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夜明けの陰陽師〜安倍晴明の子孫と伝説の妖怪がタッグを組んだら〜  作者: 太星
第二章〜新たな決意と共に〜
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第六十六話 〜戦略〜

おはようございます!!

前回から長老と賀茂さんの模擬戦が始まりました!

初っ端からふざけた能力を出しますが、今回の話では2人の戦略にフォーカスします。

是非ともお楽しみください!!

空間転移と未来予知。


どちらも最高レベルの術であることは間違いない。この一瞬において、そんな高レベルな能力が使われたなんて気づく人はそう多くはないだろう。かく言う私も、空亡と恵慈さんの解説がないと理解もできなかったと思う。


「長老も初めからガンガン上げていっているなー。」


2人をよく知る恵慈さんは長老のスロットルの上げ具合に驚いたようだ。


『あの小僧も意外とやるな。術の展開と戦闘におけるセンスがずば抜けているな。』


 そんな感じで、2人は実況をしながら見ている。私はその実況を聞きながらしっかりと動きを追っている。

試合はどんどん進んでいく。


「次はこっちから行くぞ!」


 長老は蹴りを避け地面を踏みつける。それに呼応したかのように、賀茂さんの周りの地面から炎が立ち上がる。これは火車(かしゃ)による術のようだ。逃げ場をなくすように賀茂さんの周りを炎が囲む。その賀茂さんに向かって拳を打ち込む。賀茂さんはその拳を紙一重で避けたが、すぐさま長老の蹴りが襲ってきた。

 賀茂さんはガードをしたがあまりの威力に炎の囲いを飛び越えて吹き飛ばされた。


「あいっかわらず、馬鹿力だなぁ!」


 上手く受け身をとった賀茂さんは長老の力強さに嫌味を言った。


「ガッハッハ!!力あってなんぼだろう!?ナヨナヨしたやつにはまだ負けんぞ!?」


 一昔前の人みたいなことを言い出した。


「けっ!発想が古くせぇんだ……よッ!」


 と言いながら、右手から何かを長老に向かって投げた。長老はそれがなんなのか知っているからか、スッと避けたが、長老を通り過ぎた後に急反転して背後から長老を再度狙う。


「おっと!?」


 長老は驚いたように紙一重で避けるが頬の辺りに微かにあたったようで切り傷ができていた。


「ふむ。そんなに操作性良かったか?」

「昔とは違うって何度も言ってるだろうが!?」


 先ほど賀茂さんが投げたものが賀茂さんの手に戻ったことで、正体がわかった。


 それは「鎌」だった。


 刃渡30センチほど、つかの長さも30センチほどの鎌である。賀茂さんは武器を使っての試合をする人なんだろうか?


「未来さん、あれは鎌だけど忠志くんの契約妖怪だよ。」 


 恵慈さんはあの鎌が妖怪であることを教えてくれた。


「え!?妖怪なんですか!?」

「そう。『かまいたち』っていう妖怪だね。多分聞いたことはあるよね?風に乗せて切り傷を負わせる妖怪だよ。忠志くんは契約することで、その姿を自分の武器として使用できるようになっているんだよ。」


 契約妖怪のバリエーションに驚いた。色々な能力があることはわかるが、まさかその身を武器に変えるものまでいるとは思わなかった。


『かまいたちか……。素早さと切れ味は抜群だな。だが、それでもかわしきる長老はさすがと言うしかないな。』


 空亡は長老の方に軍配があると考えているらしい。確かに今の感じだと、賀茂さんがあしらわれている感じがある。


「チッ!まあ、奇襲はこんなところか。こんなんで終わるとは思っちゃいねぇがな!」

「ガッハッハ!まだまだ余裕だぞ!?次はこっちからいくか!?」

 

 そういうと、長老は地面を強く蹴り、賀茂さんの方へ一気に間合いを詰める。間合いを詰めるスピードのまま賀茂さんに肩でタックルをする。賀茂さんが知覚できないくらいのスピードだった。一瞬、地面を蹴った足の裏に火花が散ったように見えた。おそらく、火車(かしゃ)がブースターとしてスピードを出したのだろう。


『上手いな。』


 空亡も長老の細かな戦術に称賛を贈っている。


「おいおい、そんなもんじゃねーだろ?がんばれ!」

「てめぇ!!」


 長老にいいようにもてあそばれ、頭に血が昇った賀茂さんという構図が出来上がった。長老は人を怒らすことが得意なのだろうか。いや、それも観察眼がなければできないことだ。よく観察し、性格を理解し、どう言った言葉に翻弄されるか。きっと、長年人と向き合ってきたからこそ培った力なんだと感じた。年の功とはよく言ったものだ。だが、賀茂さんもやられっぱなしではないようだ。


「……ふぅ……。」

「ん?おいおい、何休んじゃってんの?まだまだこれからでしょ?」

「チッ!もう、その手にはのらねぇよ!!いっつもそうやって俺らのこと心から崩していくのがてめぇのやり口だからな!!ちょっと乗ってやっただけだよ。もう、昔までの俺じゃねぇ!!!」


 えげつなっ!?長老の戦術ってそんなだったの!?


「ほんと変わらないなー。そんなことしなくても十分強いのに。ほんと容赦ないなー。」


 恵慈さんはそんな長老のことを知っているらしく、物思いにふけっていた。


『どの世も似たような戦術の使い手はいるものだな。平安の世でも、心を揺さぶり徹底的に叩き潰すのが得意なやつもいたな。』

「ふーん。そうなんだ……。」


 戦術というには、少し納得できないが、そんなことも言ってられない場面になったらそれも立派な戦術になり得るのだろう。正直私には向かないなぁ。と感じた。


「賀茂さんはもうその手には乗らないって言っているけど、今までは結構乗ってたってことです?」

「うん、良くも悪くも馬鹿正直なやつだからね。結構心理戦には弱いよ。でも、今回は頑張っているね。秘策もありそうだし。」


 賀茂さんの秘策も楽しみだな。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

賀茂さんは契約妖怪との連携を駆使した戦略。

長老は契約妖怪との連携もさることながら、自身の観察力に見合った戦闘スタイルらしいです。長老だから許されそうなスタイルです。

もうちょい2人の模擬戦は続きますが、お楽しみください!!

次回は10/10朝アップします!!

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