第百二十五話 海上の戦い
こんばんわ。
暑い、そして眠いです!
ここ数日、奈所の巨大物体による海難事故が世界各国で相次いでいる中、カリフォリニア沖での事件後にウインメタル達は直線距離にある青森県八戸沖に現れると予測。かなりの大ばくちで地元の漁業関係者も全く信じてくれなかったが、何とか説得して漁に同行。レーダーやソナーには何も反応が無かったが、それは突然現れた。
「まさか、本当に現れるとは。」
「クロノザウルスか。出来れば生きた化石にこんな形で出会いたくなかったな。」
驚く田中と戦闘態勢を整えるウインメタル。クロノザウルスは上半身だけを海面に出し、まるで直立しているかのような体制で、ウインメタル達を見下ろしている。
「あ、あんた達!早くその化け物をやっつけてくれ!」
「く、食われちまうよ!助けてくれ!」
漁師たちは完全に腰を抜かして怖気づいている。そして、分析を続けていたエリカが口を開いた。
「気をつけてください!詳細はまだ不明ですが、改造されています!」
「やっぱりか。何か人工物感があるって思ったらそう言うことか!」
エリカの説明にウインメタルも納得していた。現れたクロノサウルスは動きなどは自然の生物に近い動きをしていたものの、眼球や歯、鰭や胴体といった部分に明らかに人の手が加えられた跡が多く見受けられた。少しの間こう着状態が続いたが、遂にクロノザウルスが動き出した。
「ギィィィィィィィィン!」
鋭い牙をむき出しながら大きな口を開けて金属音の様な咆哮をあげたクロノザウルスは、まるで船ごと捕食しようとするかのように迫ってきた。
「ワァァァァァ!」
悲鳴を上げた漁師達。しかし、今回のケースは今まで襲撃された時と状況が違う。
「僕達がいる限り、死者は勿論、怪我人一人出させないよ!」
寸での所でウインメタルがクロノサウルスの顎を手で受け止め、そのまま持ち上げるように飛び上がった。ウインメタルのパワーに流石のクロノサウルスも少しではあるが後退している。
「田中さん、漁師さんたちを連れて港に戻って!エリカは援護を頼む!」
「分かった!」
「了解です。」
ウインメタルにそう言われて田中は漁師達と共に港に引き返し、エリカは海に飛び込んでウインメタルの援護に就いた。
「こんのぉ!」
ウインメタルはクロノサウルスの顎を強く押すように投げ飛ばし、メタリックガンを実弾モードにして相手を攻撃した。しかし…。
「ば、バカな!効いてないなんて…。」
ウインメタルが放った弾丸はすべて命中した。しかし、クロノサウルスには傷一つ付いておらず、尚もものすごいスピードで泳ぎながら再びウインメタルに襲いかかる。
「エリカ、高圧電流だ!」
「了解です。」
ウインメタルに言われてエリカは両手を前に出し、手のひらをクロノサウルスの方向へ向けてそのまま電流を流した。水中なので電導率は良くなっており、クロノサウルスも一瞬動きを止めた。しかし…。
「ギィィィィィン!」
大した効果は無く、再び咆哮をあげて今度はエリカに襲いかかってくる。今度ばかりはさすがにエリカも動揺していた。
「そんな…。これは計算外です。」
エリカの電子頭脳が予想外の出来事の連続によって処理が鈍っている上に、普段戦いなれていない水中にいる事もあって猛スピードで迫るクロノザウルスの回避には完全に間に合わないエリカだった。クロノサウルスはエリカを捕食しようとするかの如く大口を開けてエリカに接近するが…。
「エリカ危ない!」
ウインメタルは目にも止まらぬ速さでエリカとクロノサウルスの間に割って入った。すかさずマキシムダガーを展開しようとしたがここで悲劇が起きる…。
「うわっ、しまった!」
「ウインメタル!」
マキシムダガーを展開する前にクロノサウルスはウインメタルの腕に噛みついた。幸い装甲のお陰で腕を噛み切られることはなかったが、クロノサウルスの噛む力は非常に強く、ウインメタルが腕を引き抜こうとしても、口をこじ開けようとしても糧という事もありびくともしない。クロノサウルスはウインメタルの右腕に噛みついたまま沖の方向へと潜水し、ウインメタルを海中へ引きずり込んだ。
「くっ、僕を海中に引きずり込んでどうするつもりだ?」
クロノサウルスはどんどん深度を下げ、やがて日の光が届かなくなり、辺りは真っ暗になった。もっともウインメタルはバイサーの効果によって周りが昼間のように見えているのであまり意味はなかった。
「田中さんが改造してくれたおかげで水圧は問題ないけど、水中じゃこっちが不利だ。それにこんな所に居続けたらいずれエネルギー切れを起こして僕はやられる。」
状況が芳しくない中、何とか脱出方法を考えるウインメタル。そして、賭けだがある方法を思いついた。
「一か八かだ!サウンドブラスター!」
ウインメタルはサウンドブラスターを発動させ、超音波をクロノサウルスに浴びせた。自身は無かったが高周波を聞いたクロノサウルスは突然動きを止め、体をくねらせて暴れ始めた。そして、一瞬口が開いたのを見逃がさず、ウインメタルは脱出に成功。
「とりあえず、一旦引き挙げて対策を練らなきゃ!」
ウインメタルは猛スピードで元いた八戸沖に浮上していき、クロノサウルスの方も深海へと姿を消していったのだ。
こんばんわ!
夏バテのせいか、アイディアが中々思い浮かばなくなる事があるのですが、何とか頑張ります!
次回もお楽しみに1




