第百一話 ゲラウスを目指せ
こんばんわ!
前回は地球サイドの話でした。
今回はレイダー星サイドの話です。
ルーン達からゲラウスに関する情報を得た隼人とエリカは、早速その場所へ向かおうと準備を始めていた。そのために今、二人はアーマーや武器、解析システムや合体プログラムの最終調整を行っている。
「よし。メタリックーアマー、メタルウイング、マキシムダガーやメタリックガンは異状なしだ。エリカ、そっちはどう?」
「各解析システム及びエネルギー変換システム、合体プログラム異常なしです。」
「よし、これでゲラウスとも戦えるね。気合入れていこう!」
「畏まりました!」
やる気満々な二人を見て、レイダー星人達は少し圧倒されている。
「あの二人…。」
「本気でやる気だよ…。」
「でも、ひょっとしたらもしかして…。」
「やっちゃいそうだな…。」
一方のルーンの方も出発の準備を進めていた。
「ふう、これでよし。じゃあみんな、行くわよ!」
ルーンが整備していたのはこの星では割と一般的である空中浮遊型の乗り物で、地球の乗り物で例えるとタイヤのないワゴン車といった感じだった。古い物なので塗装が所々剥がれているが、動力システムなどに目立った損傷は無く、ルーンの整備のお陰もあって移動に関しても支障はなくなった。整備が終わった乗り物に隼人達が次々と乗り込んでいく。七人全員が乗り込んだ所でルーンはマシンを発進させた。
「で、そのゲラウスがある場所ってどんな所なの?」
隼人はそう質問し、ルーンが答えた。
「昔はグラーセスって言う工業都市があって、それなりに人口も多くて栄えていたわ。だけどゲラウスが現れてから毒粒子の影響で人々は大半が死滅。生き残った人達も別の町に逃げて、すっかり廃屋だらけのゴーストタウンって感じかしら。」
「そう言えば、さっき僕達がいた町はどんな所なの?政府に追いかけられたけど。」
「あそこは行政の町、ローグーンよ。政府関係の建物が多くてこの世界じゃ最大規模の都市。因みに私が脱走した女性の保護施設もあの町の外れにあるわ。」
「そんな近くにいて良く今まで逃げきれたね。この車があるならもっと遠くまで逃げられたはずなのに。」
「私は仲間たちが匿ってくれたから。それに灯台もと暗しって言うでしょ?これだってつい最近手に入ったばっかりだし。旧式だけど。」
話を聞いていて、隼人は見た目や種族、住んでいる星星は違えど知恵や言葉があるという点では人間と何も変わらないと思った。最初は無差別に地球人女性を殺害して実験台にするレイダー星人を許せなかったが、こうしてルーンと接し、レイダー星の事情を聴いた後では、悪いのは全て政府であり、大半のレイダー星人は悪くない、だからゲラウスを倒してみんなを救いたいと強く思っている。
「このペースで行けば、後4時間ほどでゲラウスのいるグラーセスに到着します。」
「よし。とにかくそのゲラウスを倒して早く地球に帰ろう!」
エリカの言葉に気合満々で隼人が答えた。ルーンが操縦するマシーンも特に故障などもせず、順調にグラーセス目指して飛んでいた。しかし、そこに予期せぬ刺客が現れた。
「そこのマシーン止まりなさい!」
「波形観測器があるからお前達がそこにいるのは分かってるんだぞ!」
「大人しく投降しろ、地球人と木偶人形!」
数台のマシーンが追って来て、隼人達に降りるように催促してきた。勿論政府のレイダー星人である。
「まずいな。どうしてバレたんだ?」
「波形観測器と仰っていましたから、恐らく隼人の持っている地球人特有の生体反応を読み取られたのでしょう。」
エリカの説明に隼人は少し動揺している。すると、同じく政府から逃げる身であるルーンは力強く言葉を放った。
「このまま逃げるわよ!ゲラウスの近くまで持てば流石に奴らも追ってこないわ!」
そう言ってマシーンの速度を上げた。しかし、それで諦める政府ではなかった。
「逃げるのか、よーし撃て!」
「「了解!」」
隊長格のレイダー星人の指示で、他のマシーンから発射光みたいなものが出てきてルーンのマシーンにビームの雨を浴びせる。
「きゃあ!」
ルーンは悲鳴を上げ、マシーンもバランスを崩して内部が大きく揺れる。頭に来た隼人は政府のマシーンの方を向いて叫んだ!
