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REverse〜復讐者の物語〜  作者: 凪瀬凌
特犯警察編
9/9

第9話 宣戦布告

「んー?どーしたあー?そんな浮かない顔をして。なんか嫌なことでもあったんか?」


雪瀬が蒼矢に詰め寄る。すると、間髪をいれずに聖都が割入る。


「雪瀬さん、聞いてないんですか?3班の新人が再起不能の重傷を負って帰ってきたって。」


雪瀬は既に知っているような顔で、


「あー、それが?」


と言った。すかさず聖都が詰め寄った。


「その人、蒼矢の友達なんですよ。今はそっとして挙げてください。」


すると、雪瀬は若干バツが悪そうに言った。


「っ、だって...なんかなんというか、悪戯心が...人の心って難しい...」

「雪瀬さん、もう何年人と関わってきたと思ってるんですか?せめて口を閉じるくらい」

「だから僕にはまだ難しいこともあr」


コンコンコン


ドアを叩く音がし、開いた。


「おい、第1班。緊急ミーティングだ。今すぐこい。」


と、金子天満がドアの隙間から顔を覗かせて言った。


「えっ、急だな。」


と、聖都が反応した。さっきまで説教されていた雪瀬は気持ちを切り替えて言った。


「了解。みんな行こう。」


「「はい。」」


と、会議室に向かった。


ー緊急ミーティングー


会議室には隊長の夕城澄玲と顔が青ざめているように見える防衛大臣、守末政勝、その他大勢の特犯幹部がいた。初めての空気と威圧感に蒼矢は息を飲んだ。

すると、澄玲がこちらに向かって話しかけた。


「おい、リヒトを見てないのか?」


雪瀬が返す。


「任務じゃないんですか?まああの人任務勝手に増やしてひとりでアジト制圧とかしちゃうもん。」

「はあああー、まじかーー。」


と、澄玲は頭を抱えながら自分の席に戻って行った。


全員が席に座った事で、防衛大臣が、


「これより、特犯警察緊急ミーティングを始める。ここは第1部隊と主要幹部のみの極秘ミーティングでもある。心して聞いて欲しい。」

「「はい。」」


と、会議を始めた。


「では最初に、第1部隊隊長、夕城くん。」

「はい。」


澄玲が立ち、資料を見ながら話し始めた。


「実は先日。逆社会組織に潜入している構成員から我々宛に情報が文章で届きました。読み上げます。」


その場がざわついた。


『来週5月13日に防衛大臣・守末政勝を消しに行く。我々の最終目的への歯車がついに動き出す。』


だそうです。」


「大臣...?」

「大臣!」

「大臣!!」


読み上げ終わると同時に防衛大臣を呼ぶ声がところどころ響いた。肝心の防衛大臣は顔を伏せ、台に方肘を乗せて、手で頭を抱えていた。


「私は!」


澄玲の一声に周りが一気に静まった。


「いや、第1部隊が防衛大臣を必ず守ります。」


と、澄玲は大々的に宣言した。


「第1部隊が居たとて何ができるか!」

「無責任なことを言うな!これまで潜入捜査官がこのように情報を与えてもなお守れた命が1つでもあるのか!」


と、特犯警察の幹部が次々と澄玲を責めた。


「確かに、今まで成功したことは無い。ただ、それだけで諦める理由になるのか!防衛大臣を見捨てるのか!」


また一気に静まった。


「失敗は何度もした。だが、その犠牲の上に学んだことは沢山ある。それを活かして、最善の策を立てる。これが今我々がすべきことだ。」


幹部たちが静まり返る。そして、さっきまで俯いていた防衛大臣が口を開いた。


「私は...この機会をチャンスだと思っている...おそらく...私を殺しにくるのは...最高危険人物に指定されている暗殺の名手のロートだ...この気に向こうの重要人物を倒すことが出来れば...我々にもこれから長く続くであろう戦いに勝機の近道を作れる...だから...みんな...最前の力を貸して欲しい...!」


その声は震えていた。しかし、揺るがぬ決意も同時に感じることが出来た。


「やりましょう...大臣!」

「やりましょう!!」


その言葉が響いたのか、幹部の人々は大いに盛り上がった。


「これから作戦を立てる!どんなことが起こってもいいぐらい隙を無くす!」

「「おーー!!」」


そう澄玲が仕切ろうとした時、


バン!!!


会議室のドアが開いた。


「こりゃまた大変なことが起こってんな。」


ドアからゆっくり男が入ってきた。全身黒い隊服でおおわれている。会議室がそんなに明るくないからか、隊服とコントラストになっている色素の薄い髪と、独特な赤い目が目立つ。


「任務の最中に連絡しやがって、お荷物抱えて戦うの大変だったな...」


彼が近づくにつれ、血生臭い匂いが漂う。まるで、血のオーラを纏っているみたいに圧もある。周りは一気に鎮まった。皆唖然としている。


「ったく...」


澄玲がため息をついた。


「急いだ方がいいかなって思ったけど、思ったよりいい感じに進めてるじゃん。」


「俺、必要?帰ってもいい?」

祝!!第2班初登場!!

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