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第2話「悪魔のタクティクス、炸裂!怒りのブースト!」

それからもユイトは、リスファクターの怪人が現れては、マジカルバンピーに変身し、

そのバストとお腹を揺らしながら、街の平和のために戦う日々を過ごしていた。


一応中学生であるユイトは、リスファクター出現時には、全校で避難シェルターに移動することになるのだが、

そこはそれ、なんとかうまい具合に脱け出し、ブンベと合流して、

適当な場所でマジカルバンピーに変身し、リスファクターに対峙するのである。

そして、怪人を倒してマナを胎内から産み出した後は、時間が時間なら学校に戻るし、

場合によっては避難解除と共に帰宅することもある。

なんとか怪しまれないように、ユイトもそれなりにうまくやってはいるのだ。


そんなある日のことだった。

ユイトが登校し教室に入ると、早速声をかけられた。


「よぉ、ユイト!元気か?」

「おはようございます、ユイト氏」


「うん、おはよう、ダイチくんにナオキくん」


ユイトに声をかけたのは、彼の小学校からの親友。

ユイトのことを「ユイト」と呼ぶのが大原大地(おおはら・だいち)で、

「ユイト氏」と呼ぶのが神通那緒輝(じんつう・なおき)である。

ダイチは小柄ながらも、サッカー部のエースストライカーであり、その闊達さ、爽やかさから女子の人気も高い。

ナオキは逆に長身で眼鏡をかけた、如何にもな文学少年であり、その物静かな雰囲気は、やはり彼も女子からの人気があった。


ユイトはこの2人と比べると、身長的にはちょうど中間で、普通の男子中学生という感じなのは否めないのだが、

それでも、かわいさというか、愛くるしさという点は2人よりも感じられる。

端から見ればそれぞれタイプが違うので、何故この3人がつるんでいるのか、

中学校からクラスメイトになったものたちには一見して分からないのだが、

小学校のころから彼らを知る者は、この3人のことを口々にこう言う。


『いつもの三馬鹿ども』、と。


「ところでユイト氏、こんな話を聞いたことがありますか?」


「え・・・?なんの話?」


「マジカルバンピーのファンクラブができたんだってよ!」


「・・・!?」


3人が仲良くなったのは、テレビ番組のヒーローに憧れ、同じ趣味を持ったからだった。

その辺り、やはり彼らは「オトコノコ」なんだな、と実感させるものがある。

ともかくそれによって彼らには共通の話題があり、そのために友達となったわけだ。


そして今、ダイチとナオキにとって一番の話題は、マジカルバンピーを名乗る魔法少女というわけだ。

まさか、テレビの中の存在だと思っていたモノが、実際に自分たちの街に現れて、

自分たちを守るために悪の組織と戦ってくれているのである、そのことに興奮しないわけがない。

それに、改めて言うが、ダイチもナオキも「オトコノコ」である。


「やっぱすげぇよな、マジカルバンピーって

まさか、本当に魔法少女がいるだなんてさ、それに・・・なぁ?」


「まったくその通りだねダイチ氏、何が言いたいかも分かりますよ」


「お前ら・・・ホント・・・」


2人が何を言いたいのかは、ユイトにも伝わってきた。

もし言えるものなら、ユイトは言ってやりたいのだ。

「ボクも男だから気持ちは分かるけど、『その相手』はボクなんだぞ・・・」と。

しかし、そんなこと、口が裂けても言えるわけがない。

夢は夢のままで持たせていてあげよう、そう配慮できるだけの心の余裕は、まだユイトにはあった。


そうこうしているうちに予鈴が鳴り、ホームルームの始まりを告げた。

今日も一日、学校に閉じ込められる時間の始まりだ。

願わくば今日はリスファクターが出てこないでほしい。

いや、いつだって出てきてほしくはない、ユイトだってたまには平穏な日を過ごしたいのだ。

そんなことを考えながらユイトが教室で過ごしている中、妖しい影が街角を彷徨っていた。


「ふ・・・ふっふふふっ・・・やはり人間界の生き物というものは、使い途があるものですねぇ・・・

なぁんで私たちは、前回そこに思い至らなかったのでしょう?」


その影は、雑踏に紛れ込むかのように人間を装っていたが、その正体は言わずもがなだろう。

