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REverse〜復讐者の物語〜  作者: 凪瀬凌
特犯警察編
2/9

第2話 防衛省所属特殊犯罪特化警察

彼はは家族を殺された。彼の知らないうちに。運が良かったのか、いや、1人だけ残されて運が良かったとか言いたくない。彼に残っているのは ”復讐” だけだ。


警察が来るまで彼は家族の死体を呆然と眺めていた。正気に戻ったのは警察に事情聴取を受け始めてからだ。

その事情聴取も直ぐに終わった。彼らには犯人の目星がもう着いていたそうだ。しかし解放されても天涯孤独の身となった彼に行く場所なんてなかった。

しかし、加賀野蒼矢、家族を殺された男は退出の際ある男から願ってもない提案をされた。


特犯警察(とくはんけいさつ)に入らないか」と、


いわゆる合法的に直接犯人を裁ける政府直属の警察機関にスカウトされたのだ。


「その特犯警察について詳しく聞かせてください。」


蒼矢は興味津々に特犯警察の話を聞いた。

この組織は、逆社会組織(ぎゃくしゃかいそしき)というものを処罰するために生まれた組織であると。話によるとその逆社会組織こそが蒼矢の家族を殺した組織であることも教えられた。その場ではより詳しいことは教わらなかったが、その中で彼は衝撃的な言葉を聞いた。


「特犯警察で第一部隊という部隊に入れば、逆社会組織の関係者をその場で処刑することが出来る。」


つまり、その犯人の前で『殺人』が合法と化す。


一通り話を聞き終えた蒼矢は考える間もなく入隊を決意した。ここが蒼矢の新たな帰る場所となり、仲間は家族同然と成す。全ては、日常を奪った奴らへ復習するため。


まずは寮に入居し、新たな生活がスタートする。蒼矢は訓練生として訓練に励む。実際に逆社会組織との抗争で命を落とさないようにみっちりさせられる。数カ月訓練を積み、一年に二回ずつ行われる「所属隊組み分け審査」を受け、最終的にどの隊に所属するか決まる。

基本的に入隊が許されるのは蒼矢のような逆社会組織に肉親を殺され天涯孤独となったもの(例外はいる)なので、まずは復讐を成すため、やはり特攻精鋭部隊の「第一部隊」を希望するものが多い。しかし、殉職率がとても高く、そもそも超精鋭しか受からないので、途中で諦めてしまう人も多い。もちろん蒼矢はそこを目指していた。


今日も蒼矢は元々持っている剣の腕前を上げるため素振りをしていると、同じく自主練に来ていた好青年に声をかけられた。


「あんた、めっちゃストイックだな。第一部隊志望か?」

「誰?」

「ああ俺?去年から入った榎木湊(えのき みなと)だ。よろしく!ちなみに俺も第一部隊希望。」

「そうですか、半年前に入った加賀野蒼矢(かがのそうや)です。よろしくお願いします。」

「蒼矢か!そんなにかしこまるなよ、タメ口で全然良き。仲良くしよーぜ。」


久しぶりの陽気なオーラに押された蒼矢は終始たどたどしていた。でも、蒼矢の表情は久しぶりに緩いだ。

一通り自主練をし、2人は休憩に入り、建物の入口付近のラウンジで話していた


「そういえば、試験まであと1ヶ月だな、自信はある?蒼矢は?」

「多分行ける気はする。」

「まあそうだよな。おまえ、最近入ってきたばっかなのに訓練の成績ぶっちぎりだもんな〜。本当にすごいや。きっと第一部隊も夢じゃないな!」

「第一部隊か……」


そう一番入りたい部隊のことを思うと同時に闘志が湧いてくる。


「そこに入ったら、家族の仇が……」


ざわざわっ


奥から入口のドアが空いた。周りがざわつき始めた。


「おい、蒼矢。あれ、第一部隊じゃね?」


湊が目を見開いて言った。第一部隊が本部にちょうど帰ってきたところに遭遇できたのだ。

さすが少数精鋭ながら、その場には3人しかいなかった。

そんな中堂々と先頭に立っている10代後半ぐらいの女の子に2人は目がいった。彼女は長い赤茶の髪を後ろで高く結び、厚底のブーツを履いているからなのか普通の女性より高く見えたが、少し幼さが残る顔立ちをした美少女であった。


