第九十五話 〜見たもの、見ていくもの〜
おはようございます!!
前回に引き続きみずちの話です。
辛い過去を話してくれたみずち、その話をチームメンバーへ報告する。
話を聞いたみんなはどんな反応をするのでしょうか!?
今回のお話もお楽しみください!!
空亡が帰ってきた。
「おかえり!!空亡!!大丈夫だった?」
私は待っている間ずっと気が気じゃなかった。さっきまで、怒っていた妖怪の元へ向かったのだ。心配せずにはいられない。
『心配かけたな。すまない。だが、大丈夫だ。』
空亡はそれからみずちとの話を一通り私たちに話てくれた。みずちが人間不信になっていた理由まで話てくれた。空亡がみずちの元へ向かうときに、人数のせいと言っていたが、おそらく、空亡は気づいていたのだろう。人間がいたことが原因だったと。
空亡は私と師匠に気を遣ってくれたのだ。
「ゔぅ……うぇっ、えぐ…。」
空亡の話を聞いて、私は涙が止まらなかった。心が張り裂けそうで、そして、はらわた煮え繰り返りそうで。
『とりあえず、みずちは晴明とも友人であったからな。その子孫である未来には一度会ってみても良いと言っていた。』
空亡はこの出会いが状況を左右するという話は伏せた状態で話を進めた。
『約束まではできないが、おそらく協力してくれるだろう。その前に未来と話がしたいそうだ。』
私は「ゔんゔん、わがっだ……。いぐよ。」と返事することしかできなかった。周りも涙で滲んでいるが、みんな行ってこい、と言っているような顔つきであると勝手に解釈した。
『ありがとう、すまんな。』
空亡はお礼と謝罪をした。なんで謝罪?とも思ったが今はそれどころじゃない。
――龍神宮、祠前――
『連れてきたぞ。』
空亡と私はみずちの祠の付近まで来た。
空亡がみずちに声をかける。
「―お前が、未来か?―」
みずちは私が未来であるかの確認のために声をかけてきたが、もう、私はそれどころではなかった。
「みずぢーー!!寂じかったでしょう!?辛がっだでしょう!?もう、大丈夫だよ!!いつでも話し相手になってあげる!もう寂しい思いはさせないよ!!」
私はなにかが決壊するかのように、言葉が溢れてきた。
「―…な!?何を言って……!?―」
……………………
………………
…………
……
その瞬間、フラッシュバックのようにみずちの脳裏をさまざまな思い出が駆け巡る。
―寂しかったでしょ?辛かったでしょ?いいよ!今日からは僕が話し相手になってあげるよ!―
みずちの脳裏に、少年との出会いの場面が思い出される。
―なんでそんなところにいるの?出て来れないの?―
少年と話すようになってから質問された場面だ。
「―封印されているのでな。出られないのだ。―」
―ふーん、そうなんだ!?どうすれば出られるの?出られればいつでも一緒にいられるし!―
少年はにこやかに笑っている。
「―封印が解ければ出られるのが、悪い妖怪も一緒に封印されているから危ないのだ。―」
―へぇ!じゃあ封印解いて悪い妖怪やっつければ良いんだね!?僕が大きくなったら倒してあげるよ!―
少年は自身ありげに胸を張っている。
「―お前には無理だろう。―」
私は冗談まじりに否定したのだったな……。
―そんなことないよ!僕だってご先祖様は立派な陰陽師だったってお父さんが言っていたよ!―
そうだ……、少年は陰陽師の血を引いていたみたいだったな。
「―ほう……。ならば少し期待しても良いかも知れぬな?―」
―まあ、分家?って言ってたけど、きっと血は繋がっているよね!?ご先祖様の名前、なんだったけなぁ……、あッ!!そうだ!!………………―
……
…………
………………
……………………
みずちは我に返って目の前の光景を見る。封印されているとはいえ、ほぼ解けかけの封印だ。光景を見るくらいは造作もない。
目の前には泣きじゃくった顔の人間の女性とかつての友人がいる。その人間はまだ叫んでいる。
「私が!封印を解いてあげる!!ほら!空亡も手伝って!!」
私はみずちの封印を解いて、今すぐにでも解き放ってあげたくなった。空亡も巻き込んで、何がなんでもやってやる!
「―そうか……。―」
みずちが何かを呟いた。
「―泰喜……、ありがとう。―」
………………
…………
……
―あッ!!そうだ!!……安倍晴明だ!!ちなみに僕は倉橋泰喜っていうの!よろしくね!―
安倍晴明の分家だったか……。
通りで……。
未来は安倍晴明の嫡流か、晴明の血が2人には流れていたか。
しかも、同じような事を口走っている。未来には泰喜の意思が宿っている。
……
…………
………………
「―未来。落ち着け。―」
みずちから、名前を呼ばれ、あたふたしていた私は我に返った。
「え!?え!?私の!?え!?なに!?」
少し……いや、かなり狼狽えてしまった。
『こっちが聞きたいわ。』
空亡は呆れたように呟いた。
「―空亡。お前を信じてみよう。未来、お前のことも信じよう。―」
みずちからの突然の宣言だった。空亡を信じてみよう……?私が信じられるかどうか試されていた?
チラッと空亡の方を見ると、スッと視線をずらされた。
!?!?
「空亡!?」
私は空亡にしてやられた!?っと憤慨した!
「―怒ってやるな。私が言い出した事だ。空亡は未来のために黙っていたのだろう?―」
みずちが空亡を庇うように話しかけてきた。
「わかってますよー。なにか隠してるなぁっていうのは気づいていたし。でも、言って欲しかったかなー!」
私は少し残念がってみた。
『いや、言っていたらガチガチになっていただろう?』
空亡私のことをよくわかっている。
はい、そうですね。多分ガチガチでしたよ。
「…………。」
私は声が出なかった。その図星に黙ってしまった。
「―……、フハハハハ!!そっくりだなぁ!分が悪いと黙るところとか!!―」
みずちは私と泰喜を比べたのか、そっくりだなぁ!と話した。
と、そこまで話し真剣な声色となって話をまとめた。
「―未来、お前にこの祠の封印の解除を任せよう。私ももう一度、人間を信じることにしよう。関わりを絶ってきたが、関わらんと得られないモノもあるしな……。―」
みずちは少しずつでも人間への接し方を考えることにしたようだ。正直な話、あんな経験をして考えを改めよなんて言えない。でも、考えてくれるだけでも嬉しい。
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
みずちの過去を聞いて、未来はとても取り乱していました。
仕方がないと思いますが。
それでも、みずちの過去と現在につながりがあったことも驚きです!
認めてもらえてよかった!
次回は11/9朝アップします!!




