第百四十四話 〜エリア長〜
おはようございます!!
百鬼夜行まであと1ヶ月というところで、重要人物による会合が開催されます。
作戦会議という感じでしょうか。
そこで明らかになる事実。
今後の展開にも注目してください!!
現在の状況として、私たちは順調に自身の強化を進めている。
長老からは、来る今世の百鬼夜行の戦闘の要は私たちであると言う話も聞いている。
全国に散らばる陰陽師たちも各々が自身の強化に勤しんでいる。それも全ては、1ヶ月後に迫った「厄」による百鬼夜行に対抗するためだ。
私たちは後1ヶ月でさらに強くなる。もう、負けることは許されない。負けるつもりもない。絶対に真琴を取り戻してみせる!!
「後1ヶ月か……。」
私はつぶやいた。
実は現在会合の真っ最中だ。集まっている目的は、今世の百鬼夜行に対抗するためのミーティング。私たちがいる場所は変わらず黄龍館である。黄龍館の中には宴会場もあればミーティングができるようなミーティングルームもある。そこで、今後の話し合いをすることになった。
参加メンバーは私たちのチームと長老、web参加で小鳥遊総理と各エリア長達。各エリア長達を見たことはないが、みんな気さくでいい人そうだった。
―「おおー!君が未来ちゃんか!?」―
―「あら!かわいいわねぇ!」―
―「お前さんが隊長、副隊長の秘蔵っ子かぃ!?」―
―「今度手合わせ願いたい。」―
諸々の事情は承知しているようで、色々な感想が飛び交っていた。2人目はオネェなのかな??
なるべく注目されたくはないけど、もう少し慣れた。
陰陽省は各都道府県に支部が設置されているが、それをまとめるエリアと呼ばれるものがある。各支部はエリアの下部組織として位置付けられる。エリアとしては、北海道、東北、関東、中部、西日本の5ヶ所だ。
今回のミーティングに参加しているのはこれらのエリアのエリア長達だ。
全員が陰陽師である。
そんな仰々しいメンバーでのミーティングだ。先ほどコメントをしてきた人たちは全員エリア長であり、自分のことを見るのが楽しみだったみたいだ。
ちなみにコメント順に、北海道、東北、中部、西日本といった感じだ。
北海道エリア長は50歳くらいだが全て白髪のおじさん。名前は神居雨竜さん。
東北エリア長は細身でシュッとした見た目。髪は茶髪で宝塚の男役を見ているような煌びやかな容姿をした男性。年齢は30歳後半かな?話し方がオネェっぽい。名前は佐々木蘭さん。
中部エリア長はもう見るからに頑固婆さんって感じのお婆さんだ。独特なシャーマンみたいな服装をしている。地域の司祭服みたいな感じなのだろうか?年齢は70歳くらいか?名前は遠藤國枝さん。
最後、西日本のエリア長は年齢にして30前半くらい。この中では1番若そうだ。それにしても、この若さでこのエリアを任されるとはすごい人材なのだろう。西日本は京都以西が管轄になっているが京都は特に大変な地域と聞いている。それを管轄に入れつつ、そのほかの場所も管轄するとなると相当な手だれではないと務まらない。表情は特に変わらずポーカーフェイスを貫いているし、話し方も淡々としている。何を考えているのか特にわからない。そんな人だから務まるのだろうか……?名前は吉備真隆さんだ。
そして、長老が話を始める。
「よし!全員の出席が確認できた。これから対策会議を始める。」
そう言って、長老が会議の開始を合図した。
「まず、一つの情報を共有したい。」
基本的な事情は全員に共有されているので、新たにわかったことの共有だろう。何か進展があるのだろうか。
「ご存知の通り、我々の仲間であった古河真琴だが、「厄」の奴らによる呪いをかけられている可能性が高い。真琴は俺が陰陽省に入る前から陰陽省で働いていた者であり、絶大な信頼をおいていたが、それも奴らの計画だった可能性が高い。だが、俺は真琴を諦めることはしない!何がなんでも取り戻してみせる!……と、まずは息巻いてみるが、これまでは基本的にこちらが後攻であった。受け身でいるしかなかった。」
それは私も思う。真琴は絶対に取り戻さないといけない。私も真琴の魂の叫びにしっかりと応答してあげたい。今度は絶対に救ってみせる!!
「受け身でいるしかないというのは、こっち側の情報が漏れているか向こうの情報がないということのどちらかだ。こちらの情報が漏れることはこの場にいる者達の協力にかかっている。切に願いたい。そして、あちらの情報がない、ということに関してだが……。」
長老は私たちに情報の重要性を伝え、無駄な情報漏洩を防ぐべく話をした。そして、その後一筋の光明を見出した。
「実は、真琴はカードキーを持って常世にいるらしい。真琴の持つカードキーはマスターキーだ。それだけ重要な物であるため、厳重なセキュリティーがかけられている。」
なるほど。確かにそれはなくしたらとんでもないことになりそうだもんな。
「それで?そのセキュリティーって?」
その含みを持たせた長老の物言いに小鳥遊総理が質問をした。
「位置の把握機能とマイクです。」
位置の把握機能とマイク……?位置の把握機能ってGPSってことかな?
「位置の把握機能っていうのは?GPSとは違う物?」
私が聞きたいと思っていたことを小鳥遊総理が聞いてくれた。ありがたい。
「似て非なるものですね。GPSは常世には通じません。このマスターキーは常世の様子はわからないですが、常世にいるということはわかります。そしてマイクは常世からでも通信できます。とはいっても、どちらも『白澤』が通信に絡まないとダメなんですけどね。それで、つい先日、マスターキーからの音声を受け取ることができました。」
なんと!?
常世の状況を少なからず聞くことができたのか!?
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
エリア長達が新しく登場です!!
ここにきて新キャラクターです!
今後どんな活躍があるのでしょうか!?
そして、百鬼夜行まであと1ヶ月となり、最終決戦までもう少しです。
もう少々お付き合いください!!
次回は1/15朝アップします!!