リスファクターの幹部が一人、クラムディオである。

彼は今、次なるマジカルバンピーへの一手を考えながら、街を物色していた。

そして何かを思い付いた。


「これだけの『素材』、使わない手はありませんねぇ・・・ふっふふふふっ・・・

さぁ、震えなさいマジカルバンピー、貴女が護るべきものが護れない恐ろしさを・・・ふふふふふ・・・」


それからしばらく、街にリスファクターの怪人が現れることなく、人々は平穏な日々を過ごしていた。

それはもちろん、ユイトだってそうである。

リスファクターが現れるようになってから、いつマジカルバンピーに変身しないといけないか、

ユイトは気が気でない毎日を送っていたわけで、いずれまたそうなる時が来るにしても、

今はその時に備えてのリフレッシュ期間であると捉え、穏やかな日常を過ごせることに安堵していた。


しかし、それはそれとして、気掛かりなことはあった。

この頃ニュースや配信記事は、『奇妙な病気』が流行し始めている、と言うのだ。


別に命に別状があるというわけでもない。

まず風邪のような症状から始まるそれは、眼の充血とともに、『排尿時の軽度な痛みと痒み』をもたらすという。

聞くからに性感染症のような雰囲気があるのだが、血液検査や抗体検査から、

『それらの類似症状が現れる性感染症で検出される菌・ウイルス』が検出されず、

何より、普通の風邪薬や抗生物質の投与により、1週間ほどで軽快・治癒するというのだ。


しかし、感染経緯がはっきりとしておらず、確実に流行し始めているそれを、

医療機関としては見過ごすこともできず、報道を通じて注意喚起は行なっている、というわけである。


「ふーん・・・変な病気が流行ってるんだねぇ、ユイトは大丈夫?」


「うん、ボクは今のところ大丈夫だけど、学校でも先生がかかってたりしてるよ

ボクらの中ではかかった人がいるって話は聞いたことないけど」


「まぁ、ユイトも気を付けてね、父さんも気を付けないとな」


「そうだね、役場だといろんな人が来るし」


セイヤとの夕食が終わり風呂も済ませると、ユイトは自分の部屋に戻った。

戻ってきたユイトに、机の上に置いているぬいぐるみが声をかけた。


「ユイトくん」


「ん?ブンベ、どうかした?」


「・・・リスファクターのオーラを感じる」


ブンベのその言葉に、ユイトが怪訝な顔をした。

ここ最近、リスファクターは街に現れていない。

なんなら現れないことに、ユイトどころかブンベすら緩みかけていたところだ。

そのブンベが、「リスファクターのオーラを感じる」と言うのである。

ブンベが言うことだから放っておくこともできないが、ユイトとしては今の平穏がずっと続いていてほしい。


「何言ってるんだよブンベ、きっと気のせいだって」


「・・・そうだといいんだけど」


「そうあってほしいよボクも、明日は1時間目から体育だから、そろそろ寝るよ」


「うん・・・おやすみ、ユイトくん」


翌朝、ついにそのときは来た。

目覚ましが鳴るより先に、部屋の外がバタバタしていることでユイトは目が覚めた。

それと同時に、誰かがドアをノックしていることに気付いた。

誰か、といっても、ユイトの部屋のドアをノックするのは一人しかいない。


「父さん?」


「悪いユイト、役場から緊急の連絡が来た!」


「・・・まさか」


「リスファクターだ!父さんはもう役場に行く、ユイトも多分今日は休校だ

家の外から出ないで、隠れておくんだ!」


「う・・・うん!分かった!父さんも気を付けて!」


しばらく鳴りを潜めていたリスファクターが、朝っぱらから現れたというのだ。

災害対策課に勤めるセイヤは、その職務のために出動する必要がある。

ユイトもスマホを見てみると、中学校からの連絡がLINEに来ており、

セイヤが言った通り、午前10時までに事態が解決しなければ休校になる旨が伝えられていた。

もっとも、その「午前10時までの事態解決」を担っているのは、他でもない自分である。

ふと机の上を見てみると、すでにブンベも準備を整えていて、ユイトに言った。


「だからユイトくん言ったでしょ、リスファクターのオーラを感じる、って」


「まさか昨日の今日とは思わないじゃん!