「あいつ、俺らと歳そんなに変わらないんじゃないか?なんで先頭に……?」

「あ、あれは確か史上最年少隊長の夕城澄玲(ゆうじろ すみれ)!」

「湊、詳しいね。」

「いや逆にお前知らないの?」

「知ってるさ、名前は。顔は見た事ないからわかんないよ。」

「ふうん、でもさ、凄いというか悔しいよね。あんな同い年ぐらいの子、しかも女の子が特犯警察の精鋭部隊をまとめているトップだなんて。」

湊が少し悔しさをあらわにすると、

「入隊時期差だ。入って実力で見返せばいい。」

「ま、そうだな、よし、頑張ろうぜ。蒼矢!」

「おう。」

二人はそう決意を固めたとき、ふと気づいたらその第一部隊隊長・夕城澄玲が蒼矢の前にぐっと顔を近づけていた。


「君が噂の加賀野蒼矢くんだっけ?成績1位の。」

「そうですか」

「ふうん、なるほどね。雪瀬(ゆきせ)、こいつが見てみたいって言ってた子か?相手にしたらどうだ?」


蒼矢は驚きえっ、と声が漏れた。すると雪瀬と呼ばれた男が言った。彼は緑がかった黒髪がまるで右耳を隠すように右の方に流れている、パッと見優しそうで胡散臭さが漂う人だ。


「まあそうだけど。僕は相手しないよ。」

「はあ?お前が進言したんだろ!『次の新人がどんなやつが来るか見て、すぐ殉職しないような教育ができるようにしたい』って!」


澄玲が食いかかるように言った。すると雪瀬は、


「言ったけど、相手するとは言ってない。見るってだけで。それに、ここは聖都(せーと)くんが相手する方が適任かと思うんだけどなあ。」


雪瀬がその聖都と呼ばれる男をニマニマと見た。


「はあ、どうせそんなことを言うと思ってましたよ雪瀬さん。」


聖都はため息をついて言った。彼はアイドル、いや、俳優のような顔立ちをしており容姿端麗でスタイルが抜群によい男だ。湊がつい彼をまじまじと見た瞬間、雪瀬がなにか察したのか。


「ね、君、この人どっかで見た事あると思ったでしょ。」

「は、はい。」


急に話しかけられて湊は少し驚いた。


「こいつは、空星聖都(そらほし せいと)。元アクション俳優なんだ。知ってる?覆面ドライバーアルファの網谷風斗(あみや ふうと)とか!」

「あ!見てました!」

「おい!!」


合点がいったのか少し興奮気味な湊だが、その反対に聖都は恥ずかしそうに雪瀬の腕を掴んで言った。


「もう、この子の相手しなくてもいいですか?雪瀬さんがやるんですよね?」

「ごめんごめん!もう言わないから、お願い!」

「それなんか前にも聞いたことある言葉なんですけど……はあ、次はないですからね。」


すると、聖都は改めて蒼矢の方を向いた。


「こっちの勝手ですまんな。手合わせをお願いできるか?」

「はい、お願いします。」


そう言うと、5人は訓練場に向かった。

気まぐれ投稿頻度。


登場人物紹介

榎木湊。特犯警察16期生。

年齢18歳。誕生日6月17日。血液型O型。身長179cm。体重76kg。家族構成:父、母(どちらも故)


性格

陽気。誰でも仲良くなれる良い奴。


特技

目立ったものは無い。強いていえば元サッカー部なのでキック力はある。


逆社会組織について

正直恨みつらみよりもどうして来んな惨いことするのか謎でしかないから、そういうの知りたいと思ってる。


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