7.体調を崩した時は、アレをするものですよね?
昼と夜の寒暖差が激しく、体調を崩す人たちが多くなる日が続いている。
しかし、魔界は全く関係がない。
なぜなら、魔界の住人たちの魔力を使って季節による寒暖差を魔界全土において全く受け付けないようにしているからだそうだ。
なので、魔界は年中過ごしやすい温度に設定されているらしい。
仕組み?説明してもらったが、難しくてよく分からない。
魔法の理を理解しない私には、さっぱりだ。
とりあえず、『物語のご都合主義のようなもの』でいいだろう。
聖女(嘲笑)たち一行による『魔王様を倒す旅(笑)』は、どうやら順調に行ってないようだ。
というのは、旅(笑)の途中で寄る村や国に多大な迷惑をかけているからだ。
彼らが、旅(笑)を始めた頃は人間界全体で歓迎して国を挙げての豪華な歓迎会や村でも好意的迎えられた。
だがしかし、聖女(嘲笑)をはじめとした取巻きたちは特権階級の人間だ。
これが当たり前のことだと思い込み、次第に横柄な態度や目に余る我儘を言い始めて周りを辟易させたのだ。
聖女(嘲笑)一行たちの旅(笑)の様子は、人間界では珍しくかなり早く噂が浸透した。
自国や出身村に迷惑がかからないようにしたい商人たちが、聖女(嘲笑)一行たちの噂話を持ち運び。
それが、聖女(嘲笑)を召喚した国が対策もままならないうちに噂が広まっていったのだ。
もちろん、私を含む魔界の住人達もその噂を流すのに暗躍した。
人間界の商人たちに扮して、人間界の商人たちが滅多に立ち寄らない辺境の村々にまで抜かりなく全力で噂を流したのだ。
これにより、聖女(嘲笑)たちが寄る村が一時的に消失したり、人っ子一人いなくなる現象が起きた。
黒幕たちは誰か言わなくても分かるだろう。
ただ、この素敵イベントを聖女(嘲笑)の取巻きたちは全く生かさなかった。残念なことだ。
この素敵イベントをうまく生かせれば、脳内お花畑な聖女(嘲笑)の好感度を爆上げできたというのに。
それさえ思い至らないとは嘆かわしいことだ。
それにしても、聖女(嘲笑)は取巻きたちの好感度が全く下がらない。
不平不満を取巻きたちに連発して漏らしているにも関わらずだ。謎である。
元の世界で、『お花畑』と蔑み呼ばれる彼女はもしかしたら『チョロイン』の素質があるのではないか?
本日の聖女(嘲笑)たち一行の様子を見てみると、防寒が足りないようだ。
元の世界ほど技術が発達してない国だから、仕方ない。
それでも、防寒着を必要以上に重ね着した聖女は、ダルマか雪だるまにしか見えない。現在、顔の修復中である聖女(嘲笑)は顔の防寒に関しては問題ないので、その分助かっていることだろう。
そう考えれば、立派な歩く雪だるまだな。
そして、聖女たちの取巻きたちはなぜかいつもより顔色が優れない。
寒すぎるせいだろうか?
そんな寒い日が続く中、とうとう聖女(嘲笑)は体調を崩し熱を出した。
運悪く、途中で立ち寄るはずだった村が消えている。
地図を何度も確認するようだが、地図上では村があるのに村が存在しない。
取巻きたちは焦る。
雨宿りすることができない場所で、突然土砂降りの雨が降り出した。
一方その頃魔界にある『聖女(嘲笑)チャンネル』を見ている者たちの様子____
聖女(嘲笑)たちが、雨宿りするような場所がないところに来ている。
あいにく天気が優れない空模様。
もうすぐ、雨が降りそうだ。
「雨よ、降れ―――!」
この世界の魔王様が拳を突き上げて言った瞬間、土砂降りの雨が降った。
「魔王様、ステキー!」
「魔王様、サイコー!」
「魔王様、万歳ー!」
などと馬鹿なこと言って、盛り上がっていた。
盛り上がりのシーンのところで来た人間界でいう宰相の役割をするサイ・ショウは、冷静に「あの雨雲を見れば、誰でも雨が降るのは分かるだろ」とツッコんだ。
空気を読めない発言をしたサイ・ショウに、その場にいる全員でフルボッコ★
ただ、聖女(嘲笑)の顔をボコったのはいいのだがそれ以降が不評だ。
目に見える唯一の取り柄である『顔』が包帯をぐるぐる巻きにしていて見苦しいからだ。
確かにやった後はスッキリしたのだが、その後のことを考えなかったのは反省すべき点だ。
なので、この世界の魔王様の提案で聖女(嘲笑)の顔を修復することを決めた。
顔を修復する魔族は、フェースリーフだ。
フェースリーフは怪しげな占い師の格好をして、土砂降りの雨の中、聖女(嘲笑)の前に転移した。
聖女(嘲笑)と取巻きたちを言いくるめて、聖女(嘲笑)の顔を見事に修復する。
次の瞬間、フェースリーフは彼らの前から消えた。
今後、聖女(嘲笑)の顔をボコれないのは残念だが、魔界における『聖女(嘲笑)チャンネル』の視聴率のためには仕方のないことだ。
支倉美紀の取巻きたちが、顔色が悪いのはナイリーが魅せる悪夢のせいです。
悪夢の効果は、半永久です。
しかし、主人公をはじめとした魔界の住人たちはきれいさっぱりそのことを忘れているため、今後気付くことはありません。