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第百九十話 〜目醒め〜

おはようございます!!

真琴の魂に降り立った未来。

恵慈さんで魂の世界は経験しているが、また未知なことが多い。

どんなものが待ち受けているのか!?

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 さっき、真琴の精神を潜ってきた時にみた。最後は解放されたくて、山本を倒したくて、私たちに望みをかけたことを私は知っている。


山本五郎左衛門さんもとごろうざえもんは倒したよ。真琴にかけられていた呪いも解呪できたよ。私たちは誰1人かけていないよ。キョンちゃんも真琴がいないことを悲しんでいたよ?……私も、待ってるよ?」


 真琴はまだ動こうとしない。


「真琴が頑張ってくれたから、この1000年!頑張って生きていてくれたから、私たちは今ここでこうやって話をできているよ!……決して無駄な1000年じゃなかったよ!!」


 すると、ドームが開く……。


 中には4本足で立ち上がった猫の姿の真琴がいる。


「……無駄じゃなかった……?」

「うん。」

「私も役にたてた?」

「うん。」

「こんな見た目なのに?」

「見た目なんて関係ないでしょ?」

「尻尾2本あるよ?」

「大は小を兼ねるよ?」

「……ふふ。未来はやっぱり未来だ!」


 ――タッ――


 (まこと)は私の胸へと飛び込んできた。私はその小さな(まこと)を抱きしめた。

 ふと、真っ黒のドームを見るとドームは溶けるように地面に流れて黒い猫の形になった。


「あなたが真琴を守ってくれていたの?」


 ――にぁあ――


 その猫は肯定するように返答し霧散していった。真琴の魂が呪いに負けないように、魂が壊れてしまわないように、もう1人の真琴が真琴の魂を守っていたのだ。


「ありがとうね……。」


 私はもう1人の真琴にお礼を言った。

 そして、今私が抱いている(まこと)にも話をしないと……。


「ねえ、真琴?これから辛いこととかあると思うけど、私はずっと味方だよ!過去も今も未来も全時空を通して私は味方だよ!!……さぁ!みんなが待ってるよ!帰ろう!!」


 私は真琴を抱きしめて、帰ろうといった。


「うん。ありがとう。」


 ………………

 …………

 ……

 ……

 …………

 ………………


 ……ハッ!!と意識を取り戻した私は私に力を分けてくれているみんなに声をかける。


「みんな!!ありがとう!!」


 空亡、お姉ちゃん、フローラは私の声に喜びの感情が乗っていることに気がつき、ほっとしたようだ。あとは真琴が起きるのを待つだけ。ほとんどの力を使い果たしてみんなぜいぜいしているが、清々しい顔つきだ。

 みんなで真琴のことを見守る。


 ――パチ……――


 すると、真琴のまぶたがゆっくりと開かれる。目が開き、虚空を見つめる。何をしているのだろう……?もしかして、呪いが消えているのかを試している……?


「大丈夫でしょ?」


 私は安心させるように真琴に話しかけた。その言葉に頷きつつ、こちらを向いた。


「ゔん……。いだぐない……。好きなごと、考え、られる……。」


 真琴は横になったまま、目尻から涙を流した。

 真琴は長かった悪夢をやっと抜けたんだ。今は泣いたっていい。全然構わない!!


 ――ガバッ――


 真琴は感極まり目の前の私に抱きついた。


「……うわぁぁ!ありがとう……!ありがとう……!!みぐぅ……、う、うぅ。」


 真琴は号泣しながら抱きつく、今まではこんなことしようものなら激痛に苦しんでいただろう。でも、そんな日々はもうお終いだ。私は泣きじゃくる真琴を抱きしめて冷静に答えてあげなくては……


「うわぁぁぁ!!よがっだぁぁぁ!、無事助けられてよかったぁ!!!」


 いけない、とは思ったが、無理だった。だって、ずっと助けたかったんだもん。その人の無事な姿を目の当たりにして冷静になんてなってられないでしょう!!


「ふふふ。よかった。」

「よかったですー!!」


 お姉ちゃんもフローラも喜んでくれている。空亡も何も言わないが、表情は柔らかだ。師匠も鬼神と一緒に笑っている。ただ1人、浮かない顔が長老だ。


「……真琴……。」


 長老が真琴を呼ぶ。


「……長老……?」


 2人は目を合わせて同時に叫ぶ。


「「ごめん!!…………え!?」」


 2人して謝るもんだから2人も疑問までハモっていた。


「すまん、俺はお前の本心に気づいてやれなかった。だから、すまん。」


 長老は長年、真琴の状態に気づいてやれなかったことを悔いている。


「いや、私こそ騙してて、ごめん。それに、長老のその手足……、私を(かば)ってのことだもんね……。ごめん。」


 2人ともお互いに謝罪したいことがあったようだ。お互いにお互いが謝り合ってなんともいたたまれない雰囲気だ。


 ――パンッ!!――


 私はそんな空気を手を叩いて破る。


「……どっちも大変だった!どっちもどうしようもないなかった!今は命があって、笑っていられる!!それでいいんじゃない!?」


 私はこれ以上、しんみりするのは避けたい気持ちが強かった。せっかく真琴が帰ってきたんだから!!

 まあ、長老は手足一本ずつないけど……。


「そうだな……。おかえり……、真琴。」


 長老は言う。


「うん。……ただいま。」


 真琴も返す。これでいい。


『さて、あとは地上の残党たちをどうするか?だな?』


 タイミングを見計らって空亡が今後の話をした。本当に空気を読むのが上手いことで。


「そうだね。今の状況ってどんな感じなのかな……?友弥くんは無事かな?」


 すると……。


 ――『はい!!無事ですよ!!皆さんのお力になれて大変光栄です!!ものすごい感動しています……。うう。よかったですね!!』――


 どこからともなく声が聞こえた。ああ、状況は把握してたわけね。


「おう、外の状況はどうだ?」


 長老が聞く。


 ――『現在の状況は至って優勢です。ですが、「厄」の皆さんは山本の処遇を知りません。早いところ終わりを宣言しないといけないですね……』――

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

無事に真琴を解放することができました!!

実は真琴も1000年以上生きている古参でしたね。

これから辛いことがあっても、立ち向かっていけるでしょう!

時空を超えて未来が味方になると宣言したんだから。

次回は5/1朝アップします!!

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