第百十一話 ヒーロー家を買う
こんばんわ!
ゴールデンウィークも終盤!
執筆頑張ります!
ウインメタルとエリカは、幽霊屋敷を売りに出しているしなの不動産の店員、平原と滋野に連れられて物件の内部を見学していた。その間も幽霊が多数現れたり、不気味な笑い声が響き渡ったりと怪奇現象が発生したのだが、ウインメタルはこの物件を買いたいと言い出したのだ。当残ながら平原も滋野もポカンとしている。
「い、今なんと?」
「言ったでしょ?この幽霊屋敷は僕が買いますから。お金はあるんで大丈夫ですよ。」
平原の問いにウインメタルはサラッと答えた。当然ながらその場にいた全員が驚いている。
「え?ほ、本当にいいんですか?」
「勿論です。一日やそこらで解決する問題じゃないですし、それに買い手が無くて困っていたのでしょう?これで僕はじっくり詳しく調査が出来ますし、そちらはお荷物物件を手放せる。お互いに損はないと思いますが。」
滋野も思わず訊き返した。事件を早急に解決できることに越したことはないが、幽霊が予想以上に多く調査に時間を要することをウインメタルは悟った。それならいっそのこと購入した方が好きなように調べられると踏んだのだ。平原と滋野は顔を見合せながら悩んだが、ウインメタルの本気で事件を解決したいという思いが伝わり、心を決めたのだった。
「畏まりました。ご購入ありがとうございます。」
「購入に関する手続きを行いますので、一度店に戻りましょう。」
平原と滋野は二人を外に案内し、店に戻って手続きの準備をすることにした。
「ウインメタル。これでよろしいのでしょうか?」
「大丈夫。本当は少し借りて調べるつもりだったけど、これで破損や汚損を気にしなくて済むから。」
エリカの問いにもウインメタルは自信満々にそう答えたのだった。
翌日。
「は、隼人。まさか本当に買うとは。」
「これが一番手っ取り早いんだよね、正直。」
一日遅れて二人に合流した田中は、隼人に案内された屋敷を前に呆気に取られている。隼人は無茶ばかりしていたが、まさか家を買うとは思っていなかったようだ。田中は隼人に中を案内されながら、一番聞きたかった事を聞いた。
「所で隼人。一括で買ったと聞いたんだが、お金はどうしたんだ?」
「サハリンのバイオビースト事件を解決した時に、謝礼金として日本円で200万円貰ったからそれを当てた。」
隼人は謝礼金をもらったはいいが、使い道が分からず困っていた。まさかそのお金で家を買うとは誰が思ったであろう。こうして難なく屋敷を購入した隼人は、詳しく調べるために早速次の日から屋敷に住むことを決めた。ただし、半年以上放置された影響で埃だらけになっていたので清掃は必要なのだが。1階のリビングに案内された田中はとりあえず荷物を置き、二人から状況を聞いた。
「隼人、エリカ。事情は分かった。実際のところ、この屋敷はどんな感じなんだ?」
その質問にエリカが答える。
「以前住んでいた方にもお伺いしましたが、毎日必ずと言っていいほど幽霊が出現します。分析をかけましたが、今も幽霊の物と思われるエネルギー反応が複数確認できます。」
エリカに続き、隼人も答える。
「ただ幽霊が出てきて住人が怖がる程度だったらまだ楽だったんだけど、お坊さんの幽霊が出て窓ガラスを割ったり、この屋敷で犬を飼うと必ず飼い始めた次の日に変死しているから、被害が悪化しないためにも原因を突き止める必要があるね。」
二人から話を聞いた田中は、コクリと頷きながら言った。
「そうか。分かった。私も実態を詳しく知りたいからここに泊まろう。」
「ありがとう、田中さん。ちょっと汚いけど、家具は最低限揃っているし足りないものも僕で賄える。掃除すれば普通に住めるはずだから。」
隼人は田中にそう言い、エリカと共に部屋の埃払いや雑巾掛けを始めようとした。その時だった。
「ん、何だあれは?」
田中が窓の方を指さしながら言った。そこにはカーテンの前にたたずむスーツを着た首のない男が立っていた。首なし男は特に何かをしてくる訳ではなかったが、ふらふらと自分の首を探すかの如く隼人達に近づいてきた。
「反応あり。幽霊です。」
「この辺で自殺したサラリーマンの幽霊かな?本当によく出るね。」
エリカと隼人は冷静に幽霊を見ていたが、田中は少し驚いている。
「まさか、こんなにあっさり出るとは。これじゃあ、普通の人はたまったもんじゃないな。」
3人がそう言っている間にう美なし男の幽霊はスーッと消えてしまった。
「まあいいや。とりあえず掃除だけやっちゃおう。」
隼人がそう言うと、エリカと田中も掃除道具を持って屋敷の中を清掃したのだった。
その夜。
「じゃあ、夕飯にしよう。」
「今日はお疲れだったな。」
「全く。幽霊に邪魔されたせいで時間が掛かっちゃった。」
鍋に火をかけながら文句を言う隼人。屋敷は広いのでただでさえ清掃に時間がかかる上、やはり幽霊は絶え間なく現れた。隼人が床を雑巾掛けしていると、いきなり手だけの幽霊が出てきて足を掴んで邪魔をしたり、窓を拭いていると大量の血の手形が現れてやり直しになったり、棚を整理していると物がひとりでに飛び回って床に散乱したりと苦労ばかりだった。
「本日確認できた幽霊の反応は23個。しかし、この屋敷に集結する理由も、どこから集まってくるのかは特定できません。」
「まあ、そう簡単には行かないよね。」
エリカの言葉に溜息交じりで答える隼人。疲れ切った隼人を田中は労った。
「まあ、幽霊屋敷でくつろげって言うのもあれだが、今夜はゆっくり休もう。じゃなきゃこの先持たないぞ。」
「うん、分かったよ田中さん。」
こうして隼人達の幽霊屋敷での奇妙な生活が始まったのだった。
こんばんわ。
幽霊屋敷に自ら住むという、隼人の今日心臓ぶりが発揮されました。
さあ、幽霊屋敷での生活はいかがなものか?
次回をお楽しみに!




