第百二話 恐るべき実態
おはようございます!
ゲラウスへ向かうウインメタル達。
果たしてどんな事が待ち受けているのか?
ルーンが運転する乗り物でゲラウスのいるグラーセスへ向かおうとしていたウインメタル達であったが、途中で巡回していた政府に見つかってしまった。投降を促されたが同意しなかったため攻撃を受けたものの、ウインメタルの怒りの変身と猛攻で撃墜。政府達を振り切り自身の思いとレイダー星の危機に関して政府に訴えたウインメタルは再びルーン達に合流し、気を取り直してゲラウスを目指した。
「し、しかし凄いわね。この星の最新気鋭相手に一人でみんな撃墜しちゃうなんて。地球の科学力も馬鹿に出来ないわ。」
「僕達はあれと勝負する前にUFOと勝負してるからね。まあ、結局捕まってこの星にいるわけだけれども、このまま地球に帰れないまま処刑されるなんて嫌だから。」
感心するルーンに対し、ウインメタルは自虐を交えてそう答えた。その後、政府の行動隊は追ってくる気配も無く、ルーンのマシーンも特に故障もしないまま順調にグラーセスへと向かっていた。
「そう言えば、この星って、海や川が全然見当たらないけど水とかどうしているの?」
ウインメタルはふと思った疑問をルーンに聞いた。確かに先程までウインメタルとエリカが拘束されていたローグーンや今向かっているグラーセス周辺は砂漠に近い風景で海や川らしきものはなく、黒い石みたいなものが点々としている殺風景な感じだった。
「水はあるわよ。ここは北半球だから海見たいに大量の水は無いけど。」
「北半球だからというのはどういうことでしょうか?」
今度はエリカが疑問に思い、ルーンに質問した。
「レイダー星は北半球が陸地、南半球が海に完全に分かれているの。だから水を利用する場合は南半球から引いて来ているわ。」
「地球とは全然違うんですね。」
「地球はどうなの?」
ルーンの方も気になったのか質問してきた。
「地球の表面はおよそ七割が海です。そして陸の方も地域によって環境は様々です。文明ではこちらの星に敵いませんが、生態系の多様性は誇れると思います。ただ、こちらほどではないですけれどやはり文明が発展するに従って環境汚染も深刻になってきているので、真剣に改善に取り組もうとしている所です。」
「凄いわね。全体の7割が海なんて。やっぱりこことは全然違うのね。」
ルーンはエリカの説明に感心しながら楽しそうにそう言った。そして、ウインメタル一行は順調にグラーセスに向かって進んでいる。
「なんか、だんだん殺風景になってきたね。人どころか生物の気配も全くしないな。」
「ゲラウスが現れてからは付近の住民は死に絶えたり、疎開したわ。もう結構ゲラウスに近づいたからこの辺はもう死の世界と言っても過言ではないわ。」
「死の世界か。恐ろしいな。」
ルーンの話を聞いたウインメタルは複雑な思いでそう呟いた。今日も、地球温暖化や環境汚染は深刻な問題になっている。近代に入って人が原因で絶滅した動植物も多く、環境保護を訴える人もいるのだが、多くの人が無関心で改善に前向きとは言い難い。もし、ゲラウスみたいなのが現れなくても地球の環境汚染が絶望的なまでに深刻になったらどうなるのだろう、そうなった時に自分に何が出来るのだろう。おう悩むウインメタルだった。そうこうしているうちに、殺風景な砂漠のような場所の前方に何か黒い影の様な物が見えてきた。
「着いたわ。あれがグラーセスよ。」
ルーンがそう言った。ついに全ての元凶がいるグラーセスが見えてきたのだった。遠くから見ても異様な雰囲気を放つグラーセスを目の前に、ウインメタルとエリカは気合と緊張がいる混じりながらも戦闘態勢、そして心の準備を整えようとしていた。ルーンの乗り物はどんどんとグラーセスに近づき、とうとう瓦礫の山が並ぶ道の横を抜け、グラーセスの町に入ったのだった。
「これは…。」
「想像はしていたけど、ひどいな。」
エリカとウインメタルは思わず声を漏らしてしまった。かつては工業都市として栄えていた面影はなく、朽ち果てた建物の廃墟だけが立ち並ぶまるで地獄のような世界だった。
「どう?驚いたでしょ?ゲラウスが現れたせいで町はこんなふうに死に絶えた。それくらい恐ろしい奴なの。それでも二人は戦うの?」
ルーンが複雑な気持ちが入り混じったトーンでウインメタルとエリカに聞いた。
「当然です。」
「言ったでしょ?このまま地球に帰るわけにはいかないって。もちろんやるよ。」
現実を知ってもエリカとウインメタルの気持ちは変わらなかった。そして、二人の気持ちを知ったルーンの方も頷きながらマシーンを加速させた。そして、遂に運命の時が来たのだった。
「あれよ。ここから先は毒粒子の濃度が濃くて私達は行けない。申し訳ないけど、二人で頑張って。健闘を祈るわ。」
「ありがとう。必ず倒してくるから。」
「私達を信じてください。」
ウインメタルとエリカはそれだけ言ってマシーンを降りた。
「どれどれ?至近距離で放出される高濃度毒粒子はどんな感じなんだ?」
ウインメタルは試しに頭部装甲を脱いでみる。
「うわっ。煙臭っ!いくら地球人には効かないって言ってもこれじゃあ鼻がひん曲がるよ!」
慌てて頭部装甲をつけ直すウインメタル。その横でエリカが言った。
「遂に来てしまいましたね。」
「うん。でも、これは予想以上の化物だね。」
ゲラウスを目の当たりにした二人は息を飲みながらそう言った。丸でキノコや樹木を思わせるような形、紫がかった黒色という毒々しい色、全長は200mはあろうかという巨体は植物なのか動物なのかもわからない。さらにそこからは職種と思しき長い物が数本生えており不気味に蠢いている。
「もう後戻りはできない!とにかくこいつを倒そう、エリカ!」
「了解です!行きましょう!」
ウインメタルとエリカは気合いっぱいにゲラウスに向かった。星の運命が掛かった戦いの火蓋が切って落とされたのだった。
おはようございます!
ついに姿を現したゲラウス。
果たして二人は勝てるのか?
次回もお楽しみに!




