1/2
頭上にある白いもの
彼は頭上を見上げた。だけど今は冬。白いそれに押し込められ何も見えない。
春から秋まで彼の頭上はずっと輝いていた。
春は輝きと薄紅の花びらが頭上を漂い彼はそれをとてもうれしく見つめていた。
夏は一層輝きが増し彼は大きく手を伸ばしてその煌めきを飽きることなく愛でていた。
輝きが彼の上に落ちるとき奇妙な模様が彼の上にきざまれた、それもまた彼は嬉しく思っていた。
秋は赤や黄色の木の葉とともに光は揺らめく。それはもうじき見えなくなってしまうという悲しみすら帯びていた。
そんな光をただ彼は見つめ続けていた。
光だけを見ていたのだ。
なのに、光は見えない。
見えない、見えない見えない。
白いそれに押し固められた頭上をずっと眺めても光は見えない。
白いそれに押し固められた頭上をずっと眺めても光は見えない。
彼は光を求めて手を伸ばす。
ずっとずっと求め続け彼の望みがようやく届いた。
白いものがひび割れる。