まぁいいや、父さんもう出てったから、最初から行くよ!」


「僕はいつでもいいよ!」


「分かった・・・マジカルエクスペクティング!」


ユイトが変身ワードを叫ぶと光に包まれ、パジャマを着ていたはずの身体はエフェクトと共に衣装に変わっていく。

足元から少しずつ変身していき、頭まで変わると、最後に大きく開いた腹部が変わる。

まるでそのために開いているかのように、お腹が大きく膨らんで、その変身が完了した。


「・・・なんか、大きくない?」


「そう?・・・誤差じゃないかな」


「そうかなぁ・・・って、早く行かないとね」


実際、ユイトの気のせいではなかった。

マジカルバンピーのお腹にはマナが満たされており、それがリスファクターと戦うためのエナジーとなっている。

その相手の強さによってマナの量が変わり、場合によっては大きくなることは、ブンベから説明されていた。

とはいえ、そんな大きくなることは、本当によっぽどの相手が出てこない限りはあり得ない、と話していた。

ブンベが想定していたのは、それこそサイフォルースのようなラスボスが出てきたときだった。


このときのユイトのお腹は、普段よりも本当にわずかだけ大きくなっていただけだから、ブンベも気付かなかったのだ。

普段は普通の単胎臨月くらいの大きさだが、今のユイトのお腹は2000g程度の双子を孕んだ臨月ほどの大きさだった。

これでは、ブンベが誤差の範囲だと思うのも無理はない。

それはともかくとして、マジカルバンピーとブンベは、リスファクターが現れたという現場に急行した。


街中では、人々が至るところで苦しんでいた。

ある者は胸を押さえてうずくまり、ある者は顔を真っ青にして嘔吐している。

その誰もが眼を充血させており、件の流行り病を思わせる状態を見せていた。

その様子を、空に浮かぶ妖しい影が我が物顔で見守っていた。


「ふっふふふふふ・・・さぁ、人間どもよ、恐れなさい

私の『かわいい子供』に、その身を侵されていく『快感』を・・・!」


そう、高みの見物をしているのはクラムディオだった。

つまり、近頃『奇妙な病気』として人々を襲っていたモノの正体は、

クラムディオが仕掛けた病原体型の、一種のリスファクター怪人だったのだ。


今、街中で苦しんでいる人々の大半は、一度それに感染し完治したとされていた者たちだった。

その者たちの体内には、実は依然として因子が残っており、クラムディオが活性化させたのである。

また、この期に及んで新たな感染者も、クラムディオはこの場で産み出していた。

これこそが、リスファクター幹部きっての策士であるクラムディオの恐ろしさである。


「さぁ、どうしますか、マジカルバンピー?

貴女が護るべき者たちを護るためには、『彼ら彼女らを倒すしかない』のですよ・・・?ふっふふふふふ・・・」


そこへ一陣の風と共に、『彼女』が颯爽と駆け付けた。

その姿は誰がどう見ても間違えようがない、マジカルバンピーだ。


「リスファクター・・・なんてことを・・・!!」


「おや、随分と待たせてくれたものですねぇ、貴女が『今の』マジカルバンピーですか

なかなかかわいいお顔をしてらっしゃる・・・ふふふふふ、『遊び甲斐』がありそうですねぇ・・・」


「その見た目・・・お前はまさか・・・リスファクターの幹部、クラムディオか!?」


「はて?私のことを御存知でいらっしゃる・・・あぁ、なるほど、その姿・・・さてはミディアイの生き残りだな?

貴様が、今のマジカルバンピーのガーディアンか」


ブンベたちミディアイとリスファクターの間には因縁がある。

そもそもは、マナの独占を狙うサイフォルースが、そのための障壁であるミディアイを滅ぼそうとしたのが発端だ。

そのためにサイフォルースはリスファクターを組織し、ミディアイたちの世界への侵攻を始めた。

その流れで、人間がマナを生み出せることに気付き、人間界にも手を出したのだが、

ミディアイの勇敢な戦士が人間界から共に戦える存在を見出だし、サイフォルースの野望を一度は打ち砕いた。

その存在こそが、クラムディオの言葉を借りるなら、「『前の』マジカルバンピー」というわけだ。


先代のマジカルバンピーのガーディアンによって、リスファクター幹部の顔はミディアイたちに受け継がれた。

ブンベがクラムディオの顔を知っていたのは、そのおかげである。

そしてまた、幹部級が出てきたことに、ブンベはユイトへの申し訳なさを感じた。


「ごめん、マジカルバンピー・・・やっぱお腹、いつもより大きくなってたかも」


「幹部って・・・どういうことだよ、ブンベ!?

やっぱいつもより大きかったの、気のせいじゃなかったんじゃん!!」


「仲間割れですか?興醒めしてしまいますねぇ・・・」


クラムディオが少し退屈そうというか、嫌気の差したような表情を浮かべたが、

目の前にいるのが幹部であろうが、マジカルバンピーにとって倒すべき相手であることは変わらない。

ここまで巧妙な策を呈したクラムディオが一枚上手だったわけで、ブンベがそこまで感知できなかったことも仕方ないことと割り切って、

マジカルバンピーはいったんブンベに目で会釈すると、クラムディオに向き直った。


「幹部だろうが関係ないね!クラムディオ、私が相手だ!」


「マジカルバンピー・・・大丈夫そう?」


「任せてよブンベ、だって私・・・マジカルバンピーだから!」


マジカルバンピーが啖呵を切ったが、クラムディオは相変わらず高みの見物モードである。

そして妖しくも悪魔的な、邪悪な笑みを浮かべると、今度はクラムディオが口を開いた。


「くっ・・・ふっ・・・くはははははははっ!!」


「なんだ!?何がおかしい!?」


「ふっ・・・ふっふふふふふ・・・いやはや、それでこそ『正義の魔法少女』マジカルバンピー

『世界を守る正義の味方』というものは、そうでなくてはいけませんねぇ!!

