第百十六話 悪夢の入り口
こんにちわ!
暑いです、とにかく暑いです…。
…以上です、ごめんなさい。
ウインメタル達はまだ調査をしていなかった、屋敷の裏側にある離れを調べることにした。全員屋敷の幽霊たちばかりに気を取られており、そこまで目が向いていなかった。何の為に作られたのは定かではないが、屋敷内部をほぼ探しつくして見つからないということは、霊道はそこにあるかも知れない。そう踏んだウインメタルはエリカと共に離れに向かい、万が一の為に田中とアーニャは庭に残って通信しながら指示をすることになった。ウインメタルとエリカは離れの前に立つと、その何とも言えない雰囲気に息を飲んだ。
「随分ボロボロだな。屋敷と違ってこっちは長年放置されていたみたいだね。」
「測定しましたが、鳩河原氏が亡くなられて以降、誰かが手を加えたり、中に入り込んだ形跡はありません。」
「ただ単に目を向けられなかったか、もしくは誰も寄せ付けなかったか…。」
ウインメタルがそう呟くと、田中から通信が入る。
「二人とも、聞こえるか?離れから、とてつも無いエネルギーの波長をキャッチした。気をつけろよ!」
「僕達も観測したよ。これはちょっと一筋縄じゃいかなそうだね。」
「エネルギーが強く、ここに霊道の入り口がある確率は90%。行きましょう。」
田中の言葉を受けた二人は慎重に離れの中に入ろうとしたが…。
「ウヮヮヮヮ!!!」
ものすごい唸り声が聞こえたかと思えば、着物を着ているものの顔が崩れて男か女かも分からない幽霊が、不気味な唸り声を上げながら二人に掴みかかってきた。
「ステルスライサー!」
ウインメタルはステルスライサーを発射し、あっという間に体をバラバラにされた幽霊はそのまま消えてしまった。
「どうやらビンゴの様だね。」
「ええ、中に入りましょう。」
二人はそのままななれの扉を開け、中に入った。木造であるこの離れは長年放置された影響で全体がボロボロになっており、ドアも蝶番が錆びていたために明けた際にギィィィ、という不気味な音を響かせた。日当たりが悪く真っ暗な内部だったが、二人ともバイサーを暗視モニターに切り替えたので昼間と同じようにはっきり見える。
「ずいぶん荒れているな。でも、邪悪なエネルギーが部屋全体を包み込んでいる。」
「このどこかに霊道の入り口があることはほぼ確定しているのですが。」
二人は必死で霊道の入り口を探した。離れの広さはおよそ20畳前後、構造上はただの平屋なので一見して探すのには苦労しなさそうだった。しかし、物置として使われたまま放置されたのか障害物も散乱しており、動きづらい部分も見受けられた。さらに、二人を待ち受けていた仕打ちが…。
「うっ。何だ?」
ウインメタルは突如足を掴まれたような感覚を覚え、ふと下を見る。するとそこには夥しい量の手がウインメタルの両足を掴み、動きを止めたいた。
「拒むと言うのか、僕達を!」
ウインメタルはメタルウイングを展開して宙に浮くようにしながら足を掴んでいた手を振り払った。しかし、その直後にまた刺客が現れる。
「なんだ貴様は?」
天井から逆さづりのように現れた着物を着た男性の幽霊がウインメタルを睨みつけていた。肌は茶色く薄汚れて体も痩せこけており、身体の一部が白骨化している。幽霊はウインメタルの声に反応したのかいきなり手を伸ばして逆さに浮いたままウインメタルの首を掴む。
「うぐっ!」
「コロス、コロス、コロス!」
男の幽霊はウインメタルの首を人間離れした怪力で締め上げた。アーマーを着けているので体へのダメージは大したことはないが、異常を知らせるメッセージがウインメタルのバイサーに表示される。
「ウインメタル、大丈夫ですか?」
「エリカ!大丈夫だけど、これはちょっと予想外だね。」
エリカはウインメタルに声をかける。ウインメタルは万事休すかと思われたが、アーマーのパワーをフルに使い、幽霊に手を振りほどいた。
「お返しだ!」
ウインメタルはすかさずマキシムダガーを展開し、幽霊をバラバラに切り刻んでしまった。
「ふう、ここの幽霊たちは屋敷のやつらよりも邪悪だな。」
「エネルギー反応が先ほどよりも強まっています。離れの中は悪霊で固められているようですね。」
「どの道さっさと片付けないと事態はまずくなるかも、急ごう!」
「畏まりました。」
ウインメタルとエリカは気を取り直して内部の捜索を続けた。その間も中にあるものが飛びまわったり、四方八方から笑いgぺが聞こえてきたりなどの怪現象が起きたが、二人は気にせずに調査を続ける。するとウインメタルがある物を発見した。
「よいしょっと。ん、何だこれ?」
大きな壺をどけたウインメタルは、その下に正方形の線があるのを見つけた。試しにハイパーサーチをかけて見ると…。
「エリカ、ちょっと来てくれ!」
「はい!」
ウインメタルは何かに気がつき、エリカを呼んだ。
「ウインメタル、どうしました?!」
「エリカ。この下に地下の空洞に続いている縦穴がある。恐らくだけど何かあるよ。」
「エネルギー反応あり。もしかしてここがゴーストロードの入り口でしょうか?」
「そうかも知れない。」
ウインメタルはそれだけ言うと、外で待機している田中とアーニャに連絡を取る。
「ウインメタル?どうしたの?何かあった?」
出たのはアーニャだった。
「地価の空洞に続く縦穴を発見した。エネルギー反応もあるから恐らくこの先に霊道がある。」
「え、マジで?それ以外に何かある?」
「いや、まだ中に入ってないから分からない。」
ウインメタルがそれを伝えると、今度は田中が出た。
「ウインメタル、エリカ。そこから先は我々の想像を超えるほど恐ろしいものが待ち受けているかもしれない。行くならば気をつけていけ。」
田中は何か危険なことを察し、二人を心配するようにそう声をかけた。しかし、二人の覚悟はもう決まっていた。
「大丈夫だよ。僕達は宇宙からだって戻ってきたんだ。霊道ごときに怖気づくつもりはないよ。」
「放置すればさらなる事態の悪化は免れないでしょう。今ここで解決した方が賢明です。」
二人はそれぞれの気持ちを田中とアーニャに伝え、床を開けて謎の地価の空洞へと降りて行ったのだった。
こんにちわ。
いよいよ幽霊屋敷編もラストスパート。
果たして二人を待ち受けているものとは?
次回もお楽しみに!