「やめろ!僕達はこれからゲラウスを倒しに行くんだぞ!邪魔しないでよ!」
隼人は大声でそう怒鳴ったが、相手の攻撃がやむ気配はない。ルーンが必死で攻撃を避けているお陰で何とかノーダメージで来ているが、このままではいつ撃墜されてもおかしくない。全く効く耳を持たない政府に対し、隼人の怒りは頂点に達した。
「もう怒った!このままじゃやられる!装甲起動!」
隼人はウインメタルに変身し、ハッチを開けて身を乗り出した。
「ウインメタル、どうするつもりですか?」
「アホな政府の連中共を黙らせてくる!」
エリカに対してウインメタルは少し苛立ちを含ませた口調で答えた。
「無茶です!4対1な上、向こうの技術は地球よりも進んでいるんですよ!」
「そんなの分かってる!だけどハイテクだって言っても所詮はあの時のUFOより弱いんでしょ!」
ウインメタルはエリカの制止を振り切ってそのままメタルウイングを広げて政府のマシーン部隊へと飛んで行った。案の定政府のマシーンはウインメタルにビーム攻撃を浴びせるが…。
「そんなんじゃ僕はやられないよ!リフレクトモード!」
向かってきたビームをリフレクトモードで跳ね返し、一番先頭を走っていたマシーンに直撃した。
「わあっ!」
先頭のマシーンは煙を噴きながら地面へと落ちて行った。それでも残ったマシーン達の攻撃は止まらない。
「しつこいね!次はお前だ!」
そう言ってメタリックガンからジェルを発射し、砲撃を封じる。
「これでも食らえ!」
そのままビームモード切り換えて機体にビームを打ち込んだ。
「何だ、一体どうなってんだ?」
政府のレイダー星人達は何が起こっているのか理解できないでいた。残っているのは後2機であるが…。
「両方まとめてやっつけてやる!」
「ふん、ほざけ!いずれにせよお前が不利なのは変わらないぞ!」
「それはどうかな?」
ウインメタルがそう言った直後、残った2機のマシーンが両方とも真っ二つに切断されてしまった。
「残念でした。僕を甘く見るからだよ!」
ウインメタルは残りの2機のマシーンと向き合った直後にステルスライサーを発射していたのだった。流石の相手もこれには不意を突かれたのか、未だに何が起こったのか理解できないでいた。
「クソ、何なんだあいつは!」
「化物め!」
「下等種族のくせに!」
状況が受け入れられずにいいたい放題言う政府達に、ウインメタルは大声で叫んだ。
「よく聞いて!君達は僕とエリカを拘束して処刑するつもりだろうけど、そんなことしたら君達は間違いなく滅ぶよ!僕達はこれから全ての元凶ゲラウスを倒しに行くけど、奴は毒粒子をばら撒くんだってね。今もこの空気に微量が含まれていて君達の染色体や細胞を狂わせているみたいだけど、地球人の僕には全く効いてないよ。だから、僕を処刑したら誰もゲラウスが倒せないし、間違いなくこの星は終わる!それでもいいんだったら、どうぞ僕達を処刑したら?それと、上の連中にも伝えるんだよ!地球人をなめるなってね!じゃあ!」
ウインメタルは今までたまった鬱憤をすべて吐き出すように叫び、そのままルーン達の所へ戻って行った。政府のレイダー星人達はその様子をただただ茫然と見送るしかなかった。
こんばんわ!
久々の戦闘シーンでした。
そして、ゲラウスの実態についても気になりますが…。
次回もお楽しみに!