ですが・・・今、貴女と戦うのは私ではありませんよ、ふっふふふ・・・」


クラムディオが指を鳴らすと、二つの影が路地からゆっくりと現れた。

その影は明らかに自分と同じ人間の姿をしており、

そして自分と同じように大きなバストと大きなお腹を湛えている。

その肌は浅黒くなっているが、お腹の周りだけは青い炎のようなエフェクトが揺らめいていた。

二人のうち、一人は小柄だがそれなりにガッシリしており、もう一人は長身で眼鏡をかけている。

バストとお腹は抜きにしても、その見た目、その身体付きに、マジカルバンピーは思い当たるものがあり、そして絶句した。


「お・・・お前ら・・・うそ、だ・・・ろ・・・?」


「おや?もしかしてお知り合いでしたか?

昨日適当に拵えただけでしたが、まさか貴女相手に優位になるなんて思いませんでしたねぇ」


「ふざけたことを・・・クラムディオ!!」


マジカルバンピーには思い当たりしかない、その二つの黒い影の正体。

それはまさにユイトの親友、ダイチとナオキだった。

昨日の下校時、クラムディオによって捕らわれた二人は、マジカルバンピーへの対抗手段として改造されてしまったのだ。

クラムディオが言う通り、狙ってこの二人を捕らえたわけではない、まったくの偶然だ。

しかし、今の彼らは、マジカルバンピー=ユイトがよく知る親友たちではない。


「さぁ、たっぷりと遊んであげなさい・・・ノクターンアッパー!!」


「「はい、クラムディオ・・・様・・・!」」


抑揚のない声で、「ノクターンアッパー」と呼ばれた二人が返事をすると、

いつもマジカルバンピーが言われているような、「よくその身体で」という感じで、マジカルバンピーに襲いかかった。

しかし、ノクターンアッパーの正体が分かっているマジカルバンピーは、その攻撃をとりあえず受けるしかない。


「マジカルバンピー!!」


「ごめん、ブンベ・・・無理だよ・・・こいつら、私の・・・ボクの友達なんだよ!?」


あからさまに人間を改造したとしか思えないノクターンアッパーを倒すわけにはいかない。

ましてやこの二体は、親友であるダイチとナオキだから、なおのこと手を出せるわけがない。

そんなことをしてくるクラムディオへの怒りはずっと増幅されていくのだが、

今の状況では、ノクターンアッパーへの一手を指せない限り、クラムディオに届くことはない。


なんとかノクターンアッパーとの間合いを取り、マジカルバンピーはその攻撃をかわすことに専念する。

かといって、このままでは、クラムディオがばらまいた病原体に苦しむ人たちを助けることもままならない。


「私、どうしたら・・・ブンベ、私、どうしたらいいと思う!?」


「何をお喋りしているんですマジカルバンピー?

そんな余裕があるんですかねぇ・・・アインス!ツヴァイテ!」


「「イエス・・・マインマイスター・・・!」」


クラムディオが名を呼ぶのをもって命を下すと、まずツヴァイテ=ナオキがマジカルバンピーに向かって手をかざす。

それと同時にマジカルバンピーは、自分のお腹からの苦しみを感じた。

この苦しみ、痛みはまさに、変身を解除するときのモノに似ている。

それよりはまだ軽いものではあったが、それでもマジカルバンピーの動きを鈍らせるには充分すぎた。


次いでアインス=ダイチは、そのお腹がさらに大きく膨らむと、渾身の一撃をマジカルバンピーに叩き込んだ。

その一撃は鋭さと重さの両方を併せ持ち、なんとか直撃は避けたものの、マジカルバンピーには相応のダメージが入った。

どうやら戦闘力のメカニズムはマジカルバンピーと同じらしく、ノクターンアッパーたちのお腹に満たされているのはリスファクター側、

つまり『暗黒面のマナ』であることが窺えた。


「クソッ・・・なんで・・・なんでこんなことに・・・」


マジカルバンピーが困惑と苦悶の表情を隠せないでいる間にも、ノクターンアッパーたちの攻撃の手が緩むことはない。

ツヴァイテ=ナオキがマジカルバンピーの動きを抑え、そこにアインス=ダイチの一撃が来る。

元々が親友同士である二人のコンビネーションは、『敵』となってしまっても健在だった。

いや、そうなってしまったからこそ、マジカルバンピーには、より目立って感じてしまうのだろう。


ましてや、元が親友であるからこそ、マジカルバンピーはノクターンアッパーに手を出せなかった。

クラムディオが言っていた「護るべき者を護れない恐ろしさ」を、『彼女』は今、身に沁みて実感していた。

そのときである、ブンベが何かに気付いたように叫んだ。


「マジカルバンピー!!見えた!!」


「な・・・何がだよ、ブンベ・・・?」


「いったん僕が『こいつら』を止める!」


「はぁ・・・!?何言ってるんだよブンベ!!さっきも言っただろ!?

