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第百四十二話 〜魂の声〜

おはようございます!!

土壇場で空亡の魂の声を聴くことができた。

おそらく未来が授かった契約の恩寵は魂に関することだろう。

これで真琴を助けることができるのか!?

おそらく、私はさっき空亡の魂の声を聞くことができた。

 私達が契約したことによって得た力は魂にアクセスできる可能性がある。

 だけど、どうして一週間も私は何も感じられなかったのか。

 それは空亡の言葉でなんとなく理解した。


 ――私は目的を見失っていたのだ。――


 私はこの訓練に向き合う時に、早く魂を感じないといけないという気持ちでいっぱいだった。でも、空亡はずっとこのままでは終わらせないと思っていた。それは真琴に対する思いだ。魂にアクセスすることで、真琴を助ける手が増える。助ける人を思う心こそが魂の声を聴く条件だったのかもしれない。私は終了間際になってその思いを思い出した。それで同じ思いを持った空亡の魂の声が聴こえたのだ思う。


「ありがとう、空亡……。ごめん、私が焦っていたばっかりに。」


 私はとにかく空亡に謝った。


『……?何を謝っているのだ?何もしていないだろう?我の魂の声が聴こえたのであれば十分だろう?』


 私の思いを知らない空亡は何を言っている?と不思議がった。まあ、それもそうだろう。私は今感じていることを空亡と近くにいた黄さんに話をした。


 ――――――


「なるほどね。とりあえず、魂にアクセス出来ることはわかった。まあ、これからの課題が見えたからいいんじゃないかねぇ。」


 黄さんは私の言葉を理解して、これからの課題を見抜いた。


「まあ、これも一つの可能性だったから想定内。」


 え?想定内?


「想定内だったんですか??」


 私は質問した。


「そうだね。まず、特に何もなく才能が開花すれば1番良かったけど、そうそううまく行くもんじゃない。そうしたら、次は時間をかけるしかない。それでもうまくいかなければ、追い込むしかない。そこで、時間制限で追い込むことにしたのよ。」


 はぁ、なるほど、まんまとその策略にハマったわけか。


『我はなんとなく気づいてはいたが、未来に話したところで目的と違ってしまうからな。』


 空亡は気づいていたようだ。時折見せていた私を安心させようとする表情はその安心感からくるものだったのかもしれない。


「そっか。まあ、知ってたら焦らないもんね。ありがとう。……で?これからどうしたらいいですか?」


 私はお礼を言い、今後についてを確認した。


「まず、お嬢ちゃんは魂へのアクセスの限界を知るところまでは仕上げたいね。まずは魂の声を聞けるところまではレベルを上げないといけないかな。……今は、相手との気持ちが同調しないと聴けないっぽいから、同調なしでも聴けるのか、無理なのか、そのあとは妖怪だけなのか、消費する霊力はどれくらいなのか。色々調べたいことはあるね。まあ、まずは思った時に聴けるようになれるといいね!」


 黄さんは細かく分析してくれた。指導は自分には出来ないとも言っていた。まあ、それはそうだろう。私たちにしかない力だろうし。でも、一回でも聞くことができたし、前に安倍晴明の霊符で魂の声を聴く経験はしているからこの感覚を探すのが最初の訓練だろう。1番辛そうだけど。


「あとは、それに加えて動けるかってところも重要になってくるね。まずはあと3週間くらいは能力の開花に勤しんで、そのあとはワシの訓練に参加しながらの作業になるな!」


 うへぇ。結構ハードだなぁ。でも、あと3ヶ月しかないんだ。あと3ヶ月だけ頑張ればいい!賞賛されなくたって、なんだって、あと3ヶ月の辛抱だ!!空亡のためにも、意思を受け継いだ安倍晴明のためにももう少しだけ頑張ろう!!


 そうして、私は空亡と共にこれからの訓練に臨んでいくのだった。


 ………………

 …………

 ……

 ……

 …………

 ………………


 ――黄龍館にきて1ヶ月――


 黄龍館にきて約1ヶ月が過ぎた。私たちの修行は順調に進んでいる。猶予はあと2ヶ月。私たちの状況として、報告する。

 お姉ちゃんとフローラと極姫は黄さんの指導のもと、力についてを理解して黄さん相手に組み手を行えるようになっていた。最初は黄さんと組み手をしても、1分と保たなかったが、3人がかりで1時間は続けて組み手を取れるようになっている。息も切れておらずスタミナもついたようだ。それにしても黄さんが半端ない。「厄」との決戦に来て欲しいくらいだけど、この場所を守るためにここに残ると言っていた。

 師匠は鬼神さんと一緒に修行をして、余計な力を使わない無駄のない戦闘術を手に入れていた。戦術も色々教わったらしく、戦いの幅が広がっていた。

 そして、私と空亡はというと。


「え!?空亡そんなことを……!?」


 私は空亡を引くような目で見つめた。


『未来!?今度は何を聴いた!?』


 空亡は私に怪訝そうな目つきで返した。


「冗談だよ!!疲れちゃうし!」


 私は魂の声を聴いたとうそぶいた。冗談で。


『未来……。その冗談はタチが悪いぞ?やめた方がいい。』


 叱られてしまった。


「はーい。ごめんなさい……。」


 私はというと、魂の声を聴くことができるようになりました!!!

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

もともと天才肌ではあった未来。

1ヶ月の訓練を経て、魂の声を聴くことができるようになったようだ。

これからの物語で間違いなくキーとなる能力です。

どうやって活躍させるのでしょうか!?

次回は1/10朝アップします!!

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