第百四十七話 〜開戦〜
おはようございます!!
ついに、百鬼夜行開始、最終決戦となります。
物語の終盤です!
もう少々お付き合いください!!
今回は開戦です。
お楽しみください!!
これが百鬼夜行か……。
亀裂から出てきたモヤは『暗黒雲』と言う妖怪だ。妖怪という括りではあるが、何かを運ぶ事しかできない意志のない妖怪だ。妖怪という事なので、一応魂と精神はあるのだが運ぶ事に集中しているためその意志はないも同然。その代わり巨大な運び屋としてその役割を担っている。
そして、暗黒雲に乗っているのが今世の百鬼夜行の主要メンバーだ。先頭にいるのは山本五郎左衛門。先ほどの一閃は山本の一閃だったのだろう。山本も抜き身の村正を手にした状態で立っていた。
山本の後ろに侍るのは、5人。
忘れもしない、『玉藻前』。
師匠の仇『酒呑童子』。
おそらくあれが呪いのスペシャリスト『崇徳上皇』
そして、あと一歩のところで封印できなかった『牛鬼』。
そして、山本の1番近くに真琴がいる。
おそらく、あの4人が幹部なのだろう。それにしても牛鬼は幹部になれたのか……。厄介だな。
そして、山本と幹部4人の後ろには無数の妖怪達がわらわらと存在している。
あれが「厄」か……!真琴も待ってて!!
そして、その姿を確認した私たちに向けて、山本が脳裏に直接話しかけてきた。
「―約束通りこれから今世の百鬼夜行を執り行う!恐れ、怯え、逃げ惑え!!全てを刈り取ってやろう!!……、勇敢にも我らと戦おうという者たちよ!我らを楽しませてくれ!!まずは、ここで陰陽省を潰す!!余興だ!!!我らが「厄」の者達よ!開戦だ!!―」
山本の号令に従って、暗黒雲に乗っていた「厄」の妖怪達が個々に向かってくる。山本と幹部達はまだ暗黒雲の上で見物している。
「雑魚どもは俺たちに任せろ!」
そう言って、今日のために集まった陰陽省サイドの陰陽師や妖怪達が個別に対応に向かった。
この日のために地方の陰陽師も多少はこっちに集結している。エリア長達は各エリアでの対応に追われているが、私達を山本や幹部達と相対せるように協力してくれている。
「みなさん!!ありがとうございます!!」
私はみんなにお礼を言いながら、私たちの相手を見据える。
遠くてしっかりと視認する事はできないが、相手もこっちを確認して視線が交差したように感じた。すると幹部達が散り散りに暗黒雲を降りていく様子がわかった。
「みんな!!行こうか!!」
私はチームのみんなに合図をし、前方へ駆け出した。
この時のために色々な作戦を練ってきた。1番避けたかったのは乱戦だ。だが、それは相手としても望んでいないだろう。個人の力量を信じている面々であれば、個別にこっちの主力を打ちにやってくると思っていたが、予想は当たったようだ!
一応、乱戦に持ち込まれた時の策もあったが、良かった。ただ、牛鬼が幹部としている事は想定外だった。
プランとしては、幹部達の各個撃破からの山本を倒し、その他の掃討戦と言った感じだ。言うは易しというが、すんなりいくとは思っていない。様々な状況が起こるだろうからそれに臨機応変に対応することが大切だ。
とりあえず、幹部以外の妖怪達は私達のチーム以外の陰陽省所属の陰陽師や妖怪達に任せる。人数としては多くないが、これまでの修行により大幅な強化をしている。ずば抜けて強い妖怪がいない限り問題はないだろう。
私たちは幹部達の撃破に当たる。
まず、師匠と鬼神さんは酒呑童子と、お姉ちゃんとフローラが崇徳上皇、私の空亡とソラで玉藻前を相手にする予定だった。ただ、そこに牛鬼が加わったためにどこかの人員をさかなくてはいけない。
「ハハハ!!あいつは任せなさい!!」と鵺。
「―助力しよう。―」とみずち。
「最後の戦いだろう?我も手をかそう。」と炎烏天。
牛鬼の相手は我々に任せろと3人の妖怪が前に出た。五行封印で封じられていた妖怪達だ。確かに強さには申し分ないだろう。ここは3人に任せるしかない。
「ありがとう!じゃあ牛鬼を任せます!!」
私は3人に牛鬼を任せる。3人は牛鬼がいる方へと飛んでいく。
「じゃあみんな!健闘を祈ります!!」
そう言って、全員に別れを告げ、それぞれの相手のところへ急ぐ。
「ああ!またな!」
「また会いましょう!」
みんなもそれぞれに返答をしつつ、駆けていく。
みんなと会えるのはこれが最後かもしれない。でも、これを最後にさせない為に私たちはいっぱい修行して、今この場所で駆けている。誰1人かけることなく明日を迎えたい!
――――――
自分以外の全員が戦闘へとシフトしていくが、1人だけ俯瞰してその光景を見ているものがいた。「厄」の当主である山本五郎左衛門だ。
「ふむ。……なかなか準備が整っていますねぇ。この采配は誰が仕組んだのでしょう……?私たちにアドバンテージがあったはずなんですがねぇ。もしや……?」
もしや?とその鋭い眼光で、いまだに山本の後ろに侍る真琴を一瞥する。その目は全てを見透かすような不思議な眼光だ。そして、山本には真琴の心が揺らいでいないことを確認した。もしや、真琴が内通したと勘繰ったが、その心の様子からそれはないと悟った。
「まさか……ねぇ。……、おっと、私もこうしてはいられませんねぇ。」
ッガキン!!!
山本の呟きが終わると同時に山本は何かを刀で防いだ。
それは陰陽大臣、現代の陰陽頭である長老、藤原利信の拳だった。
「ふふ。私の相手は貴方ですかぁ。そうであるとは思っていましたよぉ。」
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
いかがだったでしょうか!?
遂に最終決戦開始です!
これからは戦闘も織り交ぜつつ、まだまだ色々な話を詰め込んでいきます!
もっと楽しんでいただけるように頑張ります!!
次回は1/22朝アップします!!