こいつらは私の友達だ、って・・・いくらブンベでも、それは許せないよ!!」


「いいから!!いったん僕に任せて!!僕を信じて、マジカルバンピー・・・ユイトくん!!」


そこまでブンベに言われてしまっては、マジカルバンピーも二の句を告げられなくなった。

そしてブンベは、小さく呟いてから、ノクターンアッパーたちを誘い出した。


「できればあまりやりたくなかったけど・・・ノクターンアッパー!!お前たちの相手は僕だ!!」


ブンベのその声に、ノクターンアッパーたちは一瞬攻撃の手を止め、ブンベのほうを振り向いた。

その一瞬にブンベが二人を強い眼差しで睨み付けると、ノクターンアッパーたちの動きが止まる。

そして、二人は両手で頭を抱えて、その場にうずくまった。


「あ・・・ああ・・・あ・・・?」


「なん・・・だ・・・これ、は・・・?」


「なんだ・・・何が起こっている・・・?

ええい、アインス!ツヴァイテ!何をしているんだ!早く立ち上がらないか!」


ノクターンアッパーたちの目からは、一筋の涙が流れ始めていた。

二人もそうだが、クラムディオにも、そして何よりマジカルバンピーにも、ブンベが何をしたのか分からなかった。

マジカルバンピーはブンベに尋ねた。


「ブンベ、いったい・・・ダイチくんとナオキくんに何をしたの!?」


「・・・『存在しない記憶』を見せ付けてやった」


「存在しない記憶・・・?」


「ノクターンアッパーたちがマジカルバンピーと共に戦っている、三人は仲間だったという『偽の記憶』を見せてるんだよ

というか、この子たちがマジカルバンピーの友達でよかった、そうじゃなかったら多分無理だったよ」


つまり、ブンベがやったことは『深層心理の操作』だった。

ブンベが言った通り、ノクターンアッパーの正体が、マジカルバンピー=ユイトの親友であるダイチとナオキだからこそできた技だ。

ノクターンアッパーに改造されたとはいえ、その深層心理の奥底には、元々の記憶や感情が埋まっている。

ブンベはそれを掘り起こし、言ってみればノクターンアッパーたちを『洗脳し直した』というわけだ。


「これでノクターンアッパーたちは、混乱しちゃってしばらくは動けないよ

それと・・・『糸』が見えた

クラムディオを倒せば、すべてが片付く!!」


「糸?・・・そうか!そういうことか!」


「チィィィィ・・・Scheiβe!!こんな短時間でミディアイごときに見抜かれるとは・・・

このクラムディオ、思案がまだまだだったということか・・・っ!!」


ブンベが見つけ出した『糸』。

それは、「すべてがクラムディオに繋がっている」ということを意味していた。

街中に広まった『奇妙な病気』も、その根源はクラムディオにある。

ノクターンアッパーもクラムディオによって造り出されたものだ。

つまり、クラムディオを倒してしまえば、病根は完全に絶やすことができ、

ノクターンアッパーにされたダイチとナオキも元通りの姿に戻すことができる、ということだ。


ブンベがノクターンアッパーを封じてくれたおかげで、ようやくクラムディオだけに集中できるようになった。

マジカルバンピーはブンベに目を向けると、一つの提案をした。


「ねぇ、ブンベ、『アレ』・・・使っていい?」


「『アレ』、って・・・いや、確かにクラムディオ相手なら使ったほうがいいかもだけど・・・」


「いや、使わせてよ、ブンベがダメって言っても使うよ?

