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夜明けの陰陽師〜安倍晴明の子孫と伝説の妖怪がタッグを組んだら〜  作者: 太星
第七章〜今世の百鬼夜行・山本五郎左衛門〜
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第百八十話 〜怒〜

おはようございます!!

空亡の過去が本当は空亡の意に反した行いであることが判明しました。

それも、山本の仕業でしょう。

今回もお楽しみください!!

空亡はいまだに呆然としている。色々飲み込めず、整理もできていないのだろう。


「ふふ、思っていた展開と違い、あまり面白くはないですけど、少しお話ししましょう。」


 そう前置きをしてから話を始めた。


「すべては私が仕組んだことですよ……。空亡……。貴方の魂に私を忍び込ませて、全てを扇動していました。」


 山本は自分の仕業であると告白した。


『……、本当なのか……!?だが、どうやって……!?』


 確かにその手段についてはわからない。いまだに空亡の魂に巣食っているのも、何故、今は問題が起きていないのかも。


「私は()()()()()()()。その力で私の一部を空亡の魂まで送り込みました。」


 空間を操るのはわかっているが、そこまでできるのか!?


「もちろん、制限はありますよぉ?魂の領域まで空間を繋げることはできても、触れることはできない。私の一部を切り離して魂に巣食わせるのも1人しかできません。……私はその特別な相手に空亡を選んだのです。」


 そんなことが……!?それで、山本の一部は空亡の魂に巣喰い、意に反する行いをしてきたのか……。


『思考や行動は精神からの信号だが、その根本は魂で決められている……。魂は自分でも知覚するのが難しい。魂で山本による命令から精神で自分の感覚に変換されていた行動をとった。だから我が自分で考えて行動したように錯覚していたのか……。』


 正直この能力が制限なしで使えたのであれば私たちは全滅していた。これは運が良かったとしか言えないな。そして、空亡も自分の状況を理解したようだ。


「その通りですねぇ。ですが、貴方が行った所業は消えませんよぉ?ふふ、ふふ。」


 うっざ!!


「気にする必要ないよ!!空亡!全部山本のせいなんだから!!」


 私はその言葉に苛立ちを感じて空亡に声をかける。


「ふふ、まあ、いいです。当時はとても順調だったんですけどねぇ。あの大戦以降、少し綻びが出てきたように感じましたぁ。……、空亡、貴方はあの時、私を通してお嬢さんをみましたねぇ?」


 !?空亡が見た……?


『ああ……。確かに見た。さっき思い出したが、我はあれから変わっていけた。』


 どういうことだ!?あれはただの記憶の映像ではなかったのか!?空亡にもその感覚があったのか!?私だけが感じた一方通行なものかと思っていた。


「お気づきでしょうが、お嬢さんが見た記憶は基本的に私の目線から見た記憶です。私は特性上空間と時空を歪めます。空亡は私の目の奥から時空を超えてお嬢さんの意識を見たのでしょう……。」


 結構色々話してくれるな。


「……、あの光景を見せた私の失態ということでしょうか……。ですが、それだけではない……。」


 意外と親切に話してくれるなと思った矢先だった。山本のオーラが更にどす黒くなって、怒りに満ちてきている。私と空亡はこれで話は終わりか?と臨戦体制をとる。


「……、あの大戦(おおいくさ)のすぐあとです。」


 山本の言葉に続けるように、空亡が言葉を繋いだ。


『……そうだ。そのあと、我は安倍晴明と出会ったのだ……。』


 そうか。晴明さんの話だと、空亡と出会った当初は荒れていたと言っていた。それは山本によってもたらされた影響だったのか。


「……そうです。安倍晴明が崩れかけた空亡の魂を徐々に修復していったのです。……私は見るに耐えなかった。あの鮮烈で残忍で孤独な空亡が、……穏和で優しい仲間に囲まれた空亡に変わっていくところを!!」


 ――ビリビリ――


 山本の怒りに合わせて、地響きがする。相当頭にきてるな……。


「……そして、……晴明と同じ波動を感じる小娘が、、、、不愉快だッ!!」


 話は終わった。ここからはまた戦いの時間だ。とでも言わんばかりに素早く攻撃を仕掛けてきた。怒りもあり力が増している。話をしている時に都合よく妖力の運用も戦闘に合わせて最適化したのだろう。さっきまでとは違う気迫を感じる。


「きゃあ!!」


 私に向かって駆けてきた山本は刀を突いてくる。私はそれを鉄扇で受けるが、衝撃は強く後方に飛ばされる。誓約により更なる強化もされているが、山本はそれでも強敵であった。


『未来!!』


 空亡が心配なのか声をかけてきた。


「……大丈夫!!」


 私は問題ないことを手短に伝えて、戦闘に戻る。

 山本を図録に封印するにしても、ある程度はダメージを与えなくてはいけない。


「どうしたぁ!!?こんなものかぁ!!?」


 山本は私と空亡の攻撃を紙一重で避けつつも反撃もしてくる。やはり戦闘のセンスはすごい。


「……ッ!くそッ!なんで!?なんで戦わなくちゃいけないの!?寂しいんだったら素直になればいい話じゃないの!?」


 私は気になっていた。山本の根本には1()()()()()()という理由がある。それは心次第でどうにかできるはずだ!幹部を集めたのも寂しかったからじゃないの!?


「私の何がわかる!?……何を知っている!?……知ったような口を開くなぁ!!」


 山本は更に激昂する。


「何も知らないよ!!だから、聞いて知ろうとしてるんじゃない!?」


 私は剣撃を受けながら叫ぶ。


「それが無駄だと言うのだ!!理解などいらない!されたくもない!!」


 山本はやっぱりどこかおかしい気がした。なんで、寂しさを分け合おうとしないのか。空亡を陥れてまで誰かを孤独にさせようと、同じ境遇にしようとするのか。まるで、自らは()()()()()()()()()()()かのように……。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

山本の仕業で空亡は陥れられていました。

そして、自身のことを話すにつれて山本は徐々に怒りが溢れて来ます。

安倍晴明によって変えられた空亡が見るに耐えなかった様です。

これからの展開もお楽しみください!!

次回は4/8朝アップします!!

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