
危うく更新し忘れるところでした(笑)
アンドレイの車の無線に怪物が出たとの緊急連絡が入り、捜査班及びウインメタルは出没現場であるユジノ大学へと急行していた。アンドレイは車を運転しながら苛立ち込めて言った。
「くそ、なんでこんなタイミングで?」
コウモリは普通夜中に活動するもので、今回、そしてその前に殺害されたという女子大生も夜中に襲撃を受けている。だから、昼に手がかりを掴み、夜に犯人捜索を計画していたが全て崩れてしまった。
「とにかく急ぐしかないでしょ。敵が現れたら倒すだけなんだから。」
苛立つアンドレイの一方、ウインメタルは至って冷静に言い放った。そうこうしているうちに捜査班とウインメタルは市内にあるユジノ大学へ到着。全員で校門から中に入ると目を疑うような光景が広まっていた。
「きゃぁぁ、化け物ぉ!」
「く、食われる!助けてくれぇ!」
広々としたキャンパスには逃げ惑う学生や教職員、そして血で真っ赤に染まった地面とすでに捕食されてしまったであろう人の手足などが散らばっていた。そしてその中心にいたのは…。
「こ、コウモリの化物だ!」
「どうやら、あれが今回の犯人みたいだね。」
焦るニコライの横で相変わらず落ち着いているウインメタル。彼らの目の前にいた犯人の姿に全員が驚きを隠せなかった。体長は4メートルはあろうと言う巨大。全身が黒い毛で覆われており、腕は翼になっている。足には鋭い4本の爪が生えており、尖った耳、キツネに似た長い顔には鋭い牙が生えている。確かに見た目はオオコウモリだが、もはや不気味な化物としか言いようがなかった。しかも一匹ではなく三匹もおり、地面で人々を襲撃しているのもいれば、嘲笑うかのように空を飛び回っているのもいる。
「よし、ハイパーサーチ!」
ウインメタルのバイサーが開き、解析が始まる。敵の正体及び弱点等をじっくりと探してみた。そしてウインメタルはバイザーを閉じ、話し始める。
「間違いない。例の2件の襲撃事件の犯人はあの三匹のうちの一匹だよ。でも、いきなり数を増やしてくるなんて、随分と卑怯なことしてくるね。」
「説明は分かった!でもとにかく相手を倒して学生のみんなを救出するのが先だ!各班、狙撃準備!発射!」
ウインメタルは冷静に話し、アンドレイは少し慌てた様子で捜査班全員に怪物の狙撃を指示した。全員ピストルを構え、三匹の化物向けて発砲し、何発か命中はした。しかし…。
「そ…。」
「そんなバカな!」
「効いてないなんて!」
捜査班の警官たちは唖然としていた。弾は命中したものの、三匹の怪物達はケロリとしている。それどころか、狙撃しかことによりかえって相手を刺激してしまい、三匹の標的が捜査班たちに移ってしまった。
「う、うわぁ!」
「く、来るな化物め!」
三匹の巨大コウモリは捜査班めがけて突っ込んでくる。二匹は地上を猛スピードで走り、一匹は空中からミサイルのように飛んできた。それでもアンドレイ達は発砲をやめることなく続けた。しかし効果があるはずもなく…。
「わぁァァ!」
空中にいた一匹がアンドレイを捕食しようと口を開けて突っ込んでくる。もうだめかと思ったその時…。グサッ!