私の友達をこんな目に遭わせたヤツには、『とびっきり痛い目』を見てもらわなきゃ」


そう言うとマジカルバンピーは、とびっきりの笑顔で叫んだ。


「モードブースト!!バンピーチャージ!!」


そう叫ぶと、マジカルバンピーの身体に変化が始まった。

変身当初に小さめの双子を孕んだ臨月ほどだったお腹は、今や大きめの三つ子を抱える臨月腹へと膨らんでいた。


これこそがマジカルバンピーの奥義、「バンピーチャージ」。

大気中のマナを胎内に取り込み、自身の力を強化するブースト技である。

代償として、その分お腹が大きくなるデメリットはあるものの、そもそもマナを戦闘力として取り入れているので、

その分の戦闘力強化が担保されているから、それは大した問題ではない。

本当にデメリットとして存在する問題は。


「・・・僕、知らないよ?『それ出す』の、マジカルバンピーだからね?」


「分かってるよ、それでもクラムディオにはそれだけの目に遭ってもらわなきゃ」


確かにクラムディオはリスファクターの幹部、それも古参の大幹部だ。

それに加えて、マジカルバンピーからしたら、街の人たちを病で苦しめたばかりか、

自分の大事な親友を『手駒として扱ってくれた恩』まである。

それらを耳を揃えて返すには、それなりの礼儀というものが必要だ。

変身解除のときに待っている苦難は承知の上で、マジカルバンピーはこの技を使ったのである。


「さぁ、クラムディオ・・・そろそろ行かせてもらうよ!!」


「まさかこの私が戦わねばならんとは・・・戦うのは苦手なのですが、こうなっては仕方ない・・・」


「覚悟はできたかな?私はいつでもいいんだけど?」


「・・・えぇい、もはやこれまで!

