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第百三十三話 〜1000年ぶりの再会〜

おはようございます!!

安倍晴明と空亡が1000年ぶりの再会を果たして、お互いに積もる話をすることに。

この場は現在、封印の影響で「厄」にばれる心配もない模様。

束の間の再会を楽しんでほしいですね!

今回もお楽しみください!!

空亡と安倍晴明が1000年ぶりの再会を果たし、少ない時間であろうが、その貴重な時間を堪能している。

 1000年間のお互いのこと、そして、今直面している問題についてを話したりしている。

 今のところ、第三の目が急に暴れ出すとかいうことはないそうだ。さっき分け与えた霊力により、ある程度の自由は効きそうだということだ。だが、後1日遅かったら終わってたみたい。あー、怖い怖い。


『それにしても、その姿はどうした?』


 私も気になっていたのだが、安倍晴明は今、石像と化している。


 ―「ああ、これは、ここで封印を施すには長い時間が必要だ。だが、人間てもんは頑張ってもせいぜい100年生きられるかどうかだ。だから、自分を封印を施す為だけの存在にしなくてはならなかった。その代償がこの姿ってとこだ。」―


 晴明さんは自分の使命のために自分を石像と化したようだ。そこまでの覚悟を持ってこの封印に臨んでいるのだ。生半可な覚悟ではないだろう。ましてや、親友とも別れ、子孫の私がいるということは晴明さんにも家族がいたのだろう。それらを切り捨てての使命だ。封印に勤しんでいる間は、孤独だろうし休んでいる暇なんてないだろう。正直私にはできない所業だ。


「すごいですね……。」


 私はつい、思ったことを呟いた。


 ―「そうだろう。誰だってできることじゃないぞー?でも、これで世界が救われるならやってやれないことはないぞ?」―


 晴明さんは意外と苦に感じていないような口ぶりだ。根っこからポジティブな性格なんだろうか。


『だが、我をも欺くとはな。よっぽどのことだろう。』


 空亡はそれでも辛いことは辛いだろうと思っているようだ。


 ―「そうだなぁ……。やっぱり残す家族と空亡と話せなくなるのが辛かったなぁ。後世では、俺の式神がなんとか世を繋いでくれたようだし、よかった。」―


 そうだった。大戦後の表舞台の晴明さんは式神だった。


『聞いた話だと、大戦後の晴明は随分と真面目だったみたいだぞ?式神の方が優秀なんじゃないか?』


 空亡が晴明さんをいじる。


 ―「ケッ!何が優秀だ!本体の1割も力がないんだぞ?」―


 晴明さんは式神の出来栄えに不満があるようだった。だが、今伝えられている晴明さんはどちらかというと、大戦後の晴明さんだ。その情報だけ聞いてみると確かに真面目そうだ。陰陽省の基礎を作ったり、教育をしたりと色々名を馳せていた。


 ―「まあ、それもこれも、今世の為だ。俺は山本を倒せないと踏んで、今世に賭けることにした。」―


 そこで、さらっと衝撃的なことを話した。


「晴明さんでも山本は倒せないの!?」


 安倍晴明といえば、何にも負けない完全無敵の陰陽師だと思っていたのに、それをもってしても倒せないの本人から発言があったのだ。驚くだろう。


 ―「一対一ならいざ知らず、大戦時は乱戦だった。そして、方々に気を配る必要があった。力も分散させちゃっていたしな。そんな中であいつを倒すのは無理だって。」―


 随分と軽くいうなぁ。でも、それもそうだろうな。封印に敵の相手に戦況の確認とか色々していたのだろうから。そんな相手と戦うんだ。生半可な覚悟と強さじゃ太刀打ちできないだろう。晴明さんの話が私に突き刺さる。私たちは本当に「厄」を倒せるのだろうか……。


 ―「そう悲観するな!お前らなら大丈夫だ!俺より強くなるぞ。契約なんていう技術俺らの時代にはなかったしな!!その契約という技術は結構すごいぞ!?」―


 空亡から契約について聞いたのか、契約の凄さに驚いていた。平安の時代に契約の技術があったら状況は変わっていたかもしれない。


「そうですよね。でも、条件がわからなくて……。お互いが信頼し合うことがトリガーなんだと思うんですけど、それだけではないような気もするんですよね。」


 私はもしかしたら晴明さんならわかるかもしれないという望みをかけて話をしてみた。


 ―「条件か……。俺らの時代にはなかったことから、お互いの信頼関係がっていうのは間違ってないだろうな。俺らの時代で妖怪と信頼関係を築こうなんてヤツはほとんどいなかったしな。」―


 やっぱりそんな時代だったんだ。今の生活から考えると、本当に悲しいな。妖怪達だってみんないい人なのにな……。


 ―「その風潮までは俺にも変えられなかったな。だが、今はこうやって仲良くできる者達も増えている。それでいいじゃねぇか。……っと、ちなみに今契約できてるのは誰だ?」―


 晴明さんは本気で妖怪と仲良くなりたい人なんだな。よかった、こんな人がご先祖様っていうのは誇らしい。


「今この場にいるのは、私と師匠の2人です。……今確認できているのも5人しかいません。」


 それでも、5人しかいないのだ。もっと信頼し合える世界になればいいのにな。


 ―「そうか。もっとお互いが信頼し合える世界になればいいな……。師匠ってのはお前か?契約している妖怪は雲外鏡とかまいたちと天邪鬼ね。」―


 晴明さんもまだ信頼し合える世界を諦めてはいないようだ。私はその想いも受け継いでいかなくちゃならないと密かに感じた。


 ―「……ありがとう……。」―


 晴明さんは私に対してお礼を言った気がした。


 ―「ん?ああ、なるほど。そういうことね。」―


 晴明さんは急にさっきまでとは違う声色でしれっと謎を解いたような反応をした。


「え!?何かわかったの!?」

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

何やら安倍晴明には契約の条件がわかったようです!

さすが規格外!

契約はこれからの戦いでどんな役割を果たしてくれるのでしょうか!?

そして、条件とは一体!?

次回は12/21朝アップします!!

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