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夜明けの陰陽師〜安倍晴明の子孫と伝説の妖怪がタッグを組んだら〜  作者: 太星
第六章〜今世の百鬼夜行・幹部編〜
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第百六十三話 〜恵慈友弥〜

おはようございます!!

恵慈さんの弟である友弥くんが参戦しました!

今回はその友弥くんの人となりを見ていただけたらと思います!

恵慈さんとは違う感じがありますよ?

お楽しみください!!

友弥くんに対する接し方はみんながみんな恵慈さんに対するような感じだったが、師匠とお姉ちゃんはまた違った接し方だった。

 友弥くんは顔もそうだが雰囲気も恵慈さんに似ている。私もすぐに打ち解けることができた。だが、師匠は友弥くんの強さにいち早く気付いて、闘志をメラメラさせていた。最初はわからなかったけど、その内包する霊力は凄いものだと感じる。そして、お姉ちゃんはお姉ちゃんで、恵慈さんのことを思い出したようで浮かない顔をしている。それでも強くあろうと気丈に振る舞っている。


「聞いていいかな……?」


 そんな雰囲気の中、私は気になったことがあるので聞いてみようと思った。


「ん?はい、いいですよ?」


 友弥くんは快く受け入れてくれた。


「なんで、陰陽省に力を貸してくれようと思ったの?長老にすごくスカウトされたんだろうけど、正直状況が悪化する可能性が高いよね?」


 私は友弥くんが危険を承知で力を貸してくれている理由が知りたかった。


「ああ。そうですね。それは話しておかないとですね。」


 そう言って、チラッと長老の方を見た。長老は無言で頷きそれを合図に友弥は話し始めた。


「僕が、陰陽省に加担する理由は恵慈家の壊滅を目論んでのことです。」


 !?おっと!?まじか!?


「え!?どう言うこと!?」


 思わずお姉ちゃんが聞き返していた。


「説明しますね。……正直、僕は今の恵慈家がとても嫌いです。兄を勘当したのも理由ですし、それ以前に、私服を肥やすために色々やってきているみたいです。僕はそんな恵慈家を壊滅させ、最初からやり直そうと思っているんです。」


 おおー!凄い高尚な理由だ!私よりも若いのにしっかりしてるなぁ。恵慈さんの弟でもあるし、すでに一家の当主という肩書きもあるわけだし、経験が違うんだろうな。


「僕は、兄の葬儀に参列できませんでした。家の中では兄が死んで済々しているという話もちらほらありました。そんな中、当主の自分が出ていくわけには行きません。自分の家族の死に目にも会わせてもらえないような家は一度滅んだほうがいい。……ですが、兄が勘当された当時、自分には力がなかった。なので、力とコネクションが欲しかったんです。そこに長老が話を持ってきてくれて、陰ながら陰陽省に力を貸すという形で陰陽省へのパイプ作りと長老から力の使い方を教わっていたんです。しかし正体を明かした状態だと、恵慈家というブランドが僕の信頼獲得の邪魔をする。ということで、正体を隠しての協力ということにもなったのです。」


 おお、凄い色々考えてるな。というか、意外と過激な考えを持っているな。性格としては恵慈さんとはちょっと違うのかもしれない。そして、それが確信に変わるのはこの後の出来事でだった。


「……そんなことはどうでもいい。お前が恵慈の弟だろうが、重要なのはただ一つ、お前が使える奴なのかどうかだ。」


 師匠は恵慈さんに対しては弱小の守護対象とでも思っていた感じだが、友弥くんに対しては闘志むき出しだ。それだけ友弥くんから感じる力を試したいのだろう。


「ふふ。いいですよ?僕も伊達に当主やってないですから……!」


 そう言って師匠の申し出を受けて立っていた。

 恵慈さんとは違う性格だ。意外と思想も過激だけど、戦いも好きそうだ。


「……はいはい!待った待った!!明日は決戦だよ!?なんで今なのよ!?もう、友弥くんの強さは伝わってきてるでしょ!?友弥くんも意外と好戦的だね?恵慈とは違うのね!?」


 そこでお姉ちゃんが止めに入った。性格の全然違う友弥くんに恵慈さんを重ねることができなくなって普通に接することができるようになったみたいだ。確かに師匠の申し出を承諾する人初めて見たかも……。


「けっ、仕方ねぇな。また今度にしておいてやるか。」


 師匠は意外にも潔く引き下がった。明日が決戦というのに、体力を使っている暇わないとでも思っているのだろうか?でも、今までの功績から考えても、信用に足る人物だとは思う。


「そうですか……。では、明日を乗り切ったら手合わせしてくださいね。」


 友弥くんは少し残念そうに言った。本当に恵慈さんとは性格似てないな。恵慈さんと友弥くんが話をしているところを聞いてみたいな。と思った。


「まあ、挨拶はこれくらいでいいだろう?明日はこいつも重要なポジションで参加する。最悪戦いにも参加することになるだろうが、最初は地方とこっちの情報を伝達するのが役目だ。頼んだぞ?」


 長老は友弥くんの仕事について再確認した。


「はい。わかっています。貢献できるように頑張ります。」


 長老の言葉に素直に応じた。まあ、性格に難ありって程の人物ではないな。


「そういえば、気になっていたんだけど、契約はいつからしているの?「白澤(はくたく)」だっけ?」


 私はどちらかというと、その契約妖怪のほうが全然気になる。


「ああ。実は僕も兄と同じように生まれつき契約していたんです。」


 !?生まれつき契約って……。普通そんなに頻発するもんでもないよね!?


「僕達の一族は代々「百目」と「白澤」が生まれつき契約しているケースがほとんどなんです。この妖怪2体は初代恵慈と協力関係にあったらしいんです。そこから、恵慈家の血を持つものに契約妖怪として現れています。2体とも能力が強力ゆえに現世では実体を保てないので契約という手段を使うしかないのです。」


 そっか、そういえば、恵慈さんも百目は現世では存在できないって言ってたような……。

 恵慈家って特別なんだろう。そんな家をぶち壊そうとしている友弥くんは凄い覚悟を持っているんだろうな。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

温和な恵慈さんに比べて、極めて好戦的で過激な思考の持ち主ですね。

恵慈さんとは正反対な性格な気がします。

でも!これがいいのかもしれませんね。

次回からはまた戦闘に戻る予定です!

次回は2/28朝アップします!!

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