せめて、お手柔らかに願いますよ、マジカルバンピー?」


そして、二人は拳を合わせ始めた。

格闘が苦手という割には、やはり大幹部なだけはある。

クラムディオもそれなりの戦いは見せているのだが、ブーストをかけているマジカルバンピーが押している。

そんな様子を、建物越しに見やる一人の影があった。


「・・・ん?いや・・・まさか、な・・・

ああ!避難経路はあっちです!慌てずに、速やかにシェルターへ移動してください!」


マジカルバンピーとクラムディオの戦いはなおも続いていたが、

どうやらそろそろ決着がつきそうな雰囲気があった。

ブーストしているマジカルバンピー相手に善戦したとはいえ、やはりクラムディオは、どちらかというと文官だったようだ。

戦いが進むにつれ、明らかな体力の差が出てきたのが目に見えてはっきりしている。

ノクターンアッパーを封じられてしまった時点で、クラムディオのプランは崩壊していたのだ。


「はっ・・・あっ・・・くふっ・・・うっ・・・」


「なぁんだ、幹部だって聞いたから、もっと強いと思ってた」


「ふっ・・・ふっふふふ・・・逆にそれで私たちを・・・侮らないことですね、マジカルバンピー・・・

私一人倒れたところで・・・どうということはないの、ですよ・・・けふっ・・・」


「・・・最後に言いたいことは?」


マジカルバンピーの問い掛けに、クラムディオはニヒルな笑みを浮かべると、

吐き捨てるように言った。


「・・・サイフォルース様に、栄光・・・あれ・・・」


その言葉を受けて、マジカルバンピーはクラムディオにとどめを刺した。

その瞬間に、周りを包んでいた淀んだ空気は途端に晴れ、

病に苦しんでいた人々は少しずつ軽快し、そして。


「ん・・・あ・・・アレ・・・?ここ・・・は・・・?」


「ん・・・んん・・・ダイ・・・チ、氏・・・っ!?ダイチ氏!!アレ!!」


「んん・・・なんだってんだよナオキ・・・はぁ!?嘘だろ!?」


ノクターンアッパーから元に戻ったダイチとナオキは、自分たちの前にいる者の姿に驚くしかなかった。

今まさに目の前にいるのは、ここ最近の自分たちが憧れを向けている、

かの『正義の魔法少女』に他ならないからだ。


「「マジカルバンピー!?」」


「よかった、ダイ・・・んんっ!!二人とも無事で」


「もしかして、マジカルバンピーが俺たちを助けてくれたのか・・・?」


「いや、ダイチ氏・・・もしかしなくても、でしょう・・・」


「まだその辺に怪人がいるかもしれない、二人とも早くシェルターに避難するといいよ」


「あ・・・はっ、はいっ!!」

「ありがとうございます、マジカルバンピー!!」


一瞬ダイチとナオキの名を言いそうになったものの、咄嗟になんとかごまかして、

マジカルバンピーは二人を避難シェルターへと送り出した。

そして、他の人々もシェルターへと向かうのをよそに、マジカルバンピーはそれらから離れるよう、

なるべく物陰のほうへと、ゆっくりと移動していった。


「ふっ・・・ふうううう・・・うぐぅぅぅうううううっっっ!!!!!」


「ほら、やっぱり言わんこっちゃない」


「し・・・仕方ないだろぉっ!?ブンベが幹部だって言うし・・・ふぅぅぅうううううっ!!」


「まぁ、ちゃんと全部出てくるまで見守るのも僕の役目だしね、この辺でいい?」


「早く・・・早く部屋出して、ってばぁぁぁぁあああああああっっっ!!!!!」


ブンベがいつものように結界を張り部屋を出すと、マジカルバンピーは気が抜けたのか、

くずおれるようにして、床に四つん這いになった。

両肘と両膝で支えてはいるものの、そのお腹は床についており、なんなら少したわんでいる。

それだけの大きさのお腹となっていたわけだが、それを抱えて戦っていたことを振り返る余裕は、今のマジカルバンピーにはなかった。


「はぁぁあああああ・・・ふぅぅぅ・・・ふっ・・・ふぅぅぅうううううっ!!」


アレだけの戦闘をこなしたあとだけに、胎内に満ちたマナは依然として活発に蠢いている。

マジカルバンピーの身体は、そのマナを産み出すための陣痛が始まっているのだが、

『彼女』は今、その痛みとマナの胎動との両方に襲われていた。


「はっ・・・あっ・・・ふっ、ふうっ、うっ・・・なん、で・・・使っちゃったんだろ・・・ふぅーっ・・・うぅーっ・・・」


「使うって言ったのはユイトくんだからね?でも、よかったんじゃない?」


「ふぅぅぅ・・・ううううう・・・何が・・・だよぉっ・・・あああああああっ!!」


「クラムディオにとどめを刺したの、11時過ぎてたからね」


ブンベが軽くそう言うのをマジカルバンピーは、襲い来る痛みの中でも呆れた様子で見つめた。

そういえば学校からの連絡には、「午前10時までに事態が収拾しなければ休校」とあった。

結局、それが午前11時までかかったのなら、今日は休校になった、ということだ。


となれば、このマナをひり出すのには、どれだけ時間がかかっても、それほど問題ではない。

かといって、長引けばそれだけの時間、産みの苦しみに苛まれるだけだ。

自分としては、できればさっさと産んで、さっさと変身を解除してしまいたい。

お腹の大きさが違うというだけで、やることはいつもと変わらない。

改めてマジカルバンピーは呼吸を整え、子宮口が開き切るまでは力を入れないようにして過ごした。


「うん、やっぱ何度もやってきてるから、ユイトくんも分かってきてるよね」


「ふぅーっ・・・なんで・・・分かっちゃったんだろう、ね・・・ふぅーっ・・・うぅーっ・・・」


最初は四つん這いになっていたマジカルバンピーだったが、

よりよい姿勢を求めて試行錯誤を重ねた末に、今はクッションにお腹を預け、左向きになって寝転がっていた。

「シムズの体位」という姿勢に近い状態にあった。

もちろん普段はただの中学生であるマジカルバンピー=ユイトは、意識してそうしたわけではない。

あーでもない、こーでもない、と姿勢を変え続けた結果、そこにたどり着いただけだ。


「あー・・・これ、なんか楽かも・・・ふー・・・ふっ、ふぅーっ・・・」


しばらくの間、その姿勢で横になっていると、マジカルバンピーは股間に温かなモノを感じた。

それは人肌の温かさがあり、そして少しずつ流れ出ていく様子がある。


「あああぁぁぁぁぁ・・・破水したぁ・・・」


それと同時に、猛烈な息みたさも感じ始めた。

