第百二十三話 消えた死体
こんばんわ!
ウインメタルの最後の事件が刻々と迫ってます!
「う…。ふぁぁ…。」
朝、隼人は布団から大あくびをしながらゆっくりと体を起こし、目を冷ました。洗面所へ向かって顔を洗い、寝間着から私服に着替えて、キッチンで目玉焼きを作り、白米とインスタント味噌汁を用意して朝食の準備を終えた。
「いただきます。」
隼人は朝食に橋を運び、TVをつけて朝のニュースを見る。ここまでは隼人のいつも通りの日常の始まりなのだが、次のニュースを見た瞬間まだ少し寝起きモードの隼人の頭は一気に覚醒した。
「速報です。日本時間の今日未明、オーストラリアカーペンタリア湾に打上げられていた古代海棲爬虫類、クロノサウルスの死体がなくなっていました。」
「何だって?!」
隼人は驚きのあまり、思わず立ち上がってしまった。隼人は立ち尽くしたままニュースを見続ける。
「現地メディアによると、海岸を散歩していた近所の女性が昨日まであった死体がなくなっていると警察に通報。駆けつけた警察が状況を確認すると、死体は跡形もなくなくなっていました。調査によると、死体が無くなった推定時刻は午前2時〜3時頃だそうですが、現場に足跡や死体を引きずった形跡などは残されておらず、何故短時間の間に死体が無くなったのかはわかっていない為、今後詳しい調査を続けるとの事です。」
「なんてこった…。」
ニュースを見た隼人は唖然とした。前日は田中やエリカ達と何故生き残っていたのか等ロマン溢れる会話をしたばかりなのに、どうしてこんなことが起きたのか頭が追いつかなかった。
「ちょっと残念だな。でも、これで済めばいいけど…。」
隼人は腑に落ちない気持ちのまま荷物をまとめて支度をし、家を出て大学に向かった。
-オーストラリアカーペンタリア湾 13:00(現地時間)-
「どうなってるんだ一体?」
「分かりません!ただ、波に引きずられて海に流されていないのは確かです!」
一方現地オーストラリアでは、古代生物の死体が一晩のうちに消失した事に衝撃を受け、朝から本格的な調査が続けられている。死体のサンプルを分析した地元の大学は勿論、警察や軍の関係者まで出動するほどの騒ぎにまで発展した。
「海に死体の一部が沈んでいるとかはなかったのか?」
「海中を捜索してみましたが、骨一本見つかってません。本当に満潮などで流されていないようです。」
砂浜一帯だけでなく、海中も水深20メートルの沖合まで潜って捜査をし、更に沖合をソナーなどで探索したものの、死体を発見する事は出来なかった。
「引きずって持っていた形跡もなし。じゃあ一体どうしてなくなったんだ?」
「不明です。ただ、自然に消失したとは考えられません。可能性としては、何者かが空中から吊り上げて持ち去ったとか…。」
「そんなバカな…一体誰が何のために?!」
懸命な調査も虚しく、捜査初日は全く手掛りを掴めなかった。
-日本 田中三郎の研究所 18:30(日本時間)-
放課後、隼人は田中の研究所に向かい、今回の死体消失に関する話をしていた。このニュースに関しては田中とエリカも驚いており、二人も何がなんだかさっぱり分からなかった。
「まさか、あんな巨大な物が一晩の内に無くなるとは信じられん。」
「映像から分析しましたが、死体は何者かが空中から吊るして持ち去ったと見て間違い無いでしょう。」
驚く田中と、冷静に分析結果を話したエリカ。そして、隼人はエリカに質問する。
「あれを持ち上げるには相当なパワー…ヘリ2機は必要だと思うけど、誰も気づかなかったのはどうしてだろう?普段人が少ないとしても、夜中にヘリ飛ばせば誰かしら気づく筈じゃない?」
「現時点では、私でも何を使用して死体を持ち去ったかは分かりません。ただ、空中から持ち去ったのは間違いないでしょう。」
「じゃあ、その死体はどこにあるの?」
「生体反応が無いので追跡不可能です。位置を特定できません。」
エリカの言葉に隼人はがっくりと肩を落とす。そして、田中は深刻な顔で考え込んだ後、二人に声を掛ける。
「隼人、エリカ。もしかしたらこれは大事件の前触れかもしれない。心の備えは忘れないでくれ。」
「分かった。」
「了解です。」
田中の言葉に隼人とエリカは半信半疑になりながらも頷いた。そして、その田中の予感は最悪の形で現れることになると、誰が気づいたであろう。
こんばんわ!
とんでもない事が起きてしまいましたね。
田中の言うとんでもない事とはどんな事でしょうか?
次回をお楽しみに!




