5.起:『この私』と『この世界』
ラビィ(『この私』の話をしましょう。
つまり『Crest of Stars play in Layer World』。通称コスプレワールドの主人公のことです。
性別は女に限られますが、彼女におよそ背景というものはありません。
容姿はキャラクリで作られ、
ゲーム内で親類縁者は登場せず、
お店を利用したり、クエストを受注するものの、その際の台詞はないのです。
あ、でもCVは選べます。
私もダメージボイスを聞き比べ、最も好みのものを選びました。
まぁ、今は私の姿と声なのですが、髪色は変わっているのでコスプレ感マシマシですね。
無駄話がありましたね、失礼。
とにかく、RPG特有の、プレイヤーの想像に任せる、という奴です。
それでも、あえて公式ページから説明を引用するなら、
『あらゆる願いが叶えられるというレイヤーワールドの最上層を目指すあなた』という事になるのでしょう。上昇志向、大変結構。
私も見習ってとりあえず『ゲーム』を進めましょう)
アリス「これ!葉っぱ!」
ラビィ「葉っぱですか。アリスは物知りですね」
葉っぱを差し出すアリスと、受け取るラビィ。
アリス「うんっ」
ラビィ(可愛っ)
にっこりなアリスと、口を押さえるラビィ。
ラビィ(先ほど目を覚ましたマイフォエイバリット眷属アリス。
彼女が寝ている間に、ステータスを確認させてもらいましたが、
そこにあったのは『万能型』という見慣れない眷属タイプ。
攻略記事や、設定資料集まで確認した私でも初見のものでした)
アリス「これ!石!」
ラビィ「石ですか。アリスは博学ですね」
アリス「あげるね!お姉ちゃん!」
ラビィ「ありがとうございます。アリス」
アリス「うんっ」
ラビィ(いえ、違うのです。
決して、お姉ちゃん呼びを強要したわけではなく、デフォルトだったと言い訳しましょう。いや、誰に?
とにかく、自己紹介を終えた私は、『この世界』について教えて欲しいと、アリスたん……いえ、アリスに聞きました。
そして、森を歩む道中、アリスによる可愛さ全開の解説を味わっています。
兄よ、お兄ちゃんと呼んでくれ、そう言った貴方の心境、今理解できましたよ。キモいですね、我ら)
アリス「これ!薬草!」
ラビィ「おや、フィールドドロップアイテムですね。ポーション等の素材になりますよ」
アリス「ふぃーるど?」
ラビィ「フィールドドロップアイテム、採取物のことです」
アリス「お姉ちゃん、ものしり!」
ラビィ「はい。アリスのお姉ちゃんなので」
ラビィ(…ゲーム用語はあまり通用しないのかもしれないですね。
ゲーム内ではフィールドドロップアイテムを集めるような定番クエストもあるのですが、その文章も採取物という書き方をしていたと思います。
となると、モンスタードロップは、魔物素材や装備品と言った方がいいかもしれませんね)
ラビィ「アリス。少し、休憩をしましょう。私とお話でもいかがですか?」
アリス「うん、お話するー!」
切り株に座るラビィ、駆け寄り隣に座るアリス。
ラビィ「私と出会う前、アリスはどこにいたんですか?」
アリス「うーん、ずっと寝てた、のかな?
でも、なんとなく分かるの、アリスはお姉ちゃんのために生まれた、って」
屈託なく笑うアリス。
ラビィ「そうですか。では、私もアリスの為に頑張りましょう。
とりあえず、町に行って、なにか美味しいものでも2人で食べましょうね?」
アリス「うん!えへへー」
撫でるラビィ、喜ぶアリス。
ラビィ(…ゲーム中は、付き従う眷属はそういう存在、として見ていましたが、少女の姿で言葉交わし、笑い合うと…。私の為に生まれた、その言葉はとても重く感じますね。)
ラビィ(このゲームのエンディング。
それは、最上層に到達し、祈りの姿勢で光に包まれるところで終わっています。
詳しく語らず、プレイヤーに想像させるような、よくある演出です。
私の場合、この世界のからの帰還を願うべきなのでしょう。
実はあまり未練もないのですが…。ま、後々考えましょうか)




