第百七話 隼人、長野に行く
こんばんわ!
暑くなったり寒くなったり忙しいですね…。
レイダー星から地球に帰還後、ゲラウスとの戦闘に加えて学校を休んだ分の遅れを取り戻そうと勉学に勤しんでいた隼人はすっかり疲れ切っていたが、なんとかその週を乗り切り、無事に休日を迎えた。ゆっくり眠るつもりだったが早めに目が覚めてしまい、やむを得ず朝のニュースを見ながら買い置きしていたコンビニのパンを食べる。その後も本を読みながらゴロゴロしていた隼人だったが、突如連絡用端末が鳴り響いた。
「もしもし、田中さん?」
「おお、隼人。今何していた?」
「もうすっかり疲れたから、家で本読みながらのんびりしていたよ。」
まだ半分寝ボケたような口調で答えた隼人に対し、田中は少し申し訳なさそうに言った。
「お疲れの所すまない。今すぐ来てくれないか?」
「どうしたの?怪獣でも出たの?」
隼人はまだ寝ぼけたように答えた。
「訳は後で話す。とにかく来てくれ!」
「分かった。ちょっと待っててね。」
隼人は疲れ切った体のまま立ち上がり、パジャマから着替えて研究所に向かうために家を出た。
「おはよー、田中さん。エリカ。」
「おう、おはよう隼人。」
「おはようございます。」
寝ぐせだらけのまま隼人は研究所に入ってきた。田中とエリカは隼人に理由を説明する。
「実は、似たような依頼が何件もうちの研究所に入ってきていてね。」
「ただ事ではないと思って、私達も調べてみようと思いまして。」
田中とエリカの表情からして隼人も良くないことを予感していた。
「で、どういう依頼なの?」
隼人はは二人に質問をした。田中はその質問に真剣な表情で答える。
「長野県上田市にある屋敷で幽霊が出続けている件だ。」
「ああ、そのことね。友達がこの前心霊特番で取り上げてたって言ってたよ。僕は見てなかったから詳しくは分からないけど。」
隼人は依然広人から聞いた話を思い出した。まさかその件でウインメタルの出動要請が来るとは思っていなかったが。
「以前から色々な噂があったようですが、この間のテレビ放送が反響を呼び、これを機に地元住人から何とかしてほしいという依頼が私達に入ってきました。実際死亡事件も起きているわけですし。」
エリカが説明した。ここで隼人は一つ疑問に思う。
「そんなに危ない物件なのになんで買う人がいるんだろう?」
「なんでも、広い庭付きで7LDKの三階建てにもかかわらず200万円というとんでもない安さで売りに出されているそうだ。だから、違う街から引っ越してきた人が知らずに手を出してしまうと聞いている。最後に住んでいた夫婦が半年前に出てって以来空き家になっているそうだが。」
田中がそう説明した。しかし、隼人もまだ引っかかる事がいっぱいあった。
「困ってる人がいっぱいいるなら助けるけど、幽霊相手に具体的にどうすればいいの?幽霊退治なら一回だけやったことあるけど。」
隼人は以前、夜中の大学に出現する女性の幽霊と戦った事がある。その時はエナジーバスターを使い、幽霊を構成するエネルギーその者を破壊して消滅させる方法で勝利をおさめた。
「怪奇現象はともかく、あそこには間違いなく何かある。怪現象の原因を突き止めて市民の方々に安心して貰おう。」
「なるほどね。分かった。」
田中の説明に隼人も納得したようだった。
「よし、それじゃあ隼人とエリカは明日の朝、先に現場に向かってくれ。私は後日合流する。」
「「了解。」」
こうして3人は幽霊屋敷の調査をすることを決めたのだった。
翌日。
「じゃあ、先に行ってくるね。」
「分かった。気を付けてくれ。」
朝の東京駅で隼人は田中に電話をかけていた。時刻は午前6時15分。この後発車する金沢行きの北陸新幹線に乗り、例の幽霊屋敷がある上田を目指す。隣にはエリカの姿もある。電話を切り、入線してきた新幹線に乗り込んだ隼人とエリカは、正体不明の敵に不安になりながらも上田へと向かったのだった。
およそ1時間半後…。
「隼人、起きてください!着きましたよ!」
「うう…。あ、もう着いたの?!いけない、いけない!」
新幹線に乗り込んだ隼人だったが、椅子に着いてすぐに日ごろの疲れが込み上げてきたのか完全に熟睡していた。隣の席に座っていたエリカに起こされて新幹線を降り、二人は無事上田の地に到着したのだった。改札を出て駅の外に出ると、眩しい朝日が辺りを照らし、多くの通勤通学客とすれ違う。
「いい天気だな。これが僕達にとっての天の恵みになるといいんだけど。」
「私はこのような心霊現象には疎いものなので、これを機にデータを収集したいと思っております。」
「まあいいや、とにかく行こうか。」
エリカにそう言った隼人は、人込みをかき分けて例のお屋敷へと向かったのだった。
こんばんわ。
今回心霊ネタを入れた理由は、第2話で書いた教室の幽霊の件を無駄エピソードにしたくなかったからです。
この章で活かせると思ったのでよかったです。
それではまた次回!