しかし、マジカルバンピーにはどれほど子宮口が開いているのかが分からない。

下手に息んでしまっては、身体にダメージが入ってしまう。

変身解除と同時に修復されるとはいえ、やはりそこは気になるところだ。

そこでマジカルバンピーは、ブンベに助けを求めた。


「ねぇ、ブンベ・・・お願い・・・見てみてぇ・・・」


「ちょっと待って・・・いや、ユイトくん、これ、もう息んでいいよ」


「え・・・ホン、ト・・・ふんっ、んんんんんんんんんんっ!?」


どうやらシムズの姿勢で身体をリラックスさせていたのが功を奏したようで、

マジカルバンピーも気付かないうちに、子宮口は全開になっていたらしい。

となれば、息みたさを感じるのも無理はない。

身体はすっかり、マナを外に出す準備が整えられていたのだ。


「はーっ、はーっ、ふっ・・・ふうううううぅぅぅぅぅぅぅんっっっ!!」


「うーん、いいよユイトくん、少しずつ出てきてるよ」


「あっ・・・あああああ・・・いつもより・・・でかいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!」


バンピーチャージを使った代償を、マジカルバンピーは身をもって思い知らされていた。

お腹の大きさでいえば、いつもの4倍ほどはあろうかという中に満たされたマナをひり出すわけである。

どれくらいの量が出てくるのかは、まったく想像がつかない。

いや、普段でさえ相当の苦しみを味わっているのだ、今のマジカルバンピーの苦痛がどれほどかは想像できるものではない。


「はーっ、はーっ、はっ・・・はっ・・・ふぅっ、うううぅぅぅぅぅんっ!!」


「もうちょっとで出てくるよ!」


「うぅぅぅぅぅんっ・・・んんぅ・・・挟まってるぅぅぅ・・・」


何か大きなモノが抜けてこようとしているのが、はっきりと伝わってくる。

マジカルバンピーに変身し、立派なバストとお腹を露にしているとはいえ、

ベースとなっているのは一般的な中学生の体格でしかないユイトなわけだから、

端から見たら、かなりアンバランスな見た目をしているのは疑いようもない。

その普段よりも大きなお腹から、普段よりも大きなマナが出てこようとしている衝撃は、

間違いなくその体格には不釣り合いなものであるはずなのだ。

しかし、マジカルバンピーの表情は、確かに苦痛に歪みこそしているが、どこか優しさのようなモノも窺える。

例えるならばそれは、慈愛に満ちた母そのもののようにも思えた。


「・・・ユイトくん、ホント、いい顔するようになってきたよね」


「はっ・・・はーっ、はーっ・・・な、なんだよ、ブンベ・・・ふぅぅぅぅぅんっ!!」


「まるで・・・ホントに赤ちゃん産んでるみたい」


「ばっ・・・い、いつも言ってるだろぉ・・・ふーっ・・・うぅぅぅ・・・

マナとはいっても・・・ふっ、うぅっ・・・ボクの身体の中にいたんだから・・・」


その先はマジカルバンピーに言われなくても、ブンベにも分かっている。

マジカルバンピーはその胎内のマナを、『我が子同然』に思っていることを。

自分の中から出てくる以上、それは『自分の赤ちゃん』も同然である、と思っていることを。

ユイトがそう思ってくれているだけでも、ユイトをマジカルバンピーとして選んだ甲斐があった、とブンベはしみじみ思った。


「はっ・・・あっ・・・あああああああっっっ!!!!!で、でるぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!!!!!!」


「ユイトくん!短く呼吸して!はっ、はっ、はっ・・・」


「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ・・・あっ・・・あああああああっっっ!!!!!」


出始めたマナは、子宮内に残っていた羊水と共に、そのまま一気に娩出されていった。

その勢いは、一種の気持ちよさも与えたらしい。

マジカルバンピーの表情は、どこか恍惚とした様子があった。


「はっ・・・あっ・・・ああ・・・すっご、これ・・・」


「クセになっちゃいそう?」


「・・・もう絶対に、バンピーチャージ使わない」


出産を終え、元の姿に戻ったユイトは、顔を真っ赤にし、

あからさまな恥じらいを浮かべて、ブンベに答えた。

それを受けたブンベの雰囲気も、どこか「やれやれ・・・」といった感じがあった。

----------------------------------------

「・・・」


暗黒の城の玉座の間。

鎮座するサイフォルースは、傍らのサイドテーブルに肘を置き、

それを頬杖にして、憮然とした表情を浮かべていた。

誰がどう見ても不機嫌な様子であり、誰一人として近付こうとはしない。

するとサイフォルースは、おもむろに地面を蹴った。

その音が室内に響き渡ると、次いで声を上げた。


「おのれマジカルバンピー!!クラムディオまでも・・・あのクラムディオでさえ・・・っ!!」


側近中の側近、前回の侵攻時から共にあった一番の腹心。

片腕どころか、もはや自身の半身だったと言ってもいいクラムディオが倒されたのである。

その心痛は如何ばかりか、思い知りたくはないだろう。


「クラムディオ・・・貴様がいなくなっては我はどうすればいいというのだ!?」


「サイフォルース様・・・」


「貴様らも分かっておろう!我々の計略は、クラムディオの立案によるところがすべてだったのだ!

そのクラムディオ亡き今、もはや・・・我が動くより他にあるまい」


サイフォルースのその言葉に、周囲はざわめいた。

それはそうだろう、サイフォルースはリスファクターの総帥、全軍の総大将である。

マジカルバンピーにしてみたらラスボスもラスボス、そのような存在が、自ら出る、と言っているのだ。

サイフォルースは玉座から立ち上がり、決意を述べる。


「もはやこうなっては、我がこの手でマジカルバンピーを討つより他に手段はあるまい

主だった者を集めよ!出陣の準備を整えに入るぞ!」


「は・・・ははっ!!」


部下がそう返事をすると、サイフォルースは改めて玉座に腰掛け、ひとりごちた。


「・・・まさか、人間風情がここまで我々を追い詰めるとはな

マジカルバンピー・・・どうやら今回は、前よりも手応えを感じさせてくれそうだ・・・」

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