「ギャァ!」
巨大コウモリが断末魔を上げたかと思うと、口から大量の血を吐きながら倒れて動かなくなってしまった。
「やれやれ、通常の武器が効かないのはさっきわかったはずなのに。」
呆然とするアンドレイの前にウインメタルが立っていた。彼は巨大コウモリがアンドレイに突っ込んでくる寸前でマキシムダガーを展開、喉の奥目掛けて思い切り突き刺していた。
「残りは二匹だね。僕は他のみんなと違って容赦しないから覚悟するんだね。」
ウインメタルは挑発しながらコウモリ向けてマキシムダガーを構える。そして猛スピードで走り出し、コウモリの一匹目掛けてマキシムダガーを振り下ろした。しかし相手もそう簡単にやられるわけはなく、あっさりとマキシムダガーを躱した。
「避けられたか。じゃあ、これはどう?」
ウインメタルはメタリックビュートを展開し、避けた巨大コウモリの足めがけて鎖付きの鉤爪を発射。鉤爪はコウモリの右足を掴み、そのままウインメタル残り元まで引き寄せられる。必死に逃げようともがき苦しむオオコウモリだったが…。
「昼間にコウモリは似合わないよ!喰らえ、メタルバレット!」
メタリックガンを構えたウインメタルはモードをマシンガンモードに切り替え、銃弾の雨をオオコウモリに浴びせた。オオコウモリは巨大な翼を含め全身が穴だらけになり、そこから大量の血を吹いて倒れてしまった。
「こ、これが…。」
「ウインメタルの力…。」
アンドレイとニコライはさっきまで自分達を命の危機に追い詰めた化物をいとも簡単に倒してしまうウインメタルに驚きを隠せなかった。
「最後はお前だ。覚悟しな。」
ウインメタルは空を飛んでいた残りの一匹にメタリックガンを突きつけて言い放った。しかし、相手も知能があったのか、ウインメタルを自分よりも強いもとのだと認識した途端、その巨体を翻し、上空へと逃げようとしていた。
「くそう、逃げちまう!」
「いくらなんでも、飛んで逃げられたらどうしようもない。」
アンドレイとニコライは悔しそうに地団駄踏みながら叫んだ。しかしウインメタルは相変わらず冷めた感じで二人に話しかける。
「待って、勝手に終わりにされるとこっちも困るんだけど。」
「だが、あんな高く飛ばれてしまったら…。今のうちには遠距離攻撃用の武器なんてないんだぞ。」
アンドレイはウインメタルに言う。しかしウインメタルは…。
「届かなきゃ、こっちが近づけばいいんでしょ?」
「ウインメタル、君は何を言っているんだ。」
ウインメタルの意図がニコライには理解出来なかった。そしてウインメタルが天を仰ぎながら嬉しそうに言い放つ。
「予想より早かったけど、ようやく新装備を使うことができるよ!行くぞ、メタルウイング!」
ウインメタルがそう叫ぶと、背中のアーマーが青白く光り始める。そしてその部分から何か長い物が横に伸びてきた。まるで蝶の羽化のように。
「これがメタルウイングか。初めて使うけど勝たせてもらうよ!」
光が収まった後のウインメタルの姿は明らかに先程と違っていた。何故ならその背中にはまるで鳥の翼のような物が生えており、アーマーと同じ白銀色に輝いている。これが今回田中が開発していた空中戦闘用の新装備、メタルウイングである。
「じゃあ行こうか。いざ大空へ!」
ウインメタルはそう言うと猛スピードで大空へ飛び上がり、オオコウモリを追いかけた。空中でハイパーサーチを使い、すぐにオオコウモリを補足すると右手にマキシムダガーをも展開した。
「これでもくらえ!」
ウインメタルは更にスピードを上げて猛スピードで飛ぶオオコウモリに斬りかかる。オオコウモリもそれに気づいて避けようとしたが、メタルウイングを展開したウインメタルのスピードには敵わず、片方の翼を切断されてしまった。
「まだいくよ!」
片翼を失い、地上へと落ちていくオオコウモリだが、ウインメタルはまだ攻撃を止めない。再びマキシムダガーを構えて猛スピードでも再度斬りかかる。そしてその瞬間、オオコウモリの首が胴体から切り離され、完全に沈黙をした。
「初の実戦だったけどね。メタルウイングは大成功でいいかな?」
ウインメタルは切り落としたオオコウモリの首を片手に抱え、覚めた様子で落ちていくオオコウモリの胴体を上空から見つめていた。
こんばんわ!
ついに新装備、メタルウイングが解禁です!
ちょっとウインメタルに空を飛んでほしくて考えちゃいました(笑)
さて、犯人はわかりましたが、まだ謎が多いですね。
事件の真相は何なのか?
それはまだ先のことですので、首を長くしてお待ちください!
それではまた次回!




