表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/194

第百八十七話 〜真琴の魂〜

おはようございます!!

目を覚さない真琴。

変に魂が覆われているらしい。だが、解明されていない代物故にどう対処していいかわからない。

どうやって対処するのでしょうか!?

こんな魂の状態は初めてみる。というか、魂は一般的には観測不可能なものだ。だから、前例がないのも仕方がない。でも、今まで見た魂の状態から考えても異常だと思った。


「魂を魂が包んでいる……?」


 なんだろう。どういう状況だ?


『未来……。さっきのを試してみるか?』


 空亡が助け舟を出してくれた。でも、今回の事象はそれでどうこうなる問題ではなさそうだ。


「ありがとう、空亡。でも、これはチューニングではどうにもならなそう……。それに、本質からして空亡と真琴は対象じゃなさそう……。」


 チューニングはあくまで相反する魂を持ち合わせている者同士でできる。真琴の本質はわからないが、空亡と相反したものではないと思う。


『そうか……。』


 空亡は少し残念そう。ただこれはそういうものだから仕方がない。


「……何か手はないかなぁ。」


 私もなす術がなく考えている。ここまで来て真琴を救えないのは絶対に嫌だ!何か方法はないのか!!?


「……方法がないのか……?」


 珍しく少し弱々しい感じに長老が声を出す。みんなも残念そうな表情をしているが、師匠だけは特に気にしていなげな感じだ。そして、師匠から言葉が発せられた。


「その包んでる魂が邪魔なのか?力づくで引き剥がせばいいんじゃねえのか?」


 そう簡単にいうけど……ん?


「あのねぇ、魂なんて誰も観測できない代物よ!?そう簡単に剥がせると思う!?」


 お姉ちゃんが師匠に反論した。私は少し思いついたことがあったので、ポーチを探し出した。


「そうですよー!無理無理ーですよー!」


 フローラもお姉ちゃんに同調している。そして、私はポーチに入っていた晴明さんの霊符を取り出した。


『……未来……?』


 空亡は怪訝そうに私を見ている。


「……あった……。」


 私が見つけたのは一つの霊符。一応、どんな霊符があるかは確認していた。ある日の資料室から脱した時の物理の干渉を無効化だったり、魂の声を聞く能力だったり。その中に一つだけ、何も記載がない霊符があった。今、その霊符に込められた能力を確認すると、魂にアクセスできる能力であることがわかる。


「晴明さんは……すごいな……。」


 私は感嘆の声をあげた。

 晴明さんは1人で、しかも1000年も前に魂について理解して、アクセスする術式まで構築していた。この霊符はその術式までは構築したけど、霊力の使用量がとてつもなく、晴明さんでも行使できなかったものだろう。


「……これがあれば!?」


 私は希望を抱いた。


「未来……?どうしたの?」


 お姉ちゃんが私が1人でごそごそしているのに気づいて理由を聞いてきた。


「これがあれば真琴の魂にアクセスできるかもしれない!!師匠の言った通り、直接剥がすことができるかも!!?」


 私はその希望を口にして言霊に乗せる。気持ちが大事だ。


「ほら、言ったじゃねぇか!!」


 師匠はしたり顔だ。お姉ちゃんとフローラは悔しそうにしている。


「……でも、この霊符の行使に使う霊力は半端じゃなさそう……。今の私でも足りるかどうか……。」


 すると、空亡が私の肩に手を当てた。


『全て使え。』


 そう一言、空亡は自分の妖力を私に送り込んだ。契約している私と空亡であれば妖力の譲渡は可能だ。すると……。


「あ!じゃあ私も!」

「ワタシもですー!」


 お姉ちゃんとフローラも妖力を譲渡してくれた。


「ありがとう……!行けるかも!!」


 そう言って、霊符を掴み、念じる。

 ――真琴の魂まで案内して……!!――

 その念に呼応したかの様に霊符が輝く。そして私の意識は真琴の魂まで飛んでいく……。


 ………………

 …………

 ……

 ……

 …………

 ………………


 一瞬意識が飛んだと思ったら、流れる様に進んでいる感覚に陥った。そして、真琴の今までの出来事が走馬灯の様に私の脳裏に入ってくる。


 ―――――

 

 私、古河真琴は元々、猫だった。時代としてはいつだろう。平安?それよりも前だろうか……。私はどこにでもいる普通の猫。ただの野良猫だった。時代背景はあんまり理解していなかった。そして、野良猫の世界にも秩序はあった。私はその世界では爪弾きものだった。何故か。答えは簡単だった。生まれつき私の尻尾が2本あり、異端だったからだ。2本の尻尾は稀に生まれてくる存在らしいが例外なく虐待などを受ける。だが、私は強く生きた。餌がなかったら奪い取り、寝る場所がなかったらひたすら探す。どこに行っても追い出されたりするから、満足に寝たことはほぼ無い。

 ある雨の夜。私は約20年生きた。猫としては既に化け物と言われてもおかしく無い。私は流石にもう限界が来ているのだろうと感じ、自分の死に場所を探してとぼとぼと歩いていた。もう……疲れたな。


「それなら、私と一緒に来ませんかぁ?」


 私の前に1人の男の人が立っていた。彼は山本五郎左衛門さんもとごろうざえもんと名乗った。彼の傍には狐がいた。私はその男に救われたのだ。

 それから数日後、私は山本から妖力を分け与えられ、猫又として妖怪の生を得ることになった。山本と狐と猫。あまりにも格好がつかないメンツだが、その時は妙に居心地も良かった。

 基本的に山本は何もしないし、狐は私と戯れる。そんな日々が続いたある時。温和で優しかった山本の様子がおかしくなった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

真琴の魂にアクセスすることができました。

安倍晴明はやはり伝説と呼ばに相応しい陰陽師だった。

これから真琴の過去になります。

もう終了までまじかです!!

もう少しお付き合いください!!

次回は4/24朝アップします